魔女ハーノスの日記2(雪ノ季 4日)
とある別世界に住む魔女の日記2ページ目です。
- 雪ノ季 4日
ハーノス
- 私としたことが……危うく初日で日記を終わらす所であった……
ハーノス
- さぁ、今日も、ではないな。今日こそは真面目に日記を録音する
ハーノス
- ………そうだな。やはり、相変わらず、寒い
ハーノス
- 常に暖炉は燃やし続けているが……夜になるとな
ハーノス
- ……?魔女だから、魔法で寒さもどうにかできるだろ?と、思うたじゃろう?
ハーノス
- だがな、魔法でも、得意不得意があるのだ
ハーノス
- 私は、物を冷やしたり凍らせたりする魔法が得意である
ハーノス
- 皮肉なことに、今住むこの地域では、物が冷えたり凍ったりする事は日常的な事であるからな
ハーノス
- 私の魔法も、大して今の生活の約には立たない。と言う事だ
ハーノス
- ああ、そもそも魔法で創り出される冷たさと、自然界で生み出される冷たさは別のものなのだ
ハーノス
- だから私は、己によって創り出された冷たさに耐えることは出来ても
ハーノス
- 自然の冷たさには耐える事が出来ぬのだ
ハーノス
- はぁ。私達魔女は、世に10人しか存在しないというたが……
ハーノス
- そういえば、火や熱を自在に操る魔女がおったな
ハーノス
- ……なんだか、どこかで聞いたことがありそうな能力だが(ふっ……)
ハーノス
- 私も人の事なぞ言えぬだと?
ハーノス
- 気にするな
ハーノス
- そうだな、今日の飯は、久々に鍋としよう
ハーノス
- この調子だと、この先毎日鍋になってしまいそうだがな
ハーノス
- うむ。しかし、一人鍋となるとちと寂しいが
ハーノス
- 食費の方は浮くからな
ハーノス
- まぁ、良い
ハーノス
- 遠くに住む同士達の顔でも想いながら鍋をつつくとしよう
ハーノス
- そろそろ夕刻だ
ハーノス
- 具材の準備もしたいし、この後に何か、日記に残すような出来事も起こるまい
ハーノス
- 今日は、忘れない内に日記を録音しておこうと思っただけだしな
ハーノス
- では、さらばだ
ハーノス
- 明日もちゃんと日記を録音できたら良いのだが……
ハーノス
- 完
ハーノス