精霊監督生とツイステ②
- う……ううん
???
- ん……?
???
- (天井……?)
???
- ここは……一体
???
- おや 目が覚めましたか!良かった良かった!
クロウリー
- 貴女はこの学園の禁書保管室前の廊下に倒れていたんですよ 覚えてませんか?
クロウリー
- 覚えて……ないです
???
- (あれ……私の声、いつもと違う)
???
- 怪訝そうな顔をしてどうかしたんですか?
クロウリー
- い……いえ なんでもないです
???
- (あれ……?やっぱりいつもと違う声だ)
???
- (おかしいな……こんなに綺麗な声 出るわけない)
???
- ふぅむ……やはりまだ召喚されて間もないが故に困惑しているのですね?
クロウリー
- 仕方ありません 此方が今わかっていることを貴女に説明して差し上げましょう!私優しいので
クロウリー
- は……はい
???
- お願いします
???
- 貴女は私達が見たことも無い植物の精霊で 事件又は事故に巻き込まれ 強い力を手放してしまいこの学園に呼ばれた
クロウリー
- 禁書から召喚されてしまったが故かはわかりませんが……貴女は自分が精霊であることにすら気づいていない様子
クロウリー
- それは召喚されてしまった拍子に記憶が吸い取られてしまって記憶が戻らない或いは記憶が何らかの形で封じられてるという事ですが、おそらく 前者でしょうね
クロウリー
- 記憶が……吸い取られて?
???
- そうです 私達が世界に留まるには3つの大事なものが重なって世界に留まる事ができるんですよ
クロウリー
- 1に魂の器である肉体 2番目が魂の呼び名であり、個々を認識する名前 3番目が魂が生きてきた証である記憶 です
クロウリー
- 貴女のように 記憶と思い出せない名前があるというのは 私達には半分死んでいるのと同じ事……
クロウリー
- だが貴女は生きている この世界に留まり続けている これは超イレギュラーな事であり 私達からすれば奇跡か御伽噺でもない限りこういう事は起こらないんですよ
クロウリー
- えっ……そ、そうなんですか
???
- 実際に貴女 自分の名前……思い出せますか?
クロウリー
- …………
???
- 思い出せない……です
???
- 記憶が吸い取られてしまっておそらくこの先も戻らない或いは一部は戻ってきても全ては絶対に戻らないでしょうね
クロウリー
- ……そう……ですか
???
- 生まれたばかりの植物精霊でその大きさとは……エルフならまだ分かりますが 貴女は純粋な植物の精霊……普通なら最速でも3500年はかかるのに
クロウリー
- 貴女 年齢は?
クロウリー
- …………
???
- まあ その様子では年齢すらも分からないと思うので 年齢を16歳としておきましょうか 見た目がそのくらいなので
クロウリー
- へっ……あ、はい
???
- まあ 年齢は一時置いといて 記憶の有無に関わらず 貴女には闇の鏡の洗礼を受けてもらいますよ
この学園の規則なのでね
クロウリー
- 洗礼?
???
- そうです この学園では7つの寮に分かれるんですが 魂の形を見て寮を決めるのが闇の鏡というアイテムなのですよ
クロウリー
- その選別というか洗礼を受けないと、この学園に滞在する許可が降りないんですよ
クロウリー
- ましてや 名前も国籍も不明の記憶喪失の女性の精霊なんて 滞在させる側からしたら怪しく見えてしまいます
クロウリー
- そんなわけで貴女には今から闇の鏡の洗礼を受けてもらいます
クロウリー
- ……わかりました
???
- そこまで緊張しなくてもいいですよ 痛くないですから
クロウリー
- ではこれを一時貴女にお貸ししましょう
クロウリー
- あの……これは?
???
- 我が校の式典服です!
クロウリー
- これを服の上から着てもらい、ベルトで固定したら フードを目深に被ってください
クロウリー
- この式典服のサイズなら胸もシルエットも隠れるはずです さあさあ、これを着てください
クロウリー
- 私は廊下で待たせていただきますよ!
クロウリー
- 保健室 学園長退出後
- ……怒涛の喋りだった
???
- とりあえず 着よう……着て廊下に出て洗礼(?)を受けに行こう
???