魔女ハーノスの日記5(雪ノ季 11日)
とある別世界に住む魔女の日記です。(更新遅れて申し訳ありません。諸事情により、しばらく投稿ペースが落ちます(汗))
- 雪ノ季 11日
ハーノス
- ふう
ハーノス
- どうやら、偽の雪ノ花の毒の難からは逃れられたようだ
ハーノス
- なかなか今日は調子が良かった
ハーノス
- 朝から新薬品の調合、昼は山で採集、夜は日記
ハーノス
- 明日もきっと、そのルーティンなのであろうな
ハーノス
- いや。違った
ハーノス
- 明日は野暮用があった
ハーノス
- 特に大したものでも無いが
ハーノス
- 無視して良いものでも無い
ハーノス
- そんな用だ
ハーノス
- その野暮用については明日の……次の日記にでも話すとしよう
ハーノス
- まぁ、退屈していた私にとっては、良い刺激になるだろう
ハーノス
- ああ、そういえばのそういえば、なんてどうでも良い話だがな
ハーノス
- 私の今住むスノゥ地域から、だいぶと南下した所にある
ハーノス
- 世の中心部地域……今は、モナカ王国、タンバン帝国、大粒餡国の3国をまとめて言われているのだが
ハーノス
- その1つであるモナカ王国の姫君が誘拐されたとかどうとか
ハーノス
- 犯人は恐らく、反乱軍などと囁かれているが
ハーノス
- もしかしたら、大昔に……私の生前、100年、200年以上も前だが
ハーノス
- 魔王の反乱が2度あってな
ハーノス
- 特に、2度目の反乱時は、国同士の政のこじれと、その反乱とが混じり合って、世は混乱に陥ったそうだ
ハーノス
- そんな中、魔王の反乱を阻止した者と、政を治めた者と、二人の英雄が現れ、世の崩壊は免れた
ハーノス
- と言うことであるそうだ
ハーノス
- 詳しくは私も知らない
ハーノス
- 魔女としての師であるとある女から聞いたものだ
ハーノス
- 彼女なら、他にまだ何か事情を知っていそうだったが
ハーノス
- それ以上も語ろうとしなかった
ハーノス
- 別の者もそうだ。そこに中心部地域の息がかかっているのか、よほどの混乱であったのか
ハーノス
- はたまた、何らかの強大な力が働き、記憶が抹消されたのか
ハーノス
- 気の毒な話だが、その、世を鎮めた二人の英雄の名さえどの資料にも残っておらぬ
ハーノス
- まぁ、その時に、追放された魔王一族の生き残りが、中心部地域に恨みを持っていてもおかしくは無いだろう
ハーノス
- そんな魔王一族が姫君を誘拐……したのかもしれない
ハーノス
- そうそう、一応言っておこうか……この日記を聞く誰かのために
ハーノス
- 魔女と魔王一族とは、なんの関係もない
ハーノス
- と、言わねばならぬも
ハーノス
- 世は魔王一族を差別しているということだからな
ハーノス
- 全く、世を騒がせた魔王一族も気の毒な事だ
ハーノス
- 寂しい世だな
ハーノス
- 私の見解からすると、やはり、この世には、隠された何かがある
ハーノス
- 気がする
ハーノス
- ……こんなこと言って大丈夫だっただろうか
ハーノス
- まぁ良い。所詮はただの個人の意見
ハーノス
- この事は私の腹の中にでも込めておくとしよう
ハーノス
- 完
ハーノス