ひとり劇場

骨と記憶の子宮

SCPが好きでそういう系統の短編ストーリーを書いてみました

俺の名前はレイリーランバー。
一年前に殺人と強盗の容疑で逮捕された。
まぁ、こんなことはどうでもいい。今の俺には名前なんてない。
俺は刑務所にいる頃、二人のスーツを着た男達が来た。
その男たちは俺にこう言ったんだ。
スーツの男
お前の人権は剥奪された。今度からお前の名前はB-613だ。
これからお前はファクトリーのモルモットになってもらう
俺は連れていかれそうになったが必死に抵抗した。
だが、ダメだった。テーザーガンを撃たれて俺は気を失ってしまった。
気が付くと俺は独房の中にいた。
景色は刑務所よりも綺麗で何かの実験施設にも見えた。
何かの薬の実験かと思ったが他の囚人は箒を持っていたり、テレビ局にありそうなデカいカメラを持っている囚人もいた。
何をしている施設なのか全く見当も付かなかった。
白衣の男が近づいてきた。
白衣の男
B-613仕事だ
それだけを言い扉を開けた。
俺は言われるがまま外に出た。
屈強な警備員が背後にいて下手な真似はできなかった。
B-613
おい、俺は一体何をすればいいんだ?
何も話そうとしない白衣の男に話をかけた。
だが返事は帰ってこなかった。
長い廊下を抜けるとそこは何かが収容されているような場所だった。
分厚そうな壁に頑丈な自動扉。それにカードリーダーがついていてカードがないと扉が開かないシステムになっていた。
白衣の男がようやく喋り始めた。
白衣の男
君にはこの扉の先にある穴の中を探索してもらう
そういうと警備員は小さいカメラとインカム、何本かの発煙筒を渡された。
B-613
なんで人間を使うんだ?ドローンとかロボット使えばいいだろ
白衣の男
ロボだと正確なことがわからない
それだけを言い扉を開けた。
赤いランプが光り、サイレンが鳴っている。
その扉の先には薄暗く人1人入れそうな穴があった。
その穴は見ているだけで吸い込まれそうな穴だった。
B-613
この穴の中に入って何をしろって言うんだよ
白衣の男
穴に入ったらカメラで撮影しろ。カメラはこの本部とつながっている。
インカムで中の様子、気温、些細なことでも全部報告するように
この穴の先はどうなっているのだろう。穴の先はこの施設の地下なんじゃないのか。など俺はいろんな疑問が渦巻いた。
白衣の男は質問をさせまいと穴に入るように急かす。
警備員も銃をこちらに向けており抵抗もできなかった。
俺が扉の中に入ると後ろの扉が閉まった。
これで逃げられなくなったってことか。
カメラの電源を入れ発煙筒をつけて中に入っていった。
B-613
こちらB...なんちゃらだ。中は寒くもなく暑くもない。
なんていうか...無だ。なんだかわからないが感じたことがない。
周りの壁は石のようだ。だが叩くと鉄のような音がする。
インカムから男の声がした。
白衣の男
他に何かいる気配はないかね?
B-613
いや、何もいないと思う。発煙筒の光が不自然に奥まで照らさないんだ。
俺の足場を照らすだけで全然奥まで見えない
白衣の男
分岐路はあるかね?
B-613
いいや、単なる一本道だ
白衣の男
ほ...なに...だ
音声が途切れてなにを言ってるかわからなくなり音声が聞こえなくなった。
クソ、いったいなんなんだここは。
音声も途切れてしまったから一旦戻ろうとして振り返った。
俺は、気が狂いそうになった。振り返った先は壁だった。
B-613
お、おい!なんでだよ!さっきまで通ってきた道だろうが!
壁を必死に叩いたが鉄を叩く音が響くだけ。
俺は戻れないとわかり、さっき進んでた道に視線を送る。
そこには二本の道があった。俺は完全に頭がおかしくなったと思った。
B-613
クソ、なんならとことん進んでやる!
カメラの映像が本部に届いてることを祈り進んだ。
B-613
聞こえてるかわからないが、状況を伝えるぜ。
さっき戻ろうとしたが後ろは壁になっていて戻れなかった。
それに道が急に二手になってしまった。頭が狂いそうだが俺は左の道を進んでみる。これが凶と出るか吉と出るかだ
俺は出来るだけ洞窟の奥へと進んだ。
どれぐらいの時間が立っただろう。
疲れもしないし、腹も空かない。ただただ暗闇で発煙筒の光がわずかにあるだけだ。腹が空かないのはありがたいが嫌な仮定が頭をよぎった。
もし、この洞窟のせいで死ねない体になっているとしたらこれほどの地獄はない。嫌な予感がしつつも洞窟の奥へと進んで行った。
何時間も歩いたと思う。だが光は発煙筒の光だけで他には見つからない。
絶望した。ここをどうやって出るか、よりも先にここでどうやって死ぬかを考え始めた。もしさっきの仮定が正しいのであれば俺はこの暗く何もない空間で一生生きなきゃいけないのだ。そんなことがあってたまるか。
俺はいつだって生き残ってきた。どれだけ殴られようが撃たれようが刺されようが俺はいつでも生き残ってきたんだ。こんな面白くもない場所で死のうとするなら俺はここから逃げることを優先する。
B-613
おい、本部聞いてるか?俺は絶対にここから逃げ出して見せる
強気なことを言ったが俺は今までずっと弱い人間で、とんだ不幸者だ。こんな場所を永遠にさまようなんてな。
親に何もしてやれなかった。妹にも何も...
俺はただ、金が欲しかった。
だが、俺は無能だった。仕事をすれはすぐにクビ。
何をしても無能扱いだった。だから俺はギャングになった。
そこなら俺でも何か活躍できると...
だがそれは違かったんだ。リーダーと俺と他2人は銀行に強盗に入ったんだ。
みんなを床に腹這いにさせた。そしてリーダーは俺に言った。
警備員を殺せ。
俺は要するに警備員を殺させて警察の目を俺に向けさせるという役割だった。
だが、逆らえなかったんだ。そして独房入りさ。
笑えるだろ。こんな世界クソ食らえ。
体内時間で数時間はたったと思う。
体は元気だが心は憔悴しきっていた。
もう無理だ。死にたい。不幸な人生だった。
いつもこういう役回りで。
何も考えずにここに座り、世界が終わるまでここにいよう。
なんだか眠くなってきた。何か俺を包み込む温かさがあった。
とても、懐かしいようで全てを忘れさせてくれるような、そんな温かさだ。
B-613
なにもかんがえないで、いっしょにいよう。
おかあさん、ただいま。そしておやすみ。
白衣の男
B-613が穴に侵入して約50時間が経過

B-×××ロスト
完全に映像と音声がなくなりました。
中の様子は最初だけで何もわかりませんでした。
ドローンを送り込んだところ奥からは数人の乳児の声がしたとの報告あり。
ドローンはなんらかの力で破壊されてしまいやはり最初の地点の情報しか集められませんでした。
ライトや発煙筒などの光源類は役にも立たないということが分かりました。
それ以外のことはわかりませんでした。

骨と記憶の子宮のレポートを終了
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記載日 ×月×日
記載者 ダルヘル・アッカーマン博士
収容X体 ×××××子宮
侵入B職員 B-×××
収容クラス 特性及び危険性は未だ謎のためD -

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投稿日時:2020-09-22 06:12
投稿者:III
閲覧数:41

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