ソードアート・オンライン 黒紫の英雄譚 第16話
ないよぉ‼︎さん登場。懐かしの彼も帰ってくる。
- 鍛冶屋であるリズベットの壊れたハンマーを直すために一緒に素材集めをしてきたキリト達。そこへ犯罪者プレイヤーの1人、ジョニー・ブラックが襲いかかる。
キリト
- お前、カーソルがオレンジだな。...何をしたんだ。
キリト
- んん？あぁ、邪魔な奴を消したんだよ。何人だったかねー....あ、6人くらいだ。
ジョニー・ブラック
- 6人も......
アスナ
- .....信じられない。
ユウキ
- ........
リズベット
- そこの！鍛冶屋！
ジョニー・ブラック
- いやぁ助かったぜ。思ったより早く始末できそうでな。
ジョニー・ブラック
- なんで....?
リズベット
- リズベットが、お前に何か危害を加えたのか！？なぜお前はリズベットを狙う！
キリト
- あぁ加えたとも。鍛冶屋になるなんて俺への挑発だな、完璧に！
ジョニー・ブラック
- 鍛冶屋って事はよぉ？黒ずくめの剣士みたいな攻略プレイヤーどもを手助けするんだろ？そんな事したら、ゲームクリアが近づいちまうじゃねぇの！そんなの俺はゴメンなんだよ。
ジョニー・ブラック
- だからコイツの隙を見てハンマーに細工しといたんだよ！すぐにぶっ壊れるようにな！
ジョニー・ブラック
- 何言ってるの！？あなたはこの世界から出たくないの？
アスナ
- 出たくねぇなぁ！
ジョニー・ブラック
- こんだけ楽に人が殺せて、現実で罪にも問われない！こんな楽しい世界から出ようとしてる、アンタらの方がどうかしてるぜ！
ジョニー・ブラック
- 馬鹿みたい.....
ユウキ
- 俺はな、この世界で1日でも多くの人を殺したいんだよ！それを邪魔しようとする攻略プレイヤー、それを支援するプレイヤーも全員始末してやるぅ！
ジョニー・ブラック
- 攻略プレイヤーはな、お前みたいな小物に滅ぼされるためにあるんじゃない！！心の底から帰りたい、現実に戻りたいと望む人々のために戦ってるんだ！
キリト
- そしてその攻略プレイヤーを支えてくれてるリズみたいな鍛冶屋、情報屋だってみんなそうだ！
キリト
- あぁ...わけわかんねぇな！
ジョニー・ブラック
- ....お前はもう手遅れだ。
キリト
- いいぜ...本当はお前と鍛冶屋しか用はなかったが、ここに居たのが運の尽き。
ジョニー・ブラック
- そこの女共も、纏めてやっちまうかぁ！
ジョニー・ブラック
- そうすると男は物凄い速度でアスナとユウキに詰め寄る。
ジョニー・ブラック
- （早い！）
ユウキ
- （まずい...攻撃が間に合うかな！？）
アスナ
- 掛かったな。
ジョニー・ブラック
- ！？
ユウキ
- ！
アスナ
- 速さの割に食らったダメージは少なかった。が...その瞬間自分の体が動かなくなった。
アスナ
- なに....これ？
ユウキ
- (動かない...!)
アスナ
- 俺特製の麻痺毒だぁ。まだ試作段階だが、効くだろ？
ジョニー・ブラック
- ユウキ‼︎アスナ‼︎
キリト
- おっと、心配すんなって。コイツらはこのまま放置だ。そこら辺のモンスターにでも食わせてやるよ。
ジョニー・ブラック
- 俺が戦うのはな？テメェだけなんだよ！
ジョニー・ブラック
- くっ！
キリト
- すると凄まじい手捌きでナイフをこちらに向けてくる。
キリト
- 食らいな！
ジョニー・ブラック
- キリトも剣で応戦する。が、ジョニー・ブラックという男はただの人殺しではなかった。
ジョニー・ブラック
- （強い！俺の行動が読まれてる！）
キリト
- なんだよ。大した事ねぇなあ？これならすぐ終わりそうだぜ、がっかりだぁぁぁ。
ジョニー・ブラック
- （クソ...!俺の剣をその小さなナイフで捌き切るなんて...!プレイヤースキルは攻略プレイヤーに匹敵するぞ！）
キリト
- 隙みーっけ。
ジョニー・ブラック
- しまっ...!
キリト
- するとキリトの腕にナイフが突き刺さる。だが、このナイフもただのナイフではなかった。
キリト
- 麻痺じゃない...これは状態異常の毒か！
キリト
- 状態異常回復ポーションを使わないのか？あっという間にHPが減るぜ？
ジョニー・ブラック
- まぁ使わせる気はないがなぁ！
ジョニー・ブラック
- （まずい...このままじゃ死ぬ！）
キリト
- しかし、死に瀕しかけているのはキリトだけではない。
キリト
- ...モンスターが！
アスナ
- まずいよ...まだ動かない！
ユウキ
- その数は迷宮区前という事もあってか、大量に接近しており、10体以上はいる。
ユウキ
- おっと？剣士サン。見てみろよ、お前の仲間がモンスターに蹂躙されるぜ？
ジョニー・ブラック
- ....!!お前ぇぇぇ！
キリト
- キリト！待って、私がアスナ達を助けに行く！
リズベット
- よせリズ！！お前じゃ無理だ！！
キリト
- 話してる余裕あるとはなぁ！惚れちゃうぜ？
ジョニー・ブラック
- くそっ！（もうコイツの攻撃を捌くのは無理だ！ダメージ覚悟でソードスキルを撃ち込むしかない！）
キリト
- できる...私にだって！
リズベット
- （本当は怖いよ！でも...目の前で人が死んじゃうのは、もっと怖いの！）
リズベット
- 良い眼だ。だが下がってな。
モブプレイヤー
- え...
リズベット
- 突如そこへプレイヤーが現れた。
アスナ
- .....
ユウキ
- .....
アスナ
- ふぃーっと。モンスターは倒したぞ！おいお嬢さん？大丈夫か？
クライン＝おっさん
- (誰...?)
ユウキ
- あぁ...?
ジョニー・ブラック
- お前だな！報告にあった殺人者というのは！
モブプレイヤー
- 俺達のリーダーとその連れに手を出すとは良い度胸をしてるな！テメェは俺達攻略集団で、天誅を下してやる！
モブプレイヤー
- お前ら...!
キリト
- そこに集まってきたのは何十人という攻略プレイヤーだった。
キリト
- と、そこへポーションが転がり落ちてきた。
キリト
- キリト！そのポーションを早く飲め！！
ノーチラス
- ！させるか！
ジョニー・ブラック
- こっちのセリフだ！
ノーチラス
- エーくん！大丈夫なの！？
ユナ
- 心配するなユナ！君はそこで待っていろ！
ノーチラス
- さあて、攻略メンバー大集合だ。もう逃さないぜ快楽殺人者ァ！
モブプレイヤー
- チッ、この数は...流石に武が悪いか？
ジョニー・ブラック
- 今日の所は一旦退くか...
ジョニー・ブラック
- だが忘れるなよ！お前達の首は、命は、必ず俺が奪い取るってなぁ！
ジョニー・ブラック
- 逃すか！
モブプレイヤー
- しかしジョニー・ブラックは、闇に紛れて目にも止まらぬ速さで消えてしまった。
モブプレイヤー
- 無事か？《リーダー》？
ノーチラス
- 何でお前は一々リーダーを強調するんだよ...
キリト
- なぁに、前に死ぬなって言ったのにもうその時を迎えようとしてたからもう一度お前の役割を理解させてやろうと思ってな。
ノーチラス
- リーダー！無事か！？
モブプレイヤー
- ユウキちゃん！アスナちゃん！怪我は？
モブプレイヤー
- 大丈夫です。
アスナ
- ありがとー！危うく全滅する所だったよー！
ユウキ
- これは一体...?
キリト
- リズベットがな、メールを飛ばしてきたんだよ。
エギル
- 犯罪者プレイヤーに襲われた。助けてくれってな。
エギル
- アイツ...あの状況でそんな事してたのか。根性あるな。
キリト
- だから言ったんだよ。必ず攻略メンバー数十名を連れて行くからそれまで死ぬ気で堪えろ、ってな。
エギル
- それでリズはあんな無茶を...
キリト
- （感謝してもしきれないな。冗談抜きで俺達の命の恩人だ、リズは。）
キリト
- それと、お前がピンチと聞いて一目散に来た奴が居てな。何でも、お前な話したい事があるんだと。
エギル
- ....誰だ？
キリト
- ....よぉ。キリト、久しぶりだな。
クライン＝おっさん
- クライン...!
キリト
- 第5層 広場にて
キリト
- 街に戻った後、約束通り剣のメンテナンス及び強化を行ってもらった。その出来は今までの鍛冶屋とは比べものにもならなかった。
キリト
- キリト達はまた絶対来る。と約束し、帰路に着いたのだが...
キリト
- 改めてリズさん！俺達の大将のために命を張ろうとしてくれたんですよね？ありがとうございます！
モブプレイヤー
- 今後とも貴方の鍛冶屋、ご贔屓にさせていただきます！
モブプレイヤー
- ....ありがとうございます。
リズベット
- （...誰かに喜んで貰えるのが嬉しい。こんか気持ちになるのは久しぶりだな。...だとしたら、それはあの3人のお陰なのかも。）
リズベット
- （...キリト達が危なくなったのは私のせいでもある...。だったら、今よりも強く！もっと強くなってみせる。）
リズベット
- しっかし驚いたわね、リズの鍛冶屋熟練度が400越えだったなんて。
アスナ
- 本当だよ！もうボクは彼女にしか頼まないね！
ユウキ
- あれ？ところでキリトは？
ユウキ
- クラインって人と話があるって、飲み場に行ったわよ。
アスナ
- 気になるなぁ。
ユウキ
- 私もよ。
アスナ
- .......
ユウキ
- .......
アスナ
- ボクらも行っちゃう？
ユウキ
- 行っちゃいましょうか。
アスナ
- .....
クライン＝おっさん
- .....
キリト
- （何だこの空気！？）
キリト
- あー、キリト？改めて久しぶりだな。おめぇの教えもあってか、ようやく最前線に追い付いたんだ。
クライン＝おっさん
- そうか。俺も教えた甲斐があったぜ。
キリト
- ところでクライン、今お前パーティー作ってるんだよな？
キリト
- おう、よく分かったな。前に言ってた俺の仲間とパーティー組んで攻略しようと思ってな。
クライン＝おっさん
- まぁHPゲージの上にパーティーに入ってるアイコンあるからな。
キリト
- でもよキリト、おめぇもじゃねえか。
クライン＝おっさん
- あの時1人で飛び出したお前が...女連れとはおったまげたぜ。
クライン＝おっさん
- 言い方！俺がたらしみたいだろ！
キリト
- 違 う の か ？
クライン＝おっさん
- 違う！たまたま、2人が女性だっただけだ！他意はない！
キリト
- ふーん....お前知らないだろ？
クライン＝おっさん
- 何をだよ。
キリト
- 今アインクラッドのプレイヤー内ではな、《ボクっ娘至高 ユウキ》、《天真爛漫 アスナ》 《究極美声 ユナ》の三派に分かれ、混沌を極めてるんだぞ。
クライン＝おっさん
- その内2人を連れてるお前はよっぽど幸せもんだぜ！
クライン＝おっさん
- ！？！？！？
キリト
- ユウキとアスナ...それにユナがそんなに人気だったのか...
キリト
- まぁ全員可愛いからな。お前だってそう思う時は流石にあるだろ？
クライン＝おっさん
- 一方...
ユウキ
- ....聞き耳立てたけど、とんでもない内容聞こえてきたね。
ユウキ
- 私達ってそんなに知名度あったのね。最近視線が多かったから何かと思ったわよ。
アスナ
- そうだなぁ..
キリト
- 確かにユウキは普段はかっこいいけど、たまに見せる女の子っぽい所が可愛いし、アスナも攻略になると人が変わったみたいに強くなるけど、苦手なものはとことん苦手なのは可愛いと思うな。
キリト
- .....お前よ。めっちゃ見てるじゃねえか。
クライン＝おっさん
- そりゃ大切な仲間なんだぞ。よく見ておくのは常識だ。
キリト
- そうじゃねえよ。あの2人を、女として見てやってるんだなって事だ。
クライン＝おっさん
- ........
キリト
- 思えば俺は、この世界の攻略ばかりに目が行ってて、ちゃんとあの2人に女子らしい事の一つもやらせてられてない...
キリト
- アイツらだって本当は、買い物とかしたいかもしれないのにな。
キリト
- 青春だな。
クライン＝おっさん
- はぁー。アイツら俺の事怒ってるかな？
キリト
- .....だったらよ！一ついい案があるぜ！
クライン＝おっさん
- 何だよ？クライン。
キリト
- それはな.........
クライン＝おっさん
- 一方 聞き耳サイド
クライン＝おっさん
- .......///
ユウキ
- .......///
アスナ
- キリト君...私の事可愛い、って思ってた事あるんだ。
アスナ
- はわわ...どうしよう、いつも近くに居てくれる人にそう言われると照れちゃうな。
ユウキ
- ....私ね、現実の方でも頻繁にそんな感じの事言われるの。でも...それは私に媚びてるだけ。社交辞令の１つに過ぎないのよ。
アスナ
- アスナ...?
ユウキ
- でも彼の言葉はきっと....私達を本当に見てくれた上での言葉だからかな。安心する。
アスナ
- それはボクも同じだよ。キリトってサラッといい事言うからさー、こっちもおかしくなりそうだよね。
ユウキ
- あ、ユウキにアスナ。
キリト
- ちょうど良かった、2人に用があったんだ。
キリト
- え！？ボクらに用？
ユウキ
- な...何？
アスナ
- 明日は攻略を休んでさ、俺達3人でデートしないか？
キリト
- え
ユウキ
- うそ
アスナ
- その言葉は、攻略のためなら寝る間も惜しまないキリトの台詞にしては、あまりにも珍し過ぎた。
アスナ
- To be continued...
アスナ