ソードアート・オンライン 黒紫の英雄譚 第15話
物語は新たなる階層へ!新キャラも登場。そして...あの男の刃がキリト達に向く。
- せやぁぁぁぁ!!!!
キリト
- お見事。相変わらずソードスキルの精度すごいわね。
アスナ
- ボクだって負けてないからね!キリトとはもう1レベル差だし!
ユウキ
- あぁ。いよいよ俺の立ち位置が危ぶまれるぞ。
キリト
- キリトが攻略メンバーのリーダーに就任してから約1ヶ月が経過した。
キリト
- 現在、キリト達攻略メンバーが居るのはフィールド。骨系のエネミー狩りをしながらレベル上げをしている。
キリト
- しかし...攻略メンバーも増えてきたな。
キリト
- そして現在の階層は...第5層。
キリト
- かつて攻略は困難を極めていたが、第1層を突破してからは希望が見えてきたのか、攻略スピードも、戦うプレイヤーも多くなってきた。
キリト
- (第2層は8日、第3層と第4層は1週間で突破できた。ようやく攻略も軌道に乗ってきた...!)
キリト
- 現在のキリトのレベルは18。ユウキは17。アスナも17。この3人は攻略メンバーの中でも最もレベルの高いパーティーだろう。
キリト
- 装備も充実しており、攻略は安定しているといえるだろう。が、実は装備に関して問題が起きていた。今キリトとユウキの着ている装備は、2つとも同じなのだか、それは第1層のボスのラストアタック・ボーナスだ。それは本来最後にボスに攻撃したプレイヤーにのみ与えられる。キリトとユウキが2つゲットしている理由は不明のままだ。
キリト
- キリトがその後アルゴに相談したところ、1フレームのズレもなくボスに同時にラストアタックすれば攻撃したプレイヤー全員にラストアタック・ボーナスが入るのでは?と、言われた。ちなみに本来の服の色は黒だが、ユウキは黒色がかかった紫色に自分で変えた。
アスナ
- 今日はこんなもんじゃないかしら?あまり経験値入らなくなってきたわよ。
アスナ
- そうだな...これ以上このフィールドでは経験者効率はなさそうだ。
キリト
- 次のフィールドを解放したいところだけど、そろそろみんなの剣の耐久値がヤバいはずだぞ。
キリト
- うわっ!本当だ!気づかなかったよ!
ユウキ
- 私の細剣も。
アスナ
- 一旦戻るぞ。第5層が解放されてまだ3日だ。そこまで焦る必要はないさ。
キリト
- 第5層 カルルイン
キリト
- ふぅ...だいぶ5層にも人が来たわね。
アスナ
- 解放された層はみんな気になるんだね。
ユウキ
- さてと、まずはこの層にいる鍛冶屋を捜そうぜ。
キリト
- このゲームが始まってそこそこの時間が経ったし、プレイヤーの鍛冶屋も居るかもな。
キリト
- ...あそこじゃないかしら?
アスナ
- 本当だ。鍛冶屋のハンマー持ってる人いるね。
ユウキ
- ....ちょっと待て、あれプレイヤーだ!
キリト
- 本当!?ついにNPCによる強化から解放されるの?
アスナ
- やったぁ!これで失敗する確率も減るかな?
ユウキ
- ...熟練度が低い可能性もあるけど、あの人にしてみるか。
キリト
- あのー...すみません、武器のメンテナンスと強化をお願いできますか?
キリト
- え!?私?
リズベット
- そうだけど...取り込み中だった?
ユウキ
- いいえ!むしろ大歓迎よ!
リズベット
- なら、お願いできる?
アスナ
- ...嬉しいんだけどさ、一つ言わせて欲しいの。
リズベット
- 私...さっき担当したお客さんの武器を強化した時に、ハンマーが消えちゃって...今はオンボロのハンマーしかないの。NPCの鍛冶屋で強化した方がいいわよ。
リズベット
- いや!もうNPCの鍛冶屋は懲り懲りだ!
キリト
- 成功率は40%のはずなのに、俺なんか5回連続で強化を外したんだぞ!もうプレイヤーしか信じない!
キリト
- 落ち着いてキリト君。...鍛冶屋さん?そのハンマーってどうすれば手に入るの?
アスナ
- 最新のハンマーは、この間解放された第5層で素材を集めなきゃ作れないわ。さっきまで使ってたハンマーも、この世界を攻略してるプレイヤーの人に手伝って作ってもらったの。
リズベット
- だったらさ...今度は私達と行かない?私達も攻略プレイヤーでさ。レベルに関しては自信あるわ。
アスナ
- あ、それ名案!
ユウキ
- え!いやいや、お客様にそこまでして貰うわけには....
リズベット
- 一つ言いたいことがある。この先、鍛冶屋のプレイヤーは絶対に必要になる。君が強化を成功するたびに熟練度が上がる。熟練度が上がる事で、多くのプレイヤーの育成の手助けになるはずだ。
キリト
- 俺達を将来助けてくれる鍛冶屋なら、今アンタという鍛冶屋を俺達が助けるのは当然だろ。
キリト
- ....
リズベット
- (あれ?私泣いてる....)
リズベット
- (久しぶりに...優しくしてもらったから、驚いちゃったのかな?)
リズベット
- ごめんね...ありがとう!私はリズベットって言うの。
リズベット
- 俺はキリトだ(`・ω・´)
キリト
- (また女の子....)
ユウキ
- ボクはユウキだよ。
ユウキ
- 私はアスナ。よろしくね、リズベット?
アスナ
- ....なんか言いにくい。
キリト
- よく言われるわ。
リズベット
- よし!決めた。俺はリズって呼ぶ。
キリト
- そっちの方が友達みたいで楽しいしな。
キリト
- !!?
リズベット
- リズか...キリト君にしてはいいセンスね。私もそう呼んでいい?
アスナ
- 良いけど...変わってるわね貴方達。
リズベット
- もう言われ慣れたよ。
キリト
- で!どうするの?リズベット?ボクらのパーティに一時的に入る?
ユウキ
- そうさせてもらっていい?
リズベット
- うん!歓迎するよ。ボクもNPCの鍛冶屋にはうんざりしてるからね!
ユウキ
- ...最近ユウキの口が悪くなったな。俺のが移ったのか?
キリト
- それじゃあ早く行きましょうか!私達以外にも貴方を必要としているプレイヤーは居るはずよ!
アスナ
- ....うん!
リズベット
- 第5層 枯れ木の森
リズベット
- ここで素材が取れるはずなんだけど...
リズベット
- リズ。一応聞いておくがお前、レベルは?
キリト
- 13よ。鍛冶屋は場合によってはフィールドにも出るからレベル上げは欠かさないわ。
リズベット
- 5層でモブ狩りをするにはまぁ、それいくらいのレベルがあれば十分か。
キリト
- 意識して攻略してるわけじゃないのにレベルはまぁまぁ高いね。
ユウキ
- 死ぬのは嫌だもの。それはみんな同じでしょ?
リズベット
- まぁな。
キリト
- ....ところでさ。
キリト
- さっきから1人静かな人が居るけど、体調悪いの?
キリト
- ........ハッ‼︎べ、別に体調悪くないわ!ちょっとぼーっとしてただけよ!べ、別に怯えてないからね!
アスナ
- (この周辺で怯えるポイント...この暗さか?もしくは...)
キリト
- なぁアスナ?幽霊とか苦手だってりすr...
キリト
- 嫌ァァァァァァ!!!その名前を口にしないでぇぇぇぇぇぇ!!
アスナ
- 無理無理無理無理ィィィ!この層は確かに全体的に薄暗かったけど、こんなの聞いてないわよぉー!
アスナ
- アスナ...可愛いね。
ユウキ
- オバケが苦手だなんて、すごく乙女っぽいね。
ユウキ
- その...アスナさん?この層はボス直前までは幽霊やら死体やらのアストラ系のモンスターがうじゃうじゃ居るんですよ?...大丈夫か?
キリト
- 私は後衛に居る...幽霊系のモンスターはキリト君とユウキで倒して。
アスナ
- なんかごめんね。私のせいで...
リズベット
- いや、この層を攻略する上では避けては通れない道だ。
キリト
- アスナ...頑張ろう!
ユウキ
- ハイ...
アスナ
- (....しかし、リズが使ってたハンマーってこの層で作られたんだよな。この層が解放されて3日なのにそんなに使って3日ですぐ壊れるハンマーってあるか?一日中叩いてても3日で壊れるとは考えにくいぞ。)
キリト
- (...何かあるな。まだ分からないが、リズのハンマーが壊れた理由が。)
キリト
- キリトの読みは正しかった。このリズベットという鍛冶屋には、この世界に潜む悪意が迫りつつあったのだ。
キリト
- .....
ジョニー・ブラック
- (あの鍛冶屋...それに黒ずくめのあの男...)
ジョニー・ブラック
- いいねぇ!獲物がわざわざこっちの領域に来てくれるとは!自分、ツイてるんじゃなーい!?
ジョニー・ブラック
- 枯れ木の森 内部
ユウキ
- (...近くに誰かいるか?)
キリト
- (妙な殺気を感じた...)
キリト
- (ユウキとアスナとリズに伝えるべきか?)
キリト
- キリト君!何してるの!?早くあの幽霊倒してよ!
アスナ
- あっすまん!(気にしすぎか。)
キリト
- (アスナ...気付いてないんだね。キリトが怖い顔してる時は、大体ボクらの身の安全を考えてるんだよ。)
ユウキ
- (でも...キリトは強いけど、だからこそ心配だよ。)
ユウキ
- (その強さで...誰かを守れる強さで無理はしないでね。)
ユウキ
- ユウキ!聞こえてるか!?俺にモンスター5体のタゲが向いてるから!めっちゃ見られてるから!助けてくれよぉ!
キリト
- ご、ごめんキリト!今助けるね!
ユウキ
- 仲の良い人たちね。
リズベット
- デショ?ワタシモジツハ、アノフタリノナカガイイトオモッテルノヨネ。
アスナ
- アスナ...?声が大変な事になってるよ?
リズベット
- くぁwせdrftgyふじこlp
アスナ
- ふぅ...危うくこんな所で死ぬ所だった。
キリト
- ごめんね、キリト。考え事してて。
ユウキ
- ...フィールドで考え事は危ないから今度からは少なめにな。
キリト
- はーい。
ユウキ
- 2時間後...
ユウキ
- まさか...素材を集めてたらこんな事になるとはな。
キリト
- うん。予想不可能だね、これは。
ユウキ
- ......
リズベット
- あれってさ...
アスナ
- これは...第5層の迷宮区だぁ。今までで1番早く見つかったな。わずか3日だ。
キリト
- 多分、知らず知らずの内に迷宮区への最短ルートを歩いちゃってたんだね。
ユウキ
- これってさ...すごい事よね。私でも分かるわ。
リズベット
- ねぇキリト君!さっさとこの層を突破しない!?1秒でも早く!
アスナ
- アスナさん?このメンバーで勝てるわけないでしょう。
キリト
- 分かってるわよ!気持ちの問題!
アスナ
- ねぇ、キリト?確かβテストで8層のボスまでは戦ったことあるんだよね?第5層のボスってどんなの?
ユウキ
- 名前は確か...《フスクス・ザ・ヴェイカントコロッサス》だ。
キリト
- フスクス・ザ・ヴェイ...なるほどねー。
ユウキ
- 相変わらずこの世界の敵の名前は長いわね。
アスナ
- 詳しい情報はここじゃなくて街で話すよ。リズの素材も、目標値まで集まったんだろ?
キリト
- うん。手伝って本当にありがとうね。皆んなの武器は、私が必ずピッカピカに仕上げるから!
リズベット
- じゃ、主街区に帰ろうか。
ユウキ
- えぇ!早く安全地帯に帰りましょう!
アスナ
- アスナ...本当に怖いんだな。
キリト
- そうしてキリト達が帰ろうと帰路に着こうとした時、
キリト
- オイ!オイオイオイオイ!どこにいくんだよ、俺の獲物ォ!
ジョニー・ブラック
- !?
キリト
- そこに現れたのはフードを被った男。片手にはナイフを持っている。
ジョニー・ブラック
- 誰!?
アスナ
- オイオイ!あんたには用はねえよ!用があるのは、そこの黒い剣士と鍛冶屋の女さ!
ジョニー・ブラック
- ....リズベット。下がって!
ユウキ
- わ、分かった!
リズベット
- なんだよぉ〜水を差してくれるな!
ジョニー・ブラック
- ないよ!マジお前ないよぉ!
ジョニー・ブラック
- (カーソルがオレンジ!?...犯罪者プレイヤーか!)
キリト
- ユウキ!アスナ!リズを連れて、お前達は下がってろ!
キリト
- 何言ってるのキリト!
ユウキ
- そうよ!貴方はどうする気?
アスナ
- 良い判断じゃな〜い?丁度アンタに用があるんだよ!黒ずくめヤロー!
ジョニー・ブラック
- ....誰だお前。
キリト
- 俺の名ァ?ジョニー・ブラックだよぉ!今からお前を殺すから!覚悟しとけよぉ?
ジョニー・ブラック
- 突如現れた犯罪者プレイヤー、ジョニー・ブラック。彼の目的とは?
ジョニー・ブラック
- To be continued...
ジョニー・ブラック