廃墟からのLINE15 接続
皆大分疲れてる。きっとそれだけ。今回雑談が増えて無駄に長い。この作品は全体的にホラー描写もゴア表現も控えめなので、そっち方面を余り期待してもガッカリするやも。というか半分コメディですので…。評価ありがとう!
- 前回までのあらすじ
アキ
- 桐島ごめん
宏考
- ヒロ先輩が連れ去られた
桐島
- 桐島くん私アキだよ!
アキ
- アキさんと合流した
桐島
- あと片足と両手がどっかいった
つらい
桐島
桐島
- 手足あったよ!
アキ
- どうも
桐島
- あと帽子
アキ
- いや、ちょ、ビシャビシャの帽子被せるのやめて下さい
桐島
- そのうち乾くよ
アキ
- この水浸しの空間でそれ言います?
桐島
- あ、スマホもあった
アキ
- あ、よかった。逆さ吊りされたときに落としたのかも
桐島
- 画面バッキバキだ
アキ
- 元からですよ。僕階段から落ちて首折れて死んだので、スマホも落ちて割れたんです。
桐島
- ははは
アキ
- 冗談じゃ無かったんですけど…
まあいいや
桐島
- 桐島は壁にもたれかかるように座らされ、アキは散らばったお宝を集める
桐島
- 繋げればくっつく?
アキ
- ええまあ
桐島
- 探したけど、ボロ布しか無かった
アキ
- 贅沢言ってられません
それでおねがいします
桐島
- うい
アキ
- アキは桐島の腕を布で繋ぎ合わせる
アキ
- …さっきの話が本当なら、ここにはLINEして直ぐに来たんですよね
桐島
- そー
アキ
- 来てどれくらい経ちましたか
桐島
- んー、そんな経ってないよ。10分くらい?
君に会うまで誰とも会わなかったし
アキ
- それは運が良かった
桐島
- これも縁、てやつなんじゃない?
アキ
- 縁か…今はいやな言葉ですね
桐島
- …ヒロ先輩は、人魚に連れ去られました
桐島
- 人魚が「待ってる」と言っていたんで、最深部にいると思います
桐島
- つまり人質?
アキ
- たぶん、そうかな
桐島
- てことは、まだ無事なんだ
アキ
- それは…わかりません。
すみません。守りきれなくて
桐島
- ほんとそれな
ま、いいよ。一緒に取り返そう
アキ
- …ありがとうございます
桐島
- これ痛くない?
アキ
- 痛いけど大丈夫です。もう慣れましたし
桐島
- ってちょっと待ってそれ右手。左に右手くっつけないで下さい
桐島
- あれホントだごめん
アキ
- …くっつけたら左手になったりしない?
アキ
- 左が右手になっちゃうのでやめてください
桐島
- やり直すの面倒臭がらないでくださいよ…
桐島
- ジョークジョーク
アキ
- (こいつほんと怖い)
桐島
- 布を巻き直す
桐島
- …君って、どれくらいここにいるの?
アキ
- さあ。ここ窓無いし時計も無いから昼も夜も分かんないし、時間の感覚が薄れるんですよね。何日いるのかさっぱりです
桐島
- まあ二ヶ月はあり得ないけど。
桐島
- そうなんだ
アキ
- 私だったら、こんなとこにずっといたら気が狂いそう
アキ
- 狂ってるように見えます?
桐島
- んー?
アキ
- アキは桐島の目をじっと見つめる
アキ
- …
桐島
- なんとなく居たたまれなくなり、桐島は目をそらす
桐島
- たぶんだいじょぶ
アキ
- …それはよかった
桐島
- 桐島くん、ほんとはどのくらい状況把握してるの?
アキ
- …あー。
桐島
- さっきの道中、一通り話して頂いた情報の半分はまあ、元から知っていたというか
桐島
- じゃあ最初に話してよ…
アキ
- あ、人魚沼伝説については一切知りませんよ
桐島
- ただ、うちの家系が呪われてるって話は知ってたし、それが「知ること」で呪いがかかるものだ、とは聞いていたので…
桐島
- 知れば呪われるとなると安易に説明出来なかったんですよね。伝聞すること自体が呪いの取っ掛かりになる怪異って、ほんと厄介ですね
桐島
- その「知れば呪われる」ことくらいは説明すべきじゃない?
アキ
- あー、えー
桐島
- 言えば協力してくれないって思ったんでしょ
アキ
- 桐島くんが教えてくれなくても、私が調べれば結果的に知ることにはなるから、リスクからは逃れられないしね
アキ
- …すみません、じゃすまないですよね
桐島
- いいよ。たとえそれが分かってても私、協力しただろうし
アキ
- まあ君が私達を犠牲にしようとしたことは覚えておくけど???
アキ
- その…万が一ここに来てしまった場合は助ける気でいたんですよ
桐島
- その格好だとほんと説得力ないね
アキ
- 返す言葉もないです…はい…
桐島
- 化物が来ても…
アキ
- 手も足も出ないねっつってね!
アキ
- ………
桐島
- いっ痛い痛い痛いごめんなさい?!
桐島
- ごめーん絞めすぎた
アキ
- いまのは僕悪くないでしょ…
桐島
- …その梶本って人に最初に連絡取れれば、もっと話が早かったのに
アキ
- や、人づてに、怪異に詳しい人だと聞いただけで連絡先までは…というかうち、実家とは絶縁状態なので…
桐島
- この町に昔からある話なら、どこかに情報が転がってると思ったんですけどね。まさか尾崎しか知らないとは。
桐島
- ていうか話の顛末からして、知った人間はほぼ死んだからこの近辺に逆に伝説が残ってないのか…?恐ろしい話だなー
桐島
- そういえば、ご両親は頼れないの?
真っ先に連絡取りそうなもんだけど
アキ
- あー…父はその、機械が苦手で。スマホ持ってなくて…
母は再婚で、その、LINEは知らなくて…
ばーちゃん家は未だに黒電話だし…
桐島
- というかそれもあるけど、僕の家族って一番人魚に引っ張られやすいじゃないですか。下手に連絡取れなかったんですよ
桐島
- まあ、LINEが送れること自体、ヒロ先輩に送ってやっと分かったことだったんですけど
桐島
- …なるほど?梶本さんが桐島くんのお父さんと連絡取ってないっぽいのはそのせいかな
アキ
- それが最大の理由でしょうね
桐島
- でもそれなら一体どうやって伝説を語り継いできたの?
なんか巻物があるとか?
アキ
- …うち代々寺生まれで。成人するとその伝説の話をされるそうなんです。
桐島
- で、その日から一切、寺から出られなくなる
桐島
- 人魚に引っ張られるから?
アキ
- そう、それで父は若いころに女作って出てったんです
知らされる前に寺から出たんですよ。知ると自由が無くなるからってね。
桐島
- だから何も分からないまま血で引っ張られてこの町に来てしまった
桐島
- 結局僕がこのざまですよ。
マジでやってらんねぇです
桐島
- すごい気の毒
アキ
- (そういえば榎本は詳しく知ってたのに人魚に引っ張られなかったんだな。何か対抗策でもあるのか?)
桐島
- (まああったとして、それが一般人にも使えるならとっくに終息してるか)
桐島
- (…被害者の関係者に連絡取りまくってるのは何なんだ?人魚の封印が可能だとして、その下準備とか?)
桐島
- (直接聞いた方が早いか)
梶本さんの連絡先って分かります?
桐島
- 分かるけど多分応対してくれないよ。桐島くん、人魚の手先だと思われてるから。
アキ
- まじすか。そういえばアキさんも疑ってましたよね。
何でそんな疑われてるんですか?僕何かしましたっけ?
桐島
- まあ死人だし何するかわかんねーみたいな
アキ
- そんな理由かよ…
わかるけど
桐島
- なんかあったら代わりに聞いてあげるよ
アキ
- あ、この首のも巻き直す?
アキ
- 緩んでますか?ならお願いします。
あ、でもこの下結構グロいですよ?
桐島
- いや今更か…よく平気ですね
桐島
- スプラッター好きだから
アキ
- そういうレベルの話かな
桐島
- 帽子持ってて
アキ
- アキは桐島の頭に覆い被さる
アキ
- (距離感どうなってんだこの人)
桐島
- 瞳も髪も金色。きれい。
アキ
- それはどうも。得したこと無いですけどね
桐島
- おまけに肌も白い美少年。これは人魚も惚れるね
アキ
- び…
その話なんですけど
桐島
- 僕、人魚に口説かれた覚えは無いですよ
桐島
- これからじゃない?
アキ
- っつーか、そのクソ恋愛脳考察自体、色々言いたいんですけど。
桐島
- おや
私の一生懸命考えた考察をクソ呼ばわりとは?
アキ
- 当事者なんだから文句くらい言わせてくださいよ
桐島
- …人魚、人魚か。
桐島
- …最初にここで目覚めた時、つまり初対面の時、あいつは人魚というか…巨大な魚の化物でした。
桐島
- 目覚めたらそんなのが横に居てビックリして後退ったんですけど、後ろというか周りはあのおぞましい化物だらけで…
桐島
- 暫く怖すぎて動けなかったんですけど、化物たちの中に、見えちゃったんですよ。
桐島
- 僕のスマホ持ってるのが
桐島
- それ見たら急に正気を取り戻せたんですよね。で、なんか手元に金属バットがあったので、ぶん殴って強奪しました。なんとなく、取り返さないとヤバい気がしたので
桐島
- アグレッシブだね
アキ
- 最初のLINEを送ったのは、僕のスマホから、かもしれません
桐島
- そうかもね
アキ
- あ、バットその辺にあったよ
アキ
- よかった。メイン武器。
桐島
- で、そんなことやったら怒りそうじゃないですか。でも何もしてこなかったんですよ。ただ、僕のほうをじっと見て、それだけ。
桐島
- 洗脳されてると思われてたのか、僕の抵抗が予想外だったのか、そのあと適当に暴れたら割と逃げられました。
今はもう警戒されてるんで、また囲まれると多分厳しいですね
桐島
- 二回目に会ったときは、下半身が魚の…ちょうどイメージ通りの人魚ですかね。その姿でした
桐島
- え?なんか梶本さんが、「下半身が魚なのは西洋の文化だ」とか言ってたよ?
アキ
- いや、そんなことないですよ?日本の人魚の言い伝えにも、半身が魚だという設定はよくあります。
オカルト詳しいんですよ僕
桐島
- なんでそんな嘘ついたのかなあのオッサン…?
アキ
- あ、でもそれ以降は全部人間の姿でしたね。一見、古い着物を来た黒髪の綺麗な女の人なんですけど、よく見るとなんか作り物くさくて…変に人間ぽい分、ある意味あの魚の状態より不気味かも。
桐島
- 深部に近づくとたまに会うんです。その辺にすっと立って。
何か言いたげな顔をしてるんですけど、何も言わずに見てるだけなんですよ。意味わかんねぇです。
桐島
- 昔の人だからアピールが奥ゆかしいのかな
アキ
- まあ神様なら尚更なに考えてるか分かりませんよね
ただとにかく、僕に対して特に好意とかは感じられないんですよね。
桐島
- …いやでもあれ、本当に神様なんですかね
桐島
- どゆこと
アキ
- 実はうちの家系全員寺生まれなんで、もれなく霊感あるんですけど
桐島
- 寺生まれってすごい
アキ
- あの人魚、神様って感じじゃないんですよね
桐島
- 禍々しいとか?
アキ
- いや、そういう神様もいるけど
桐島
- なんていうか、底が浅い
桐島
- 歴史あるみたいよ?
アキ
- んー。説明難しいんですけど…
こんなこと出来るくらいだから、弱い訳じゃなさそうだけど…違和感がすごいというか…
桐島
- ふうん?
アキ
- さっきの話聞いてて思ったんだけど…
アキ
- これ、人魚からのLINEていうか、化物が送ってる感じなんだね
アキ
- え?
桐島
- 糸良村からの手紙を書いてたのは住人でしょ?
同じ理屈ならLINEを送ってるのは住人てことにならない?
アキ
- 実際、桐島くんのスマホ持ってたのは人魚じゃなくて化物の方でしょ
アキ
- …そういえば
桐島
- まあ人魚の指示かもだけど
アキ
- (そもそも何のために生け贄を集めてるのかも分からない。やっぱり人魚さまの復活のためなのか)
桐島
- (情報が少ない。これは一旦保留)
桐島
- はいできたー
よしよしー
アキ
- いや首脆いんでやめてください
桐島
- 取れたらまたつけるから大丈夫
アキ
- 状況への理解と適応が早いのは本当に助かるんですけど
僕の扱いが雑すぎやしませんかね
桐島
- はは
草
アキ
- (マジでうぜえ)
桐島
- (こっちに否があるから強く出られないのが非常にもどかしい)
桐島
- まあどうも
桐島
- 思ったよりもげそうだったけど大丈夫?
アキ
- 頸椎折れてるけど案外いける
桐島
- てかマジで死んでるね
体温ゼロじゃん
アキ
- そうなんだ。知りませんでした
桐島
- え?知らなかったの?だって私温かくない?
アキ
- 言われてみれ、ば
桐島
- アキ渾身のハグ。桐島硬直
アキ
- いや、ちょ、なんですか
桐島
- (分かったこいつ幼なじみ両方男だから異性への距離感がおかしいんだな!?)
桐島
- いや、なんか寒そうで…
アキ
- 別に寒くはないです
桐島
- そう?
アキ
- あっさり離れる
アキ
- …もっと気を付けたほうがいいですよ
桐島
- 私強いから大丈夫!
うち道場で、空手やってんの!
アキ
- いやそうじゃなくて…空手?
桐島
- 背負い投げは柔道では?
桐島
- それはただの特技
アキ
- (ナンデ)
桐島
- (というか今の返答はあれか。僕になら襲われても勝てるから大丈夫って意味か。マジで舐め腐ってんなコイツ)
桐島
- 頼もしいですねー
桐島
- ん?あ、よし。くっついてきた
桐島
- へーくっつくのはやいね。不死身なの?
どんだけやられても復活できる感じ?
アキ
- さあ。そこまでやられたこと無いんで。ただ出血しすぎると動けなくなるみたいです
桐島
- 今までここまでボロボロにされたこと無かったんですけど…
僕もあっちも復活するせいか、段々とあいつら過激になってきてて…ひどい目にあったな…
桐島
- あれ復活するんだ
厄介だなぁ
アキ
- 今回に至ってはなんか弄ばれてた気がするし。腹立たしいですね
桐島
- ふーんかわいそ
アキ
- (優しいんだか冷たいんだか分かんない人だな)
桐島
- 首もとを撫で、包帯を確認する
桐島
- あ、そうだ。
先輩は僕が既に死んでること、知らないんですよ
桐島
- 黙っててもらえませんか?
桐島
- …自分でちゃんと伝えたいから?
アキ
- …そうです
桐島
- ほんとに?
アキ
- …バレなさそうなら、このままでもいいかな、と思ってます
桐島
- ふーん
アキ
- それでいいの?
アキ
- …できるなら、それがいいです
桐島
- ちゃんと伝えたいことは伝えた方がいいんじゃない?
アキ
- …そこまで首突っ込んでくるのは、お節介だと思いますよ
桐島
- …ああごめん。これは別に桐島くんの為に言ってる訳じゃないな
アキ
- …?
桐島
- ヒロはきっと後悔するから。
アキ
- …それを言われると困るな
桐島
- 僕にもう、何か伝える資格無いでしょ。今更。ていうか正直何言えばいいか分かんないですよ。
桐島
- 死人に口無しって言うでしょ。逃げ切ったっていいじゃないですか。くたばった僕には黙る権利がある
桐島
- どうせこの今の時間なんて、終わってしまった人生の、長い蛇足でしか無いんです。僕の今の言葉に意味なんてない。
何言ったって手遅れです
桐島
- 適当に誤魔化して何事もなく脱出するのが一番いいと思います。そうしたいんです。
桐島
- …そ
アキ
- 気に障りました?
桐島
- 別に?
言い訳がましいと思っただけ
アキ
- 手厳しいなー
桐島
- 自分の言葉に意味があると思うから、言えないんでしょ
ビビりなだけじゃん
まあ私関係ないし。これ以上言うつもりないけどさ
アキ
- …マジで容赦ないな
桐島
- ほんとにヒロ先輩が大事なんですね
桐島
- 大事だよ
アキ
- あ、もしかしてデキてるとか
桐島
- ないわ
アキ
- 即答
桐島
- あ、ナオ先輩でしたっけ?あっち
桐島
- もっとないわ
アキ
- 男二人幼なじみなら大抵どっちかなんだけどな
桐島
- アオハルムリ
アキ
- 桐島くんは可愛い彼女が待ってたりしないの
直接送りにくいならかわりに連絡取ってあげようか
アキ
- あー彼女。はいはい、いますいます。めっちゃいる。両手で数えるくらいいますね。
桐島
- ただみんなスマホ持って無いんですよねー
残念だなーほんと
桐島
- 雑な嘘どうも
アキ
- …ならアキさん折角だし
桐島
- ん?
アキ
- あ、何でもないです。スッゴい何でもない。ぜんっぜん何でもないマジでほんとあっぶないな何だよ僕アホかよどの辺が折角なんだ馬鹿か
桐島
- なによ
アキ
- なんていうか、自分が死んでると思うとつい、何でも変に思い切りよくなっちゃうんですよね。まあいいや死んでるしってなっちゃう
桐島
- だから何の話?
アキ
- あーっと、そろそろ動くかな
桐島
- 今話そらした?
アキ
- 桐島は右腕を持ち上げ、指先を動かし挙動を確かめる。
アキ
- おっけー
桐島
- あ、そうだ。もう立てる?
アキ
- え、ああはい
桐島
- ヒロも急がなきゃなんないけど…ここに来る途中気になる場所があってさ。ちょっと一緒に見てほしいの
アキ
- 気になる場所?
あ、トイレですか?
桐島
- それも必須だけど
とりあえずこっちきて
アキ
- あ、ちょ、ちょっと待って下さい
まだ足はくっつき方微妙で…
桐島
- 肩貸すよ
アキ
- おねがいします
桐島
- あ、身長同じくらいだからちょうどいいね
アキ
- …
桐島
- 私女子だと身長高い方だから、大丈夫だよ
アキ
- 何も言ってないんですけど?
桐島
- ちっちゃい男もいいと思うよ
アキ
- だから何も言ってないんですよ。わかります?
桐島
- そうだね
アキ
- どうせ死んでるし
桐島
- 自虐は良くないよ
アキ
- ほんとに今更だなその言葉
桐島
- ……
桐島
- なら僕は?
桐島
- …うん?なにが?
アキ
- 違う違う違うなんでも無い
桐島
- いやもう、例え死んでても今こうやって会話して触れあえるなら、僕はここにいるってことなんです。自棄になっちゃ駄目なんですよ!!
桐島
- しっかりそういう意識を保つのが、大事なんです!!!
桐島
- さっき真逆のこと言ってなかったっけ?
アキ
- 君すごい疲れてない…?
アキ
- それですね。それだ。
桐島
- そうでなきゃ気の迷いが過ぎる
桐島
- はやく行ってちょっと休もう。そうしよう
桐島
- 桐島は肩から離脱し足を引きずりずんずん進んでいく
アキ
- …行き先分かるの?
アキ
- …
桐島
- すごすご戻ってくる
桐島
- 落ち着いて
アキ
- 誰か殺してくれ…
桐島
- もう死んでるって
アキ
- よーし、
頑張ってヒロを上手いこと助けるぞー
アキ
- うっす…
桐島
- …
アキ
- ま、ありっちゃありかな
アキ
- ん?なにか言いました?
桐島
- よし行こー
アキ
- ?
おー
桐島
アキ
- ファブリーズ持ってないか
直泰
- いいからはやく拾いなって
佐崎
- 地面には、たった今直泰がぶん投げたスマホが土埃を被って鎮座している
佐崎
- つーか何でファブリーズ?
尾崎
- 除霊効果があるらしい
直泰
- 幽霊を何だと思ってんだ
尾崎
- 読んで既読にしないと
佐崎
- 嫌だ!!!!!!
直泰
- 廃墟からのLINEなんて俺は!!!!認めない!!!!
直泰
- リンゴン
佐崎
- ワァァ!?マタキタ!!?
直泰
- 連れていかれる!!!嫌だ!!!!!!うわあアキ!!!
直泰
- 自分に来たとたんにそれか
メンタル弱すぎんだろ
尾崎
- 幼なじみを送り出した下りはなんだったんだ…
尾崎
- 強がってたんでしょ
てかあの子トイレ長くね?
佐崎
- ほらもー落ち着きなって
佐崎
- フー…ハー…
直泰
- 除菌シートで除菌してあげるから、ね?
佐崎
- 菌扱いか
尾崎
- …ありがとうございます
直泰
- 納得するのかよ…
尾崎
- いい加減落ち着いたら車に乗ってくれないかい…?
梶本
- アア…認めん…俺は……認めないぞ……
直泰
- もーウザったい!
しゃんとしな!!!
佐崎
- ハイ
直泰
- 大丈夫かこの面子
尾崎
- 廃墟からのLINE15 接続
尾崎