赤い糸
乃木坂46 筒井あやめ 最近インスタ投稿してないけど設定だけが思い付いていく@ramuda___
- 皆にも見える
筒井あやめ
- 私はそれが普通だと思っていた
筒井あやめ
- 赤い糸?
遠藤さくら
- さすがに見えないけど
遠藤さくら
- 少し小馬鹿にしたような声で友達のさくらは答えた
遠藤さくら
- え!?見えないの!?
筒井あやめ
- あやめ、熱ある?
遠藤さくら
- 糸は私の回りにもふわふわと漂っている
筒井あやめ
- 小さい頃から見えていた
筒井あやめ
- 小学校高学年になるとそれが何なのかなんとなく気付いていた
筒井あやめ
- あるわけ無いじゃんッ!!
筒井あやめ
- ごめんごめん
遠藤さくら
- 赤い糸
筒井あやめ
- そう、漫画とかに出てくる運命の赤い糸が私には見える
筒井あやめ
- あ、ごめん
遠藤さくら
- それは誰にでもある
筒井あやめ
- まあ、無い人もいるけど…
筒井あやめ
- △△の所行かなきゃ
遠藤さくら
- 恋人同士だったら二人の小指に巻きついて互いに繋がっている
遠藤さくら
- 出会いがまだ無い人は糸がどこまでも続き、結ばれる場所へと繋がっている
遠藤さくら
- また◯かよ~
筒井あやめ
- そんなことないよぅ
遠藤さくら
- さくらと△△くんは赤い糸で繋がっている
遠藤さくら
- じゃあまた明日ね!
遠藤さくら
- うん!
筒井あやめ
- お幸せに~
筒井あやめ
- もう…ばか……
遠藤さくら
- 嬉しそうに照れながらさくらは行ってしまう
遠藤さくら
- 私も帰ろうと思ったけど時計を見てまだ余裕があることに気付く
遠藤さくら
- 課題終わらせよ
筒井あやめ
- 一人廊下を歩きながら隣を流れていく生徒達の赤い糸を見ていた
筒井あやめ
- 繋がってたり繋がっていなかったり
筒井あやめ
- うわ…
筒井あやめ
- 二股かけていたりなど案外面白いものだ
筒井あやめ
- 私?
遠藤さくら
- もちろんあるよ?
遠藤さくら
- ただふわふわ浮いているんだよね
遠藤さくら
- 彼氏なんていたことないからさ
筒井あやめ
- 一回だけ自分の糸を辿ったことがある
筒井あやめ
- しかしあまりにも長過ぎて途中で疲れたから諦めてしまった
筒井あやめ
- よいしょっと…
筒井あやめ
- 誰もいない教室の自分の席に老人のような声を出して座る
筒井あやめ
- オレンジ色に照らされた教室は少し幻想的だった
筒井あやめ
- 鞄から課題を取り出して問題を解こうとしたら
筒井あやめ
- あ、つっつんじゃん
〇〇
- え…
筒井あやめ
- そこにはドアから少しだけ頭を出し、教室を覗く〇〇くんがいた
筒井あやめ
- 帰んないの?
〇〇
- あ、うん、まだ早いし
筒井あやめ
- 〇〇くんこそまだ帰ってなかったの?
筒井あやめ
- 初めて話した気がする
筒井あやめ
- だけど不思議と緊張はなかった
筒井あやめ
- 俺は忘れ物取りに来たんだよ
〇〇
- スタスタと教室の中に入り、彼は自分の机の中を漁った
〇〇
- あれ?ないな…
〇〇
- 何か探し物?
筒井あやめ
- ん、あぁ、なんでもないよ
〇〇
- どこいったかな~と小さな声で彼は呟いた
〇〇
- まぁいいか
〇〇
- そのうち見つかるだろうし
〇〇
- 大丈夫?
筒井あやめ
- おう!大丈夫!
〇〇
- 少年のような幼い笑顔で彼は笑った
筒井あやめ
- 彼の回りに浮いている赤い糸も一緒に笑っているように見えた
筒井あやめ
- つっつん?
〇〇
- は…え?
筒井あやめ
- 俺の制服に何か付いてる?
〇〇
- 赤い糸に意識を取られて彼の声に気付かなかった
筒井あやめ
- ううん!何も付いてないよ!
筒井あやめ
- 赤い糸を見ていた
筒井あやめ
- なんて言ったら気まずい雰囲気になることは明らかだ
筒井あやめ
- そう?
〇〇
- うん!
筒井あやめ
- 私は誤魔化すように勢いよく答えた
筒井あやめ
- あ!私帰らなきゃ!
筒井あやめ
- その場にいるのが苦しくなったのか私は一問も解いていない課題を鞄に入れ、帰り支度を始めた
筒井あやめ
- そそくさと教室から出ようとして彼に声をかけられる
筒井あやめ
- あ、つっつん!
〇〇
- な、なに?
筒井あやめ
- もしさ…
〇〇
- もしもの話だけどさ
〇〇
- なんだろう
筒井あやめ
- 胸がざわつく
筒井あやめ
- うん…
筒井あやめ
- 運命の赤い糸とか見えたら、つっつんはどうする?
〇〇
- 一瞬だけ心臓が止まった気がした
筒井あやめ