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ひとり劇場

不自由な人形♯7

制限時間内に鍵を奪えるのか......!?

♯7「遊ぼう」
時計が動き出す
マーニー・レイデル
時計の針が動いた!
イーサン・ハンク
既にあのサメは潜り込んでる......実は俺って泳ぐの得意じゃない...
マーニー・レイデル
私も...泳ぐのに自信ない...
イーサン・ハンク
俺達は不利だな...
マーニー・レイデル
まず落ち着こう。制限時間は30分。その間にあいつを捕まえる方法を一緒に考えましょ
イーサン・ハンク
まずは、ためしに2人で奴を追うのはどう?それから判断しよう
マーニー・レイデル
そうね。まずは相手の動きを把握する必要があるよね
イーサン・ハンク
よし...溺れないように頑張ろ...
マーニー・レイデル
とにかくサメを囲うようにして、挟み撃ちにして捕まえましょ
イーサン・ハンク
嗚呼......了解
2人が潜り込む
イーサン・ハンク
(どこまで潜り込んだんだ...サメはどこにいる?)
マーニー・レイデル
(深さも確かめないとね。深さも私達の勝敗を左右する...)
イーサン・ハンク
!?
イーサン・ハンク
(見つけた!深さは思ったより深くない...この深さなら勝てる可能性もなくはない...息が苦しくなった時、すぐに上がって来れる深さ...)
ジャーク
やっと来たか。既に3分経過してるぞ...少しは楽しませてくれるよな?
高速で水中の中を移動する
イーサン・ハンク
!?
マーニー・レイデル
!?
イーサン・ハンク
(なんだあの速さ......!!)
マーニー・レイデル
(速すぎて......挟み撃ちにする隙もない!)
イーサン・ハンク
(クソ...待ちやがれ!!)
ジャーク
所詮相手は人間。そもそもこの勝負は俺が有利な戦い。馬鹿な野郎らだ。俺は「サメ」だぞ。あのまま挑戦を引き受けず、逃げていればよかったのに
ジャーク
ま、これは遊びだ。暇つぶし程度で遊んでやるよ
イーサン・ハンク
(クソ......息がもたない...)
イーサン・ハンク
(このままだと俺が危ない!)
イーサン・ハンク
(ここは一旦上がるか!)
イーサンが上に上がる
マーニー・レイデル
(イーサンが上に上がった...もう息が限界なのね...)
マーニー・レイデル
(私はまだ泳げるみたい...まだあのサメを追えそう!)
イーサンが水面から顔を出す
イーサン・ハンク
ゲホゲホ......
イーサン・ハンク
く......苦しい
イーサン・ハンク
息がもたない...これじゃあ2人で挟み撃ちにするどころか...俺が窒息してしまう!
イーサン・ハンク
マーニーはまだ潜れるのか...マーニーの体力が消耗する前に俺も行かなきゃ!
イーサンが潜りだす
マーニー・レイデル
(どんなに泳いでも...差を縮められない!!)
マーニー・レイデル
(速すぎる...そろそろ私も限界がきそう...)
ジャーク
もう苦しくなったか。軽く泳いでるだけなのにな〜
ジャーク
人間がサメに敵わないなんて初めからわかっていたが...まぁ...せいぜい頑張れ
ジャーク
ん?
イーサン・ハンク
(よし!マーニーと俺がサメを囲んだ!)
イーサン・ハンク
(このまま挟み撃ちにして...鍵を取る!)
ジャーク
いつの間にもう1人来てたか...。だが遅い。
消えるように勢いよく2人を抜き去る
イーサン・ハンク
!?
マーニー・レイデル
!?
マーニー・レイデル
(なに....あの速さ!)
イーサン・ハンク
(完全に2人で挟み撃ちにしてたのに...スピードで負けただと!?)
マーニー・レイデル
(ここは一旦上に上がって作戦を立てるべきね。相手の動きもよくわかった)
マーニーとイーサンが水から上がる
イーサン・ハンク
ゲホゲホ......
マーニー・レイデル
ゲホゲホ......
マーニー・レイデル
少し...息が整うまで......待ちましょ......
イーサン・ハンク
そう......だね......
マーニー・レイデル
ハァ...ハァ...ハァ...
イーサン・ハンク
ハァ...ハァ...ハァ...
マーニー・レイデル
(10分経過...残り20分しか残ってない...)
イーサン・ハンク
(こんな時に...運動神経のいいケビンがいれば...)
イーサン・ハンク
(だけど...ケビンでもあの速さじゃ...)
マーニー・レイデル
休憩に10分もかけてられない。早く何か方法を考えましょ
イーサン・ハンク
まず...あの速さじゃ挟み撃ちもダメみたいだな...
マーニー・レイデル
そうね...でもサメはまだ本気を出してなかったように見える...
イーサン・ハンク
俺もだ...奴が本気を出したら俺達はもうダメだな...
マーニー・レイデル
1人ずつ交代して行くのはどう?2人同時に出て、2人とも体力が消費した隙に時間が過ぎていく
イーサン・ハンク
だけど...1体1じゃ絶対に敵わない
マーニー・レイデル
何かないのかな......
水面からジャークが顔を出す
ジャーク
おいおい。そんな事してたら時間なくなるぞ
ジャーク
もう降参かな?
イーサン・ハンク
降参する訳ないだろ...
ジャーク
強がんな。いいんだぜ?勝てないって思ったでしょ
マーニー・レイデル
そもそも私達じゃ不利よ...あなたの背にモーターもついてる...おもちゃのあなたは体力の消費もしない...
ジャーク
おもちゃ?何言ってる。俺はサメだぞ
イーサン・ハンク
え?
イーサン・ハンク
どう見ても生きてるサメでは...
ジャーク
とにかく。取引はしない。そもそもお前達があのまま逃げていればよかったのに
ジャーク
ま、逃げても監視者に捕まるだけだがな
ジャーク
時間は後残り15分だ。遊びはここからだよな?
ジャーク
そんじゃ待ってるね〜
ジャークが潜り込む
マーニー・レイデル
クソ...時間が半分きった!
イーサン・ハンク
何か...何か方法があるはずなんだ!
イーサン・ハンク
何してんだイーサン・ハンク...これまでに...脱獄を計画した時や...部屋を当てた時のように...何か思いつけ!
イーサン・ハンク
何か...方法があるはずなんだ...
マーニー・レイデル
私もう行く。これ以上時間かけてられない
マーニー・レイデル
イーサン。私が死ぬ気で追うから...後はイーサンに任せる
イーサン・ハンク
ちょ、待てよマーニー!
マーニーが潜る
マーニー・レイデル
(とにかく...私の息が限界に来るまで...とにかく追い続ける!)
ジャーク
最後の賭けってやつか...
ジャーク
遊びは殺し合いじゃない。死ぬ気でとかじゃなくて...楽しくいこうぜ
マーニー・レイデル
(私達は追われてんのよ!私達は死ぬ気であんたを追わなきゃ死に関わるんだよ!)
マーニー・レイデル
(だから...死ぬ気で...)
マーニー・レイデル
(なんで...私はイーサン達の仲間に加わったんだろ...)
マーニー・レイデル
(あのまま部屋に閉じこもっていれば...こんな辛い思いをしなくて済んだかもしれないのに...)
マーニー・レイデル
(いや...何考えてんだろ私...ネガティブな発言しないで...余計に苦しくなるじゃん......!)
マーニー・レイデル
(今はとにかく...追うことに集中して!)
マーニー・レイデル
(もっと速く....!)
ジャーク
さっきより速くなったね。だけどそろそろお疲れのようだ
マーニー・レイデル
(もう....ダメかも...)
マーニーが壁に頭をぶつけて気絶する
イーサン・ハンク
マーニーの動きが止まった!?まずい...このままだと窒息して死んでしまう!
ジャーク
!?
ジャークが何かに反応しマーニーに襲いかかる
イーサン・ハンク
何してんだよ!マーニーから離れやがれ!
イーサン・ハンク
!?
イーサン・ハンク
(まてよ......もしかして...マーニーの血に反応したのか?)
イーサン・ハンク
(あいつ...おもちゃだよな?血に反応する訳が...)
回想
ジャーク
おもちゃ?何言ってる。俺はサメだぞ?
イーサンが回想から何かを思いついたかのように顔を上げる
イーサン・ハンク
そうか......
イーサン・ハンク
わかったぞ!
イーサン・ハンク
あいつは自分が本物のサメだと思い込んでるんだ!サメの動作が完全に同じなのもあいつが信じ込んでいるからだ!だからおもちゃだという事を否定した
イーサン・ハンク
そして、サメは血の匂いに反応しやすい!
イーサン・ハンク
つまり...わざわざ俺達が死ぬ気で追いかける必要がなくなる!
イーサン・ハンク
俺の血をこの水面にばら撒けばな!
イーサン・ハンク
そして上がって来た所を俺が捕まえ、鍵を取る!
イーサン・ハンク
残り3分...
イーサン・ハンク
鍵を取り...マーニーを救い出す!
イーサン・ハンク
鉛筆の芯でいいか...できるだけ多くの血を垂らす...
自分の腕を何度も刺し、血を垂らす
イーサン・ハンク
いたぁぁぁぁぃい!!
ジャーク
ん?
ジャーク
!?
ジャーク
血!?
ジャーク
すごい量だ...
ジャーク
何故か...身体が勝手に動く...(俺はサメ...俺はサメ...俺はサメ...)
ジャークが勢いよく水面に上がってくる
ジャーク
血でいっぱいだぁぁぁぁ!!!
ジャーク
!?
イーサン・ハンク
鈍い!!
イーサン・ハンク
いける!!
イーサン・ハンク
もらったぁぁぁ!!
ジャーク
まずい...鍵が!!
イーサンがヒレに括り付けてある鍵を掴み取り、それを手にする
イーサン・ハンク
よし!鍵を取った!
イーサン・ハンク
だが...マーニーを救出するまでが......
勢いよく水中に飛び込み、マーニーの元へ向かう
イーサン・ハンク
(頼むから...しっかりしてろよマーニー !)
イーサン・ハンク
(もう少しだけ...耐えてくれ!)
マーニー・レイデル
(.........イーサン...)
イーサンがマーニーを抱き抱え、そのまま上に上がる
ピピピ(時計の音)
ジャーク
俺が...負けただと...
イーサン・ハンク
ぷはぁぁぁ......
マーニー・レイデル
ゲホゲホ......
イーサン・ハンク
大丈夫かマーニー!
マーニー・レイデル
イーサン......ありが......
イーサン・ハンク
おい!しっかりしろ!
イーサン・ハンク
頭も強く打って...血が出てる...
イーサン・ハンク
頼むから...しっかりしてくれ!
イーサン・ハンク
俺の袖を使うか...
イーサンの袖を破り、マーニーの頭に巻き付ける
ジャーク
お前。水を多く飲み込んでるんだ。仰向けにさせて吐かせろ
イーサン・ハンク
よし、少し体を動かすから...じっとしてて...
何とかマーニーが水を出す
マーニー・レイデル
ゲホゲホゲホ......
イーサン・ハンク
よかった...何とか水を出してくれた...
ジャーク
少し休ませろ
ジャーク
まだ時間はある
ジャーク
警報は約束どうり鳴らさない
10分後
マーニー・レイデル
......
マーニー・レイデル
イーサン...
イーサン・ハンク
イーサン・ハンク
マーニーが目を覚ました!
イーサン・ハンク
よかった...
イーサン・ハンク
俺のせいで死なせちゃう所だった...
マーニー・レイデル
イーサン...謝るのは私の方だよ
イーサン・ハンク
何言ってんだ
マーニー・レイデル
私...途中で何でイーサン達の仲間に加わったんだろうって...思ってしまった...少し後悔してしまった...弱い自分に負けそうになってしまった...
マーニー・レイデル
本当にごめんなさい......
イーサン・ハンク
違うよ。俺が悪いんだ。もっと早く頭に方法が浮かんでいれば...
イーサン・ハンク
マーニーは悪くないよ
マーニー・レイデル
こんな私を...助けてくれて...ありがとう...
イーサン・ハンク
これから先も。ずっとみんなを守る
イーサン・ハンク
だからもう謝らないでくれ
ジャーク
......
ジャーク
(ハウスから逃げる者はみんな悪い奴ら...か...)
ジャーク
(いい物を見させてもらった)
ジャーク
お前達は俺に勝ったんだ。好きにしろ。逃げたければあの扉を開けろ
ジャーク
俺は失礼する
するとジャークが潜り込む
イーサン・ハンク
潜っちゃった...
マーニー・レイデル
これから...どうする......?
マーニー・レイデル
鍵も手に入れたんだし...一旦元の部屋に戻る?
イーサン・ハンク
そうだね...一旦戻ろう
???「こっちから声が聞こえたぞ」
???「なんだと?」
???「あの部屋も見てみるか」
マーニー・レイデル
あの声...もしかして...
イーサン・ハンク
監視者......!
マーニー・レイデル
こっちへ近いてくる!
イーサン・ハンク
クソ......そう簡単に部屋には戻らせてくれないか...
イーサン・ハンク
仕方ない。次の部屋へ行こう
マーニー・レイデル
2人はどうするの?
イーサン・ハンク
合流はまた今度だ
マーニー・レイデル
そうね...
イーサン・ハンク
よし、急ごう!
2人が扉の鍵を開け、次の部屋に向かう...
「まだまだ迫り来る仕掛け...進むと同時に待ち構える敵...果たして...4人で脱獄ができるのか!?」
次回続く

5  

投稿日時:2021-01-02 13:48
投稿者:シュウキ
閲覧数:2

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