てすと
- 見つけた
ばんすけ
- なぁ、ちょっといいか
ばんすけ
- 手伝ってくれないか。人手が足りなくて
ばんすけ
- 来て欲しいんだ。
ばんすけ
- 誰だお前
ひとまさ
- 誰って…
ばんすけ
- あ、ばんすけって名…
ばんすけ
- 名前はどうでもいい。
ひとまさ
- 何者
ひとまさ
- ああ、
ばんすけ
- なるほど、すまない。
ばんすけ
- この道をまっすぐ。左手に曲がった先に、小さな雑木林がある。
ばんすけ
- その中にある屋敷に住んでいる者だ。
ばんすけ
- 恥ずかしい事に散らかった屋敷でな、片付けをするにも、人手が足りない。
ばんすけ
- そこで辺りをふらついて、手伝ってくれそうな者を探していたんだ。
ばんすけ
- 最初に見つけたのがあんただ
ばんすけ
- そういう事か
ひとまさ
- どうだ、無理にとは言わない
ばんすけ
- …お前、妖怪か?
ひとまさ
- …
ばんすけ
- 俺は人間だ
ばんすけ
- そう。
ひとまさ
- 手伝いのこと、僕は別に構わないよ。
ひとまさ
- でも、その前に
ひとまさ
- もっと
ひとまさ
- 話しかける相手がどんな奴なのか確認しな、人間。
ひとまさ
- 目が一つ!
ばんすけ
- これを見て、まだ僕に手伝いをしてほしい?
ひとまさ
- …
ばんすけ
- 驚いたか
ひとまさ
- あんたは妖怪か?
ばんすけ
- ああ。
ひとまさ
- 今まで何百年もの間人の世を見ていたけど、ぼくのような得体の知れない者に話しかけてきた奴は
ひとまさ
- お前が初めてだ。
ひとまさ