復讐
内容がボロボロです…
- ねぇねぇ、佳奈って女知ってる?
優奈
- うん、知ってるけどどうして?
栞
- そいつがさ〜、私とすれ違う度に何かぶつぶつ呟いてるんだよ
優奈
- 呟いてる?…何て言ってるの?
栞
- 分かんない
優奈
- 何て言ってるか聞き取れないし
優奈
- ゆなが気にしすぎなんじゃない?
栞
- ただ独り言言ってるだけかもよ
栞
- でも、何か気持ち悪いじゃん?
優奈
- あんな見た目だしさ〜
優奈
- それは分かるかも
栞
- 髪もボサボサで、メガネかけてて…根暗だしね
栞
- うんうん
優奈
- つか、睨んでくるし
優奈
- マジで近づかないで欲しい
優奈
- 睨んでくるの?
栞
- うん
優奈
- 気にしないようにしてるんだけど
優奈
- 向こうから視線向けてくる
優奈
- ゆな何かしたんじゃないの?
栞
- してないよ〜!
優奈
- あいつが勝手に睨んでくるだけ
優奈
- ホントに勘弁してほしい
優奈
- 今度、言ってみたら?
栞
- 何て?
優奈
- 「睨むのやめてくれない?」って
栞
- それか、まず理由を聞いてみなよ
栞
- 理由か〜…分かった
優奈
- 聞いてみるよ
優奈
- うん、その方がいいよ
栞
- 分かったら、またLINEするね
優奈
- うん、待ってる
栞
- ……
栞
- ……
優奈
- マジムカつく〜!
優奈
- どうしたの?
栞
- しおりに言われた通りに、理由聞いたらさ
優奈
- 急にあいつキレだして
優奈
- 意味わかんないし!
優奈
- そっか〜…何で急にキレたんだろう?
栞
- 知らない
優奈
- 私何もしてないのにさ〜
優奈
- 何か言われた?
栞
- 「殺してやる」って言われた
優奈
- え!
栞
- そんなこと言われたの?!
栞
- うん
優奈
- マジでありえない
優奈
- それに教室飛び出していくし
優奈
- 何か私が悪いみたいな空気になった!
優奈
- それ相当怒ってるって…
栞
- 本当に何もしてないの?
栞
- だからしてないって
優奈
- 信じてよ
優奈
- 信じてるけど…
栞
- 何もされてないのに、ゆなのこと嫌ってるなんて…
栞
- 何かおかしいよ…
栞
- 私もそう思うけど
優奈
- あいつが理由話さないから
優奈
- 確かめようがないじゃん
優奈
- そうだよね…
栞
- ……
優奈
- ……
栞
- ねぇしおり…どうしよう…
優奈
- 今度はどうしたの?
栞
- 私、やばいことに気づいちゃったかも…
優奈
- やばいこと?…
栞
- うん…あいつがぶつぶつ何か呟いてるって言ったじゃん?
優奈
- うん…言われたよ…
栞
- さっきも何か呟いてたから、よく聞いてみたらさ…
優奈
- 「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」
優奈
- そう呟いてたの…
優奈
- しかも、私のこと睨みながら…
優奈
- 何か急にあいつのこと怖くなってきた…
優奈
- ……
栞
- ゆなの聞き間違いとかじゃないの?
栞
- ううん…それはない
優奈
- ちゃんとはっきり聞いたもん
優奈
- ねぇ、どうしたらいい?…
優奈
- どうしたらいいって…
栞
- 私も分かんないよ…
栞
- だよね…
優奈
- とにかく…謝ってみたら?
栞
- もしかしたら、許してくれるかも
栞
- は?私があいつに謝る?
優奈
- そんなこと死んでも嫌
優奈
- でも…
栞
- もし…ゆなが悪いことしたんだったら…謝った方がいいと思うし…
栞
- ちょっと待ってよ
優奈
- …なに?
栞
- 何で私があいつに悪いことした前提になってるの?
優奈
- 私何もしてないって言ってるじゃん
優奈
- やっぱり信じてないんだ
優奈
- ご、ごめん
栞
- 私のこと嫌い?
優奈
- 嫌いじゃないよ
栞
- じゃあ、何で疑うの?
優奈
- それは…ゆなの力になりたくて…
栞
- 私の力に?
優奈
- うん…理由が分かれば解決できるから…
栞
- だから、しつこく聞いたの…ごめん
栞
- ……
優奈
- ふ〜ん…
優奈
- 私こそごめん
優奈
- あいつのこともあって、ちょっとイラついてた…
優奈
- しおりに当たっちゃってごめん…
優奈
- ううん、いいの…
栞
- イラつくのも仕方ないよ
栞
- ありがとう
優奈
- 私のこと助けようとしてくれて
優奈
- 当たり前だよ
栞
- だって私たち親友じゃん
栞
- そうだよね
優奈
- 何かあったら、またしおりに相談する
優奈
- 分かった
栞
- ……
優奈
- ……
栞
- もうやってらんない
優奈
- あいつにガツンと言ってやろうと思うんだ
優奈
- これ以上我慢の限界
優奈
- …
栞
- 急にどうしたの?…
栞
- また何かあった?
栞
- うん
優奈
- あいつ私の上履きゴミ箱に捨てやがってさ
優奈
- ホントにふざけんなって
優奈
- 本当?
栞
- マジ
優奈
- そっか…
栞
- でも、やめた方がいいと思うよ
栞
- なんで?
優奈
- もしかしたら、佳奈ちゃんがもっと怒るかも…
栞
- そんなの知ったことじゃないよ
優奈
- で、でも…
栞
- とにかく、なんと言われようと私はガツンと言ってやるから
優奈
- …気をつけてね
栞
- ……
優奈
- ……
栞
- しおり!しおり!
優奈
- 助けて!
優奈
- お願い!
優奈
- どうしたの?ゆな
栞
- そんなに慌てて
栞
- あいつマジでやばい!
優奈
- いきなりカッターで切りつけてきた!
優奈
- 腕から血が止まらない!
優奈
- どうしよう!
優奈
- 落ち着いて
栞
- まず、隠れられそうなとこを見つけたら?
栞
- 分かった!
優奈
- 更衣室のロッカーがあるから
優奈
- そこに隠れる!
優奈
- うん
栞
- その方が安全だよ
栞
- でも、見つかったらどうすればいいの?
優奈
- 私…ホントに殺される!
優奈
- 大丈夫だよゆな…
栞
- 殺されはしないよ
栞
- どうして分かるのよ!
優奈
- …あ〜
栞
- ごめん
栞
- やっぱり嘘
栞
- 佳奈は殺す気満々だって
栞
- はぁ!?
優奈
- さっきからどうしたの!?
優奈
- しおりおかしいよ!
優奈
- おかしいって何が?
栞
- 別に普通だよ
栞
- ゆなこそ、急に慌てておかしいよ
栞
- こうなることは予想出来てたでしょ?
栞
- ねぇ…本当にしおりなの?
優奈
- もしかして、別人?…
優奈
- 私は、私だよ
栞
- 他の誰でもない
栞
- ゆなの親友で
栞
- 佳奈の親友でもある
栞
- か、佳奈の親友?!
優奈
- どういうこと?!
優奈
- ゆなには黙ってたけど、佳奈とは本当の親友なの
栞
- 私とゆなみたく、偽物の親友じゃなくてね…
栞
- …
優奈
- 偽物の親友って…
優奈
- じゃあ、私のことは初めから好きじゃなかったってこと?
優奈
- 親友だとも思ってなかったの?
優奈
- ううん、思ってたよ
栞
- でも、私を裏切ったのはゆなでしょ?
栞
- 裏切った?…
優奈
- 私、何もしてない!
優奈
- なんでそんな嘘つくの?
栞
- ゆなは本当に小さい頃から変わってないね
栞
- …どういう意味?
優奈
- 平気で嘘をつくその性格が、変わってないってこと…
栞
- 何で急にそんなこと言うのよ!
優奈
- 今、私がどんな状況か分かってる?!
優奈
- 分かってるよ
栞
- 全部知ってる
栞
- ゆなが佳奈を倉庫に呼んで、問い詰めたのも知ってる
栞
- 佳奈のことを叩いたことも…
栞
- あなたは本当に最低な女
栞
- 私がいじめられてた時も
栞
- 見て見ぬふりをしてた
栞
- 私は助けてって言ったのに!
栞
- し、しおり?
優奈
- まだそのこと引きずってたの…
優奈
- 当たり前だよ!
栞
- 私があの時どれだけ傷ついたか!
栞
- あなたには分からないわ!
栞
- 平気で親友を見捨てたあなたに何か…私と佳奈の気持ちなんて
栞
- 分かるはずないのよね
栞
- し、しおり…ごめん!
優奈
- 私、あの時はそんなつもりじゃ…
優奈
- 今更謝っても遅いよ
栞
- 絶対に許さない
栞
- 本当にごめん!
優奈
- お願い!
優奈
- 許して!
優奈
- しおり!お願い!
優奈
- ……
栞
- じゃあ、もう一度だけチャンスをあげる
栞
- 本当は佳奈に何をしたか、分かってるんでしょ?
栞
- ……
優奈
- 本当に知らない!
優奈
- 分からないの!
優奈
- ただ…一つだけ
優奈
- 何?
栞
- …私が今付き合ってる彼氏は…佳奈の元カレなんだ…
優奈
- 元カレ?
栞
- それ本当に元カレなの?
栞
- …私が佳奈から奪ったの
優奈
- 彼が佳奈には飽きたって言うから…
優奈
- じゃあ私と付き合う?って
優奈
- 冗談で言ったら…
優奈
- 彼が本気にしてさ
優奈
- ホントにありえないよね
優奈
- 彼女持ちが、二股して結局私のこと選ぶなんてさ…
優奈
- 私も自分でなんてことしたんだろうって…
優奈
- 後悔した
優奈
- でも、本当は嬉しかったんでしょ?
栞
- その彼が自分を選んでくれて…
栞
- 佳奈のこと嫌いだったから、嫌がらせした…
栞
- そうでしょ?
栞
- ち、違う!
優奈
- ホントに違うの!
優奈
- 佳奈のことは嫌いだったけど…
優奈
- で、でも
優奈
- 嫌がらせしようなんて思ってなかった!
優奈
- ……
栞
- 酷いよゆな
栞
- え?
優奈
- 私はチャンスをあげたのに…
栞
- 自分でダメにするなんて
栞
- 本当に馬鹿だね
栞
- 私たちに酷いことしたのに、反省してないもんね
栞
- な、何を言ってるの?!
優奈
- 反省してないなんて…
優奈
- いい加減なこと言わないでよ!
優奈
- 私のこと何もしらないくせに!
優奈
- 私だって悩んだの!
優奈
- 傷ついたのは2人だけじゃないんだから!
優奈
- ……
栞
- ねぇ、ゆな
栞
- ずっとそこにいてもいいの?
栞
- ……
優奈
- どういうこと?…
優奈
- いいこと教えてあげる
栞
- 私たちのこの会話…
栞
- 実は佳奈に見られてるの
栞
- え?…
優奈
- ありえないよ!
優奈
- だって…どうやって…
優奈
- ふふ、気づかなかった?
栞
- このLINE、グループLINEなんだよ
栞
- 私がゆなを招待したでしょ?
栞
- で、でも!
優奈
- グループLINEだなんて聞いてなかったから…
優奈
- 知ってたら…絶対に拒否してたよ…
優奈
- 何で言ってくれなかったの?…
優奈
- 言うわけないよ
栞
- ずっとゆなに復讐したかったの
栞
- やっと復讐できる…
栞
- ま、待ってよ…しおり…
優奈
- 佳奈がこの会話を見てるなら…
優奈
- 私の居場所も…
優奈
- うん、勿論分かってるよ
栞
- ゆなが更衣室のロッカーに隠れてることなんて
栞
- 佳奈はお見通しよ
栞
- そ、そんな…嘘よ…
優奈
- 私はただ……
優奈
- 悪気なんて無かった……
優奈
- 許して……
優奈
- しおり……
優奈
- さようなら
栞
- ゆな
栞
- みつけた
佳奈
- え…
優奈
- ……
優奈
- …終わったよ
佳奈
- 協力してくれてありがと
佳奈
- うん
栞
- こちらこそ私の代わりに復讐してくれてありがと
栞
- うん
佳奈
- だって…私たち…
佳奈
- うん…
栞
- 親友だもんね…