廃墟からのLINE6
ちょっとだけ残酷描写注意。というかこれジャンルは一応ホラーです。今回も長い。評価ありがとう…完結頑張る…
- 前回までのあらすじ
宏考
- こんどこそB校へ向かうぞ
直泰
- 桐島とわくわく廃墟探索。
お姉さん発見!
おや…なにやら様子が…?
宏考
- なんか桐島から友達申請来たわ
アキ
- LINE4で背番号が4、みたいなこと言ってたけどミスですね。僕のポジションはファースト、背番号は3、打順が4番です。
重要には違いありませんけど。光栄だなー。
桐島
- 教室
アキ
- ホームルームが終わり、ぱらぱらと人が教室から離れていく
アキ
- あーやっと終わった
アキ
- ナオ、部活大丈夫なの?
アキ
- しょうがない。まあなんとかするさ
直泰
- それでアキ、さっきのLINE
直泰
- あ、うん。
桐島くんから友達申請きた
アキ
- どうしよこれ
アキ
- ていうかなんで私のID知ってるの怖っ
アキ
- …ヒロが教えたか?
直泰
- やっぱ一緒に行動してるのかな
アキ
- それならなんでヒロからLINEが来ないんだろう
アキ
- 既読スルーのままなんだけど
アキ
- 昨日送ったLINEが既読になっていたから
スマホは見たようだな
直泰
- んーーーちょっと怖いな
アキ
- この子あんまりいい噂聞かないし
なんか怪しいし…
アキ
- ヒロのことは慕ってたようだったが…今はどうだろうな
直泰
- 桐島のIDは野球部員から聞いてきたから、俺も友達申請は送れる
直泰
- ぐるちゃする?
アキ
- 大丈夫か人見知り
直泰
- SNSだとお喋りだから大丈夫
アキ
- 今自分で言って傷付いた…
アキ
- 無理するな
直泰
- 一旦保留にしてヒロのLINEを待ってみるか
直泰
- その桐島が本物かどうか分からないしな
直泰
- いや、やっぱり友達になる。
桐島くんと話してみるよ
アキ
- 大丈夫そうだったらグループに招待するから
アキ
- なら、やっぱり俺はB校へ行く
話の裏取りが必要だろ?どうやって廃墟へ行ったか聞き出してくれ
直泰
- 桐島は試合の日に行方不明になったらしい。レギュラーだった奴が試合をバックレるなんて相当何か理由があるだろ
直泰
- いつもつるんでた不良なら何か知ってるはずだ
直泰
- 不良怖くない?大丈夫?
アキ
- いざとなれば兄貴に頼るさ
直泰
- そっか。なら頑張って
アキ
- 私はLINEぽちぽちしながら聞き込みしてくるね
アキ
- ところでさ
アキ
- 初対面の相手ってどんなLINE打てばいいと思う?
アキ
- …本当に大丈夫か?
直泰
- だいじょぶまかせて
アキ
アキ
- こんにちは!はじめまして!
ヒロの幼なじみのアキです!
アキ
- 好きな食べ物はカニカマ!
特技は背負い投げだよ!
どうぞよろしくね!
仲良くしてほしいな!
アキ
- ところで私のID誰から聞いたの?ヒロ?
アキ
- 下手糞な業者みたいな挨拶ですね
個性的でいいと思います
先輩から聞いた通りの人で安心しました
桐島
- 僕はヒロ先輩の後輩の桐島満です。IDは先輩から聞きました。これアニメのキャラクターの名前ですね。オタクなんですか?
桐島
- 今ちょっと先輩がスマホ落っことして連絡取れなくなってるんで代わりに僕がLINE送りました
桐島
- よろしくお願いしますね
桐島
- なんだこのつまようじやろう
アキ
桐島
- なんだこいつ
アキ
- ねえこれ煽ってきてない?
煽ってきてるよね?
わざとなの?天然なの?
アキ
- 頼むぞ…?
直泰
- 大丈夫大丈夫
アキ
- あ、ヒロのやつスマホ落としたんだってさ
アキ
- 絶妙にありそうで困る
直泰
桐島
- は?オタクですが?なにか?推しの名前ですけど別にいいでしょ????なにか問題でも???
アキ
- 私ヒロと同学年だから。先輩だから。アキ先輩だから。
アキ
- そこ忘れないで
アキ
- 何でキレ気味なんですか
桐島
- 別に責めてないのに被害妄想やめてもらえます?
桐島
- だから敬語使ってるじゃないですか
桐島
- いや敬ってない。態度が敬ってないんだよな全く
アキ
- 別にいいんだけどね^^
アキ
- LINEで態度とか言われても困るんですけど
桐島
- というかこんな話してる場合じゃないんですよ
桐島
- 喧嘩売るのやめてくれませんか?
桐島
桐島
- お前だよ!!!!お前のせいだよ!!!!
アキ
- もう行くからな?
直泰
- まかせろ必ず勝ってやんよ!
アキ
- 何に…?
直泰
直泰
- 自転車を漕ぎ出す。街路樹の葉は赤や黄色に街道を彩っている。長引いていた残暑も終わり、気温が低くなり始めていた。
アキ
- 衣替えの移行期間も終わるころだ。夜はそれなりに冷え込んできている。あれからずっと外に居るとすれば、いい加減体調を崩しかねないだろう
直泰
- それでなくても、もう三日目だ。飲まず食わずだとすればそろそろ危ない
直泰
- せめて今日中に手掛かりを見つけたい。たとえリスクがあったとしても
直泰
- なのに何で桐島とレスバが始まってるんだか
直泰
- まあ…暫く放っておこう
ある意味別人の可能性は薄れたし
直泰
- さて…B校か
直泰
- 坂の上にある私立B中学校。偏差値は低め。周辺の治安も並んで低め。大抵の人間は迂回して通るような地域の、あんまりよろしくない人間が多い中学校。
直泰
- 市内にはAB二校しか中学校が無いため、この周辺の小学生は卒業すると、ここへ通うか直泰たちの通うA校へ通うかの2択を迫られる。
直泰
- B校は正直近寄りたくないが、放課後だしそもそも学校には残ってないか。不良の行動パターンなど分からんが
直泰
- コンビニ前を自転車で通ると、B校の制服を着たヤンキーがたむろしているのが見えた
桐島
- ちょうどいい。どこにいるか聞こう
直泰
- すみません。ちょっといいですか?
尾崎さんか小池さんの居場所が知りたいんですけど、どこにいるか知りませんか?
直泰
- は?なにこのメガネwww
B校女子生徒
- A校の制服じゃんwww
なに、尾崎ら探してんの?
B校男子生徒
- ウケんだけどwww
B校女子生徒
- (何がウケるんだ…?)
直泰
- そうです。ちょっと話がしたいんですけど…
直泰
- あー今日なんかするっつってなかったっけ?
B校女子生徒
- つーかお前何年?
B校男子生徒
- え、三年生ですけど…
直泰
- タメじゃんなんで敬語なのwww
B校男子生徒
- ビビってんだって優しくしてやんなよwww
B校女子生徒
- ちょいまち。いまLINEしてっから
B校男子生徒
- てか尾崎たちと知り合いなん?
B校男子生徒
- (善良なDQNだった)
直泰
- いや、そういう訳じゃない
直泰
- 桐島満について聞きたいんだ
直泰
- あー
B校男子生徒
- うーわ。それやめた方がいーよ?
B校女子生徒
- 前にもA校の…野球部だっけ?の奴が来てさー。最後殴り合いの喧嘩になってたし
B校女子生徒
- メガネも野球部なの?
B校女子生徒
- (加藤らか…?)
いや違う
直泰
- つーかさー…尾崎たちのことちゃんと知ってんの?
B校男子生徒
- いやーまーA校のお前らから見たら同じかもしんないけど、俺ら全然優しい方なんだよね
B校男子生徒
- 尾崎らとかガチでヤバい奴らだから、ほんとに会って話すなら覚悟した方がいんじゃない?
B校男子生徒
- ありがとう。けど大丈夫だ
直泰
- 親友の危機なんでな。危ない橋でも渡るさ
直泰
- ふーん。まー頑張って
B校男子生徒
- z公園に居るってさ。一応A校の奴に居場所教えたって伝えといたから
B校男子生徒
- 場所はgoogleマップか何かで適当に調べて
B校男子生徒
- わかった。ついでに聞いていいか?
直泰
- 噂になってる廃墟について何か知らないか?
直泰
- あー!それ知ってる!
飛び込み自殺があったとかってやつでしょ?
B校女子生徒
- え?服毒自殺じゃなかったっけ?
B校男子生徒
- フクドク?なにそれ?
B校女子生徒
- (またか)
直泰
- てかそれさー。尾崎たち何か言ってなかったっけ
B校女子生徒
- あー夏に肝試しするとか言ってたな。あれ結局どうなったんだ
B校男子生徒
- そんとき桐島もまだ居たよな
B校男子生徒
- 尾崎は廃墟へ行ったのか?
直泰
- さーわかんねー。行くって話は出てたけど
B校男子生徒
- (やっぱり何か知ってそうだな)
直泰
- 本人に聞くのが早いか。色々ありがとう。行ってくる
直泰
- がんばれ~~
B校女子生徒
- …桐島か。
あいつもほんと、運がないよな
B校男子生徒
B校男子生徒
- 女の手が、伸ばされる
B校男子生徒
- えっ
宏考
- とっさに桐島に突き飛ばされた宏考は、床に倒れこむ
宏考
- 痛って!いきなり何…
宏考
- 切り返し掴みかかってきた女の手を、桐島がバットで遮る
桐島
- 女はバットを掴み、零れるような呼吸音を鳴らして桐島に手を伸ばす。
宏考
- オ オオオオ オオオオオ
- ぐっ…!
桐島
- 倒れこんで不安定な体勢だったため、徐々に押し込まれていく
宏考
- 桐島!
宏考
- そいやっ
宏考
- 宏考は女に体当たりし、距離を取った
宏考
- 何か様子がおかしくないか?
宏考
- あれは化け物の仲間ですね。
桐島
- 首もとをよく見て下さい。
桐島
- 言われて目を凝らすと、首に赤い跡が見える
桐島
- 首を締めた跡があるでしょう。見た目は人間だけどあれは死人です
桐島
- あとよく見ると首に…いや、とにかく、僕達の敵です。捕まるとボスに献上されちゃいますよ
桐島
- …献上されるとどうなんの?
宏考
- まあ、化け物の仲間入りですね
今なら友達100人は出来ちゃいます
桐島
- ぜったいやだ。つーかあいつらそんなにいんの?!
宏考
- ここ、歩き回った感じ結構広いんですよねー。まあ通るたび道変わってるんで、本当に広いのか分かりませんが
桐島
- 今すごく嫌なこと聞いた気がするけど、とりあえず逃げよう!!
宏考
- あ、ちょっと待って下さい
桐島
- 桐島は、立ち上がろうとする女の方へと走っていく
桐島
- えっ桐島?
宏考
- 桐島は女へ近寄り、この異様な場には不釣り合いなほど綺麗なフォームでバットを構え、女の頭へとフルスイングした。
桐島
- きりっ…
宏考
- ゴキ、と不快な音を立てて女の頭がひしゃげる。続けて倒れ付した女に向かって何度もバットを振り下ろす
桐島
- ゴッ ゴッと、にぶい音が響き、宏考は思わず目を背ける
桐島
- よし
桐島
- きり…桐島…お前…
宏考
- ああこいつ復活するんですよ。わりとすぐに。
桐島
- いや…復活するとかじゃなくて…
宏考
- 急いで逃げましょう。あいつ多分…
桐島
- 突如、背後から甲高い悲鳴が上がる
桐島
- キァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!
- うわっ
宏考
- 仲間呼んでますね
さっさと行きましょう
桐島
- 2人は来た道を走る。方向は間違いなく通った道を戻っているはずだが、どうにも道に見覚えがない
桐島
- 早いな。もう変わってる。本当に時間が無いかも
桐島
- あっ電波…無いか探さなきゃ
宏考
- そんなのあとで…
桐島
- わっ
宏考
- 震える手でスマホを出したが上手く握れず取り落とし、廊下をスマホが滑っていく
宏考
- ああ
宏考
- と同時に、廊下に化け物たちが雪崩れ込む
宏考
- うわ、この数は…
桐島
- あわわ…
宏考
- 此方へ!
桐島
- はわわ
宏考
- あっ俺のスマホ!!!
宏考
- 諦めて下さい!
桐島
- 桐島に引っ張られて廃墟を右へ左へと走る
桐島
- 幸い化け物達は鈍足だったため、長く走っている間になんとか撒くことが出来た
桐島
- はー、はーー、
宏考
- 大丈夫ですか?
桐島
- おま、お前、ずっとこんなところに
宏考
- まあ…慣れますよ
あ、そうだスマホ
桐島
- ほんとだ。電波がある…不思議ですね
桐島
- そうだ。僕がLINEしますか?というかそれしかないですよね
電池が少ないので不安ですが…
桐島
- そう、だな…たのむ。
俺はうん…、部屋をちょっと調べてみる
宏考
- わかりました。
といっても誰にLINEするか…野球部の人たちにこの状況を説明すると、信じてもらうのに時間がかかりそうだしな…
桐島
- 僕友達いないし…
親はLINEやってないし…
桐島
- あ、そうだ。幼なじみの方のID教えてもらえませんか?
ああでもスマホが無いのか…
桐島
- …アキのIDならわかる。すっげー特徴的だから。
本当はあまり巻き込みたくないけど…
宏考
- お願いします。とにかく外へ連絡しないと。アキさん本人じゃなくても、誰か協力者を見つけないと万事休すですよ
桐島
- …そうだな
宏考
- ありがとうございます
…ああなるほど。これは覚えますね。
桐島
- 代わりにやりとりしますか?
桐島
- いや、桐島頼むよ
俺は今ちょっと…
宏考
- …わかりました
桐島
- (…何の躊躇も無く人の頭殴ってたな。正直ビビった。)
宏考
- (一体どれだけこの空間に…いや、もしかすると居なくなった2ヶ月前からこんなところに一人で…)
宏考
- …桐島、そういえば警察がもう探してるって…桐島?
宏考
- あっ
桐島
- やっば。あんまり面白いんでつい反射で煽っちゃった。
桐島
- 桐島?
宏考
- 既読6 停滞
宏考