幽霊系男子のおばけくん
初めてなので変なとこもあると思いますがよろしくお願いします😇
- 神代 奈々(かみしろ なな)は自転車を押しながら呟いた。
本来なら今日は終業式。午前中には帰れるはずだったが、もう空はオレンジ色になり日は沈みかけている。
神代 奈々
- 今日から夏休みかぁ〜…
神代 奈々
- (お腹すいたなぁ… 。コンビニでも寄ろうかな。)
神代 奈々
- そんなことを考えていると、前から40代くらいの主婦が2人歩いてきた。何かの話をしているようだ。
すれ違いざまに、話の内容が耳に入った。
神代 奈々
- ねぇ、あの神社の話知ってる?
通りすがりの主婦A
- もちろん知ってるわよ。最近噂になってるもの。
通りすがりの主婦B
- 赤い目の幽霊なんて不気味よね…。
通りすがりの主婦A
- あら、幽霊なんて信じてるの?
いるわけないじゃない。そんなの。
通りすがりの主婦B
- けど気味が悪いのよ…。見たことある人もいるみたいだし。
通りすがりの主婦A
- そんな噂本気にしだしちゃキリがないわよ……、ってキャーッ!!
何あの子!
通りすがりの主婦B
- 片方の主婦がすれ違った奈々の姿を見て悲鳴をあげる。
通りすがりの主婦A
- うわ……何あの子、本当に人間…?
通りすがりの主婦A
- 気持ち悪い…、何あの姿……。
通りすがりの主婦B
- (……やっぱりもう今日は早く帰ろう。)
神代 奈々
- 奈々は耳のイヤホンをぐっと押し込み、自転車を押しながら急いで帰った。
神代 奈々
- ただいまー。
神代 奈々
- 家に着くと、真っ先に自分の部屋に向かい、ベットにダイブした。
神代 奈々
- (気持ち悪い、か…。)
神代 奈々
- 鏡を見ながらさっき言われた言葉を思い出す。
本当にその通りだと思う。
人間、というよりかは獣とい言った方が正しいような、猫のような真っ黄色の瞳に、血を被ったのかと思うほど深紅色の髪の毛。
普通という言葉とかけ離れているのは明らかだ。
神代 奈々
- (ダメだ、もう鏡は見ないって決めたのに。)
神代 奈々
- この姿のせいで気持ち悪がられるのはもう慣れっこだ。前までは気にしていたが、今はもうそんなことはない。
神代 奈々
- 暇なのでスマホを見ていると、とある掲示板が目に入る。
神代 奈々
- 「矢守町の幽霊?」
神代 奈々
- 矢守町って、私が住んでる町じゃん。幽霊ってなんだろ?
神代 奈々
- スクロールして見ていくと、どうやら赤い目の幽霊が夜な夜な町を巡回しているらしい。
その幽霊は自殺した男の子で、いじめの主犯格を探して今もさまよっている。という内容だ。
通りすがりの主婦B
- (いじめ……って)
神代 奈々
- (この男の子、学校に行きたくなかったんだろうな…。)
神代 奈々
- (……って、こんなの嘘に決まってるよね。ご飯でも作るか。)
神代 奈々
- スマホをベットに置き、奈々はキッチンへと向かった。
神代 奈々
- __同時刻、同じ矢守町でとある男の子が首を傾げた。
神代 奈々
- __あれ?何、どうしたの?
男の子
- にゃあ
猫
- 男の子の白い足に猫が顔を擦りつける。
猫
- あ、これ?
男の子
- 男の子は手に持っていた苺を猫の前に差し出す。
男の子
- にゃー!
猫
- そうすると、猫は嬉しそうに苺を食べた。
猫
- 俺が食べる予定だったのに…
男の子
- まぁ可愛いから許す…けど。
男の子
- そう呟いて、男の子は猫の頭を撫でた。
男の子