廃墟からのLINE13
夏終わってた。忙しくて更新大分遅れちゃいましたスイマセン。アホみたいに長いので注意。評価ありがとう!
- 前回までのあらすじ
アキ
- 先輩がやべえ。
アキさんにLINEしよ
桐島
桐島
- すみません助けて下さい
桐島
- このままじゃヒロ先輩が危ない
桐島
- マ?
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- マ
桐島
- 化け物に洗脳されて、僕の言うことも全く聞かなくなりました
桐島
- 勝手にどっか行っちゃう感じです
桐島
- なんとか引き留められない?
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- 本気で抵抗されると体格差で力負けして、引きずられちゃうんですよね
桐島
- とりあえず椅子に縛りつけましたが、多分長くは持ちませんね。ここにあるものは何もかも朽ちて脆くなっているから、きちんと拘束出来ないんですよ
桐島
- ぶん殴って気絶させたりできないかな
首の後ろあたりとか
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- 映画じゃないんだから素人がそれやったら先輩死にますよ
桐島
- というか他にも問題があって
徘徊してる化け物が段々増えてきてるんです
桐島
- トロいから数匹なら先輩背負って逃げられるんですけど
これ以上増えるとそれも難しくなってくる
桐島
- 正直まじでヤバいです
桐島
- ヤバいじゃん
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- 待ってね今考えてる
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- 僕、思ったんですけど
桐島
- 僕じゃ駄目でも、アキ先輩や幼なじみの方が呼び掛ければ、もしかしたら目覚めてくれるんじゃないですか?
桐島
- それでなくても、もう二三人いれば、先輩を引きずって化け物から逃げることが出来ると思うんです
桐島
- 僕の言いたいこと、分かってくれますか?
桐島
桐島
- ……
アキ
- なんて?
佐崎
- ヒロ…私の幼なじみ、洗脳されちゃったって。
1人じゃ抑えつけられないから、手伝って欲しいって
アキ
- 多分、廃墟に来て欲しいんだと思う
アキ
- それって
佐崎
- 罠かもしれない
直泰
- あ、ナオ。おかえり
アキ
- ただいま。返信はちょっと待ってほしい
直泰
- 図書館収穫0だった
行って損したわ
尾崎
- 情報が無いという情報があった
直泰
- モノは言い様だな
尾崎
- こっちはおじさんから色々聞けたよ
アキ
- こんにちは。
ああ、尾崎くんか。まだ無事でよかったよ
梶本
- あー、あんたか
それで、解決策は見つかったのかよ?
尾崎
- どちら様なんだ?
直泰
- なんか詳しいおっさん。最後会ってから2ヶ月振りか?
尾崎
- あの時はあまり説明出来ずにすまないね。
相手を知ることは縁を強めることにも繋がるから、詳しいことは話せなかったんだよ
梶本
- だが、もはやそうも言っていられない事態になった
梶本
- あとで詳しく話すけど、ヒロを連れ戻すには廃墟に行かなきゃいけないんだよね
アキ
- 桐島くんに呼んでもらえば洗脳されずに廃墟へ入れるかもしれないから、呼んでもらうのは別にいいんだけど…
アキ
- いや、駄目だ。桐島が人魚…この廃墟からのLINEの首謀者と繋がっている可能性もある
直泰
- あ、人魚さまのこと知ってるんだ
アキ
- 俺が話した
うちのばーちゃんが糸良村からの手紙を貰ってたらしいから、たまたまその怪談も知ってたっつーか
尾崎
- (……それは本当に偶然か?)
梶本
- うーん。でもヒロが何か洗脳されちゃって危ないらしいから、他の方法を探す時間も無いんだよね…
アキ
- なんだと?
直泰
- おじさんの話が本当なら、私とナオで呼び掛ければ、洗脳は解けるかもしれない
アキ
- そんな簡単な話なのか?
直泰
- 他の連れ去られた人たちはもっと色々準備して外から呼び掛ければ、洗脳は溶けそうだけど…とにかく今早く、ヒロを助けないと…
アキ
- いやまて。落ち着け
直泰
- LINEで呼び出された人達を取り返す方法があるんだな?
直泰
- 試してみるまで確証は無いけど…
アキ
- それなら、最悪ヒロが他の人達と同じように生け贄になってしまっても、助け出す方法があるってことだよな?
直泰
- その準備とやらが終わってからでもいいだろう
俺達が行く必要は無い
直泰
- ……生け贄になった人達を、「生きたまま」取り返せるかは分かんない
洗脳は解けるから、廃墟からは出せるかもしれないってだけ
アキ
- 生け贄さんを出さないと、人魚様を封印出来ないらしいから、そのために例え…生きてなくても。出してあげようとしてるの
アキ
- ……なるほど、なるほど
直泰
- だとしても反対だ
直泰
- なんで?
アキ
- さっきも言ったが、桐島が味方だとは限らない
むしろヒロを使って俺達を誘き寄せようとしてる可能性だってある
直泰
- それならわざわざ私たちに「廃墟について調べろ」なんて言わないんじゃない?
アキ
- さっきおじさんが言ってただろ
人魚について知ることで、人魚との縁が深まるってことは、廃墟について調べれば自ずと人魚とも仲が深まる
直泰
- 正直、いつLINEが届いてもおかしくない
直泰
- ……さっきLINE来た。廃墟から。
アキ
- ほらみろ。罠だったんだ
こうなると正直、今ヒロが無事かも分からん
直泰
- 連絡がとれなくなった時点でもう、手遅れだったのかもしれない
直泰
- …やだ。無事な可能性が少しでもあるなら助ける方法を探す
アキ
- だったらナオは来なくていいよ
私が行くから
アキ
- だから落ち着けって言ってるだろ
直泰
- 俺だって諦める気なんて無い
直泰
- ただ、桐島は信用出来ない
直泰
- なんで?
アキ
- だいたい桐島くんが人魚に協力する理由が無いし
アキ
- 洗脳されてるかもしれない。そうでなくても、「自分だけ助けてやる」とでも言われたら、誰だって揺れる
直泰
- 2ヶ月も閉じ込められていれば、心変わりには充分だ
直泰
- 悪いが、僕も今廃墟へ行くのには反対だ
梶本
- さっき賛成してたのに
アキ
- 桐島くんが人魚に下っている可能性はある
さっきの話も推測でしか無い
梶本
- もう一度言うが、人魚の社に入って出てきた人間は居ないんだ。
今のところ、出る方法も分からない
梶本
- 幼なじみさんは、残念だが諦めるしか…
梶本
- いや諦めない
直泰
- 別の方法を探そう。
今、桐島に呼ばれるまま行くのは危険だ
直泰
- ……どうしてそこまで疑うの
話してる感じ、多分そこまで悪い子じゃないよ
アキ
- 桐島はもう死んでんだよ
はっきり見た。それは間違いない
尾崎
- …会話してるし
アキ
- 多分、廃墟の中に居るからだろ
生け贄の化け物になったから、LINEが出来る
そんで道連れが欲しくなって、その幼なじみとやらを呼んだとかじゃねーの?
尾崎
- そんなの分かんないよ
アキ
- ああ、分かんねぇな。だがあんたより付き合いは長いんだ。
尾崎
- 俺は知ってる。あいつはやりかねない奴だ。
尾崎
- ……
アキ
- ……逆に聞くが、どうしてそこまで味方する?ちょっとLINEでやりとりしただけだろ
直泰
- ……別にコイツに味方したい訳じゃない。なんかピンとこないだけ
アキ
- もういいもういい。わかった
アキ
- ……諦めるわけじゃない
直泰
- ……
アキ
- 必ず助ける。俺だって正直、廃墟に行ってしまいたい。でも、それは確実じゃないんだろ?
直泰
- ……
アキ
- きっと別の方法があるはずだ。
一緒に協力して探そう。
直泰
- アキ…
直泰
- さっきから一生懸命何打ってる?
直泰
- 要するに聞けばいいんだよ
アキ
- 桐島くんに
アキ
アキ
- バットを構える
桐島
- 脳天ヒット。かち割った頭蓋がくるくる飛んでいく
桐島
- はい右中間
桐島
- アー
宏考
- 先輩を椅子ごと持ち上げ移動
宏考
- 敵影確認。バットを構える
宏考
- 足を折って引きずり倒し、頭を潰してこぼれた脳味噌を蹴りとばす
宏考
- 化け物は地面をばたばたと這いずり、飛び散った脳を追いかける
桐島
- キッモ
桐島
- オアー
宏考
- 先輩を椅子ごと引きずる。途中うっかりつまづいてちょっと水に沈めた
桐島
- ぼがもご
宏考
- おっと失礼
桐島
- リンゴン
桐島
- ん、返信
桐島
- 桐島くん、人魚とグルだったりしない?
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- てか生きてる?
実は死んでない?
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- ………あー
桐島
- 遠くで水の跳ねる音がする
桐島
- 歩き出すと、水に足をとられる。
それなりに奥まで来たはずだが、水は浅い場所から次々流れてきている
桐島
- やっぱ無理そう。
片方だけでも来てもらうしかない
桐島
- それがなんですか?
桐島
- もう関係無いでしょう
桐島
- 僕が味方だろうと敵だろうと。生きていようが死んでいようが、ヒロ先輩が今、危険なことには変わりません
桐島
- あなたに他に選択肢は無い
桐島
- それとも見捨てますか?嘘かもしれないから、助かるかもしれない幼なじみを諦めますか?
桐島
- 出来ませんよね?
桐島
- そろそろ分かってくれませんか?
時間が無いので、早めに判断お願いしますね
桐島
アキ
- …………おう
アキ
- なんて打ったんだ
直泰
- お前亡者で人魚とグルじゃね?って
アキ
- そのまま聞くやつがあるか
直泰
- 開き直ってバチバチに煽られた
嘘でも何でも来るしかないでしょ?ってよ
アキ
- ムカつく
アキ
- あと時間無いからはよ来いってさ
アキ
- なんで聞いたら素直に答えると思ったんだよ…
直泰
- そうは思ってないけどなんかこう決め手が…
アキ
- もうLINEやめとけって呼ばれるぞ
尾崎
- そうだ、やめておいたほうが
梶本
- 外野うるさい黙って
今考えてる
アキ
桐島
- 床を二回打つ。振り子のように回し、肩へ下ろす
桐島
- 平常心
桐島
- アー
宏考
- 先輩with椅子を持ち上げると、バキ、と嫌な音がしたので思わず手放す
宏考
- ……代わりに何か
桐島
- 椅子を探しているうちに、パシャパシャといくつもの小さな足音が響いてきた。人間にしては軽い。恐らく、あの小柄な魚の頭の化け物だろうか
桐島
- 足音が速い。逃げるのは無理か
桐島
- しょうがない
桐島
- バットを構える
宏考
- __
宏考
- はぁ、はぁ
さすがに多い……
桐島
- 何とか撃退したけど
あれマジでなんなんだ
桐島
- アー
宏考
- ああ止まれ。止まれってば
桐島
- 足音がする
桐島
- くそ
桐島
- まだか。もしかして、本当見捨てたりなんかしないよな?
桐島
- そんなはずない。ないけど、もし、もしそうなったら、ぼくは_
桐島
- ……
桐島
- 床を、叩く。バットが水面をたたく
この音じゃない。困るなあ
桐島
- どうか日常に戻らせてくれ
桐島
- リンゴン
桐島
- ……はー
桐島
- 焦らない、焦らない
桐島
- そうだ。この人は多分、見捨てるような人じゃない。この人は…
桐島
- 画面を見る
桐島
- ヒロのいいとこ10個言って
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- …………………………ん?
あれ僕何か変なこと言ってたかな
桐島
- あ、言ってなかった。こいつが唐突に妄言吐いただけだった。スクロールして損した。
桐島
- は?
桐島
- いや、は?
桐島
- ふざけてる場合じゃないんですけど
桐島
- ふざけてない
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- おじさんが言ってることも、君が言ってることも、この状況の本当の理由も、今の時点じゃ何が正しいかわかんない
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- でも一番大事なのはヒロの無事じゃん
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- つまり桐島くんがヒロのことめっちゃ好きなら絶対助けてくれるしオールオーケーじゃない?
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- なにがオールオーケーだ
桐島
- というか別に、僕がそれっぽく嘘をつく可能性もあるでしょう
桐島
- 本当に君がヒロを助けたいなら、私に信用されるような素晴らしい回答が出てくるはず
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- だから頑張って
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- は?
桐島
- なんで僕が頑張る感じになってるんですか
桐島
- まじでなにこれ
桐島
- 今全然そんな流れじゃなかったんですけど
桐島
- 時間無いから早くしてね
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- こっちのセリフなんだけど
桐島
- マジで言ってます?え?
桐島
- なんか確か幼なじみもう1人居ますよね?ちょっと代わってくれません?
桐島
- ナオは桐島くんが嘘ついてるって言ってるから多分説得出来ない
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- 観念して
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- 自己中コミュ障サイコクソ女!!!!
桐島
- 返信が全体的に意味不なんだけど!?なんでそうなる!?
桐島
- つーかさっきから何なんだよそのアカウント名!!!完全に聞くタイミング分かんなくなっちゃったんですけど!!!
桐島
- 向かってきた化け物を力任せに殴りつける。完全に憂さ晴らしである
桐島
- ひとしきり辺りの敵を片付け、椅子の欠片に縛りつけた先輩を見下ろす。ポンコツ継続中。駄目だこいつ。
桐島
- ややしばらくスマホを前に考え込み、眉を寄せて唸り、ようやく画面をタップし始める
桐島
- 10個は多い…
桐島
- まあ確かに
じゃあ一個でいいや
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- 九割減った。言ってみるもんですね
桐島
- よかったね
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- 暴言出てきそうになるんで一旦黙ってもらえます?
桐島
- わかった待ってる
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- あー
桐島
- まだ?
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- ちょっと待って下さいね
桐島
- 照れてる場合じゃないから
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- 市ね
桐島
- 危ない…うっかり罵倒するところだった
桐島
- 出てる出てる
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- いや、ヒロ先輩にいいとこが一個も無い訳ではないんですよ
桐島
- いっぱいありすぎて厳選出来ないのかな?別に増やしてもいいよ
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- あんた楽しんでるだろ
桐島
- 真剣そのものだよ
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- あとで覚えてて下さいね
桐島
- いやまあ、尊敬してますよ。
先輩が居なかったら多分、僕はここまで野球をつづけてませんから
桐島
- 全く協調性が無い僕を上手いことチームに入れてくれてたのは先輩なんで。
人間出来てるなーって思います
桐島
- チームメイトに信頼されてるから、相談されることも多かったみたいで、周りのことも細かく把握してるし。面倒見がいいんでしょうね。ほんとキャッチャー向いてると思いますよ
桐島
- あとなんでしょうね。
あの人普段は頭良くないけど、試合中だけすっごい冴え渡るんですよね。ゲーム運びが上手いというか。やっぱ視野が広いからかな。ちゃんと定石抑えてるけど、思い切りもいいというか
桐島
- 普通に優秀だと思います
桐島
- なんていうか
桐島
- 僕に構ってなきゃ、もっと活躍出来たでしょうね
桐島
- そういう感じです
桐島
- どうしてヒロを呼んだの?
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- ……
桐島
- 優しいから
桐島
- 今は後悔してます
巻き込む気はなかったんです
桐島
- 本当に
桐島
- おけ
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- すぐ行く
ヒロのことよろしくね
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- 洗脳を解く方法も分かったかもしんないから、多分大丈夫
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- 脱出方法はナオに引き続き探してもらうね
君の友達の尾崎くんと、あと知り合いのお姉さんも協力してくれてるから、そっちは皆に任せる
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- あ、梶谷さんて知ってる?桐島くんの親族だって言ってる。廃墟封印できるらしいんだけど
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- 分家にそんなの居たような気がします
桐島
- りょーかいです。化け物沸いてきたんで落ちますね
桐島
- 待って
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- 呼んで
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- 分かってたんですね
桐島
- わかりました。これで成功しなかったら、また考えます
桐島
- り
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- アキさん。廃墟へ来て下さい
桐島
ちくわ大明神@ポンポンペイン団
- よし!行くわ
アキ
- 待てったら。なんて返信来たんだ
直泰
- ヒロめっちゃ大好きだって
アキ
- 騙されるんじゃない、そいつは
直泰
- 脱出方法探して!あとよろしく!
アキ
- いいかげんにしろ
……話を聞け
直泰
- お前まで居なくなったら俺は
直泰
- もう呼ばれちゃったから。
大丈夫。ちゃんと帰ってくるよ
アキ
- ……なんの、保証も無いのに
直泰
- ……ごめん。でも、今から別の方法なんて探してたら間に合わないって、ナオも分かってたでしょ?
あっちの方が時間が進むのが速いんだから。
アキ
- 今行かなきゃだめなの
だからお願い。行かせて
アキ
- …………なら、俺も行く
合図したらお前が呼んでくれ
直泰
- でもそれだと、帰る方法が
アキ
- ちゃんと準備してから行く
確実に助けるために
直泰
- どうせもう、止めたって行くんだろ
好きにすればいい。俺も好きにする。
直泰
- ……ごめん
アキ
- いいから、行くなら早く行け
間に合わなくなる前に
直泰
- なら、僕が送っていくよ
梶本
- 手のひらくるくるおじさん…
アキ
- うっ…いや、決意があるならしょうがないからね…
そう、しょうがない…
梶本
- ほんと弱いなこのおっさん
佐崎
- アキ
直泰
- …うん
アキ
- 頼んだ
直泰
- …!
まかせて
アキ
- あたしらで探しとっから!
がんばんな!
佐崎
- これ俺も含まれてんのか
尾崎
- トーゼン!
佐崎
- まあ、目的は同じだし、いいけどよ
尾崎
- ありがと!頼むね!
アキ
- よし…!
アキ
- ……どこ行く?
直泰
- ちょっとトイレ行ってから、廃墟行くね!!
廃墟にトイレ無さそうだから!!!!
アキ
- あ、ああうん……
直泰
- いやまあ大事だよ
梶本
- しまらねぇな
尾崎
- アキは公園のトイレのドアを開けた
アキ
- ……
アキ
- あれ?
アキ
- パチャン、と水に足が沈む。
アキ
- 振り替えると、背後は長い廊下が遠くまで延びていた
アキ
- さっきまでの公園は?というかトイレは?
アキ
- その疑問はただ、一つの回答に集約される。つまり
アキ
- ここが、噂の廃墟。過去の糸良村。…人魚のやしろ。
アキ
- …………
アキ
- あれトイレは?
アキ
- 廃墟からのLINE13 呼ばれて飛び出て
アキ