不自由な人形♯1
ミステリー物語
- 悪魔に泥を塗って遊ぶ天使達
- ♯1「不自由な人形」
- 来たぞぉぉ!!
騎士
- マイケル様が帰りになられた!!
騎士
- すぐに元の位置に戻れ!!
騎士
- 俺達は人形。マイケル様は俺達と遊んでくれる...ご主人様
- 急げイーサン!早くマイハウスに入れ!
ケビン・シューベル
- ああ......
イーサン・ハンク
- わかってる......!!
イーサン・ハンク
- 足音が近い!急いで戻らねぇとマイケル様に見つかっちまう!
騎士
- ほとんどのおもちゃ(人形)が位置についてる!
騎士
- よし!あとは俺達が位置につくだけだ!
騎士
- 土曜日の朝...俺達の朝は早く、とても忙しい日だ
- その時勢いよくドアが開き、マイケル入ってくる
- やぁみんな〜
マイケル
- 今日も可愛い顔が揃ってるぅ〜
マイケル
- 僕のおもちゃ達...君達が待ってた分...沢山遊んであげるぅからぁ...
マイケル
- 今日は何して遊ぼっか〜?
マイケル
- --------俺達は人形
- マイケル様を喜ばせてあげるのが仕事。俺達のいる場所はマイケル様の部屋。マイケル様の部屋の端にはダンボールの囲いで囲まれた小さなおもちゃの街がある。そこに僕達が入れられてて、マイケル様が遊びに来るのをいつも待っている。天井には星や三日月などの星が吊るされている。とても綺麗で俺は気に入ってる。マイケル様が俺達のためにつけたのかな?
- マイケル様が来る事を教えてくれるのが騎士。彼らだけダンボールの囲いの上に登ることを許されている
- 夜の12時。マイケルが寝室に戻るる頃、俺達はマイハウスに入る
- またか...
イーサン・ハンク
- 俺が.........
イーサン・ハンク
- しっかりしなきゃ...
イーサン・ハンク
- 何かあったの?
ミーナ・ステンチ
- いや...別に...
イーサン・ハンク
- とにかくお疲れ様
ミーナ・ステンチ
- 今日もマイケルに選ばれたんでしょ?そんで楽しかった?
ミーナ・ステンチ
- うん......
イーサン・ハンク
- お前...大丈夫なのか?
イーサン・ハンク
- その...今年全然マイケル様に遊んでもらえてないけど...
イーサン・ハンク
- ......
ミーナ・ステンチ
- 私は...大丈夫!
ミーナ・ステンチ
- 全然平気だから気にしないで!
ミーナ・ステンチ
- そっか...ミーナが元気なら俺も安心するよ...
イーサン・ハンク
- ありがとね...わざわざ気にかけてくれて
ミーナ・ステンチ
- おう...それよりさ。なんか食う?よかったら貰ってくるけど...
イーサン・ハンク
- なら...パンとシチューだけでいいかな
ミーナ・ステンチ
- おう...わかった
イーサン・ハンク
- 俺が貰ってくるからミーナはゆっくりしてろよ
イーサン・ハンク
- ありがとう...イーサン
ミーナ・ステンチ
- ミーナ!
ケビン・シューベル
- !
ミーナ・ステンチ
- !
イーサン・ハンク
- 点検の時間だぞ
ケビン・シューベル
- あれ?
ミーナ・ステンチ
- 今日って点検の日だっけ?
ミーナ・ステンチ
- 予定では...今日が点検の日になってるけど
ケビン・シューベル
- そっか...イーサン悪いけど買い物よろしくね
ミーナ・ステンチ
- ああ...任せろ
イーサン・ハンク
- そんじゃこっちへ
ケビン・シューベル
- はーい
ミーナ・ステンチ
- ......
イーサン・ハンク
- (本当は辛いだろうな...)
イーサン・ハンク
- 食料補給場
- ガヤガヤガヤ(人形達が喋ってる)
- ふぅ......
イーサン・ハンク
- とりあえずパンとシチュー貰ったけど...これだけだったよな...
イーサン・ハンク
- ミーナってそう言えば牛乳嫌いだったんだっけ...
イーサン・ハンク
- お!イーサン!
騎士
- !
イーサン・ハンク
- (騎士の人だ!)
イーサン・ハンク
- お買い物かな?
騎士
- はい...ミーナの分をさっき貰ってきたんです
イーサン・ハンク
- お前はどうしていつもミーナという女と絡んでんだ?彼女?
騎士
- 違いますよ...ミーナは体調が悪いから...俺がついてるだけです
イーサン・ハンク
- ミーナって最近見ないな...マイケル様から見放された奴か
騎士
- !
イーサン・ハンク
- ち...違いますよ!ミーナは見放されてなんかない!
イーサン・ハンク
- おいおい...声がでけぇぞ
騎士
- お前ってもしかしてミーナの事が好きなのか?
騎士
- な...///
イーサン・ハンク
- 俺は...そんなんじゃ...
イーサン・ハンク
- (ミーナは......俺が守る)
イーサン・ハンク
- (俺の目を覚まさせてくれたのはミーナだった...この世界の異変に気づかせてくれたのも...)
イーサン・ハンク
- (みんな洗脳されてる...)
イーサン・ハンク
- そういえばそのミーナって女に用があるんだ。とりあえずお前、会議室に来てくれ
騎士
- 俺が...会議室に?
イーサン・ハンク
- ミーナの事なんだが
騎士
- 特別に許可を出そう
騎士
- ミーナの事...?一体なんの事だ...
イーサン・ハンク
- 来ればわかる
騎士
- 会議室
- ギギィ...(ドアが開く音)
- 来ましたよ...
イーサン・ハンク
- すまぬな。わざわざ呼び出してしまって
騎士
- よくマイケル様のために働いてるみたいだな...イーサン
騎士
- はい...マイケル様のためなら...
イーサン・ハンク
- ところでイーサン。これから話す内容は、お前にとって衝撃だと思うけど。覚悟はできてるか?
騎士
- 覚悟......?
イーサン・ハンク
- これから話す内容を理解する覚悟ができてるか?
騎士
- な...なんですか...覚悟って...
イーサン・ハンク
- できてるのか?
騎士
- ......
イーサン・ハンク
- はい......
イーサン・ハンク
- まず俺達騎士はダンボールの囲いの上に登ることも、ダンボールの囲いから出てもいいようになってるのも知ってるのな?
騎士
- もちろんです
イーサン・ハンク
- 食料の補給もそうだ。わざわざ外に出て得ている
騎士
- そして今回マイケル様の話からある情報を手に入れることに成功した
騎士
- ある情報...?
イーサン・ハンク
- 驚くなよ...
騎士
- 明日...ミーナ・ステンチは
騎士
- マイケル様に捨てられるんだってよ!
騎士
- !
イーサン・ハンク
- おい!今の俺が言うところだろ!
騎士
- すまねぇw
騎士
- 捨て...られる...?
イーサン・ハンク
- どういうこと...ですか?
イーサン・ハンク
- そのまんまだ。ミーナは捨てられる
騎士
- 1年も遊ばれてなきゃそりゃあ当然の判断だ
騎士
- 嘘だ......
イーサン・ハンク
- 現実を見ろイーサン
騎士
- お前もわかってんだろ
騎士
- あいつは近い将来捨てられる事ぐらい
騎士
- マイケル様は...そんな事しない...
イーサン・ハンク
- とにかくあの女に言っておいてくれ
騎士
- もう遊ばれなくなったから捨てられるんだって
騎士
- 安心しろ。新しい人形なんてまた入ってくる。そしたらその人形と仲良くすりゃいい
騎士
- 何言ってんだよ...ミーナの何も知らないくせに...
イーサン・ハンク
- そもそも人形の事よりマイケル様の事を先に考えるのが当たり前だろ?その時点でお前は間違ってる
騎士
- 目を覚ませイーサン
騎士
- お前が伝えないのなら俺達から言う
騎士
- やめろ......
イーサン・ハンク
- なら頼んだぞイーサン。確実に説得してきてくれ
騎士
- ミーナのマイハウス
- 以上はなかったみたいだな...
ケビン・シューベル
- まだ具合は悪いのか?
ケビン・シューベル
- うん...少しね
ミーナ・ステンチ
- 今日はもう休んどけ
ケビン・シューベル
- ガチャ(ドアが開く音)
- !
ミーナ・ステンチ
- !
ケビン・シューベル
- お疲れ様
ミーナ・ステンチ
- ありがとうねイーサン
ミーナ・ステンチ
- おう...礼なんていらないよ
イーサン・ハンク
- とりあえずテーブルの上に置いてて
ミーナ・ステンチ
- おう...
イーサン・ハンク
- (言わなきゃいけないのか...本当に...)
イーサン・ハンク
- なぁ...ミーナ
イーサン・ハンク
- 話があるんだけど
イーサン・ハンク
- いいかな?
イーサン・ハンク
- ダメだ。ミーナはもう寝る時間だ。話なら明日にしろ
ケビン・シューベル
- いいや...聞かせてイーサン
ミーナ・ステンチ
- でも...
ケビン・シューベル
- 話ってなに?
ミーナ・ステンチ
- ......
イーサン・ハンク
- ミーナ...落ち着いて聞いてくれ
イーサン・ハンク
- なに?
ミーナ・ステンチ
- (言ったらミーナはきっと傷つくだろうな...)
イーサン・ハンク
- (本当に言うべきなのだろうか...)
イーサン・ハンク
- (でも...俺もわかっていた。ミーナが...もしかしたら俺より先にいなくなるかもしれないって...)
イーサン・ハンク
- (だけど...俺は...)
イーサン・ハンク
- 早く〜
ミーナ・ステンチ
- ミーナ...
イーサン・ハンク
- 落ち着いて聞いて欲しい
イーサン・ハンク
- ......
ミーナ・ステンチ
- わかった
ミーナ・ステンチ
- さっき騎士に会ったんだ...
イーサン・ハンク
- そして...騎士から聞いたんだけど...
イーサン・ハンク
- ミーナ...
イーサン・ハンク
- ......
イーサン・ハンク
- 明日...捨てられるんだって...
イーサン・ハンク
- !?
ケビン・シューベル
- ......
ミーナ・ステンチ
- おい...イーサン!
ケビン・シューベル
- そんなの嘘に決まってるよな!?冗談だろ!?
ケビン・シューベル
- 俺だって!!こんな事言いたくねぇよ!!
イーサン・ハンク
- だけど...
イーサン・ハンク
- 知ってる
ミーナ・ステンチ
- !?
ケビン・シューベル
- !?
イーサン・ハンク
- ......
ミーナ・ステンチ
- 私が捨てられる事は...自分でもわかってた
ミーナ・ステンチ
- 私なんかが必要とされてない事も...
ミーナ・ステンチ
- いずれ捨てられる日が来るって思ってたよ
ミーナ・ステンチ
- どうやら...私は明日で最後みたいね
ミーナ・ステンチ
- ミーナ...
ケビン・シューベル
- 俺はミーナを捨てさせたくない!俺はお前が必要なんだよ!
イーサン・ハンク
- どうにかして方法を...
イーサン・ハンク
- いいよ...そんな事しなくて
ミーナ・ステンチ
- 今までありがとうねイーサン...ケビン
ミーナ・ステンチ
- 何言ってんだよ...
イーサン・ハンク
- イーサン。ケビン。私1度言ったかもしれないけど...
ミーナ・ステンチ
- 私ね...自分が1人になって...必要とされなくなってから気づいたの
ミーナ・ステンチ
- 私達は洗脳されてるって...
ミーナ・ステンチ
- 私達はマイケルを喜ばせるための道具
ミーナ・ステンチ
- 私達は...不自由なの
ミーナ・ステンチ
- 私達の自由は...マイケルのために奪われてる
ミーナ・ステンチ
- そして私達は「人形じゃない」
ミーナ・ステンチ
- 本当は人間なの...
ミーナ・ステンチ
- どうしてこんな世界に私達がいるのか...私は知りたかった...
ミーナ・ステンチ
- この世界の真実も...知ることなく死ぬ...
ミーナ・ステンチ
- 昔...私のそばにはトムって言う騎士がいた
ミーナ・ステンチ
- その人はマイケルハウスの中がどうなってるのかいつも話してくれた
ミーナ・ステンチ
- そして...彼は言ってた...
ミーナ・ステンチ
- 世界はこんな部屋の中より広いって...
ミーナ・ステンチ
- それを知らず私達はただマイケルを喜ばせるためだけに自由を奪われてるの
ミーナ・ステンチ
- 1度でいいから見たかったな...
ミーナ・ステンチ
- 外の世界
ミーナ・ステンチ
- 結構トムは行方不明になった
ミーナ・ステンチ
- きっと外の話をしたからだ
ミーナ・ステンチ
- イーサン。ケビン。
ミーナ・ステンチ
- 2人だけでも...どうか...自由になって...
ミーナ・ステンチ
- ミーナの目から涙がこぼれ落ちる
- ミーナ...
ケビン・シューベル
- ......
イーサン・ハンク
- 騎士「お前ってもしかしてミーナの事が好きなのか?」
- (俺は......ミーナの事が...)
イーサン・ハンク
- (好きだ)
イーサン・ハンク
- (だから俺は...守りたい...)
イーサン・ハンク
- いや...見に行こう
イーサン・ハンク
- 外の世界を
イーサン・ハンク
- !?
ミーナ・ステンチ
- 世界の真実を知らぬまま死ぬなんて...そんなの一生後悔すんだろ
イーサン・ハンク
- 俺達で逃げるぞ...
イーサン・ハンク
- マイケル様...ごめんなさい...俺はミーナを助けたい
イーサン・ハンク
- 逃げよう
イーサン・ハンク
- この3人で...
イーサン・ハンク
- イーサン...
ミーナ・ステンチ
- そうだな...イーサン
ケビン・シューベル
- 行こう...外へ
イーサン・ハンク
- こうして3人の冒険が始まった...