ソードアート・オンライン 黒紫の英雄譚 第6話
今回は新キャラの登場です!予想外のキャラが出ると思います。メインヒロインに出番はありません。次回に期待してください!
- ふぅ...こんなもんか?
キリト
- (デスゲームが始まって今日で3日目。ユウキとの再会の約束まで後1日。俺のレベルは狂ったようなレベリングの末、12に達していた。自惚れている訳ではないが、全プレイヤーの中でも早い方だと思う。)
キリト
- (SAOのボスは階層 10のレベルがあれば適正レベルと言われている。つまりこの階層は11レベルあれば即戦力なのだが...デスゲームとなったこの世界では安全の先も考慮しておかなければとてもじゃないがボス戦には挑めない。)
キリト
- もうこれ以上やると武器の耐久値が持たないな。
キリト
- 鍛冶屋にも行かないと...
キリト
- (....ついでに、はじまりの街の状況を確認でもしてくるか。)
キリト
- 第1層 はじまりの街
キリト
- ...1日宿屋で過ごして、次の日はダンジョンで徹夜。はじまりの街には2日いなかった訳だが....
キリト
- これはひどいな。
キリト
- チクショウ‼︎ナンデコンナコトニ⁉︎
モブプレイヤー
- 諦めるな!ログアウト方法がまだある筈だ!
モブプレイヤー
- おい!またプレイヤーが飛び降りたぞ!
モブプレイヤー
- この世界を破壊してやる....
モブプレイヤー
- 嫌ァ!なんでみんな私にハァハァ言うんですか!やめてください!
シリカ
- 全く....ロリは最高だz
モブプレイヤー
- お前さぁ....同志か!
モブプレイヤー
- 通報しました。
モブプレイヤー
- (やはりプレイヤーの殆どが正常な思考を保てていないな...こんな幽閉された世界じゃ無理もないが...)
キリト
- (しかも、プレイヤーが飛び降りた!?自殺をするプレイヤーもいるのか。...全く考えていなかったと言えば嘘になるが、あって欲しくは無かったぞ。)
キリト
- 人が固まってるところがある。あそこから飛び降りたのか?
キリト
- ....性格が悪いかもしれないが、近くの人に聞いてみるか。
キリト
- すまない....何が起きたんだ?
キリト
- うっ....ぐすん...
ユナ
- ふぇ?ごめんなさい...ちょっと..衝撃的で...
ユナ
- (人が死んだ所を見たら辛いよな...不謹慎な事を聞いてしまったか..。)
キリト
- ごめん。悲しいよな。無理して答えなくて良いから。
キリト
- いえ、良いの。あなたここで起きた事を知らないって事は外に出てたの?
ユナ
- まぁ...そんなとこだ。さっき帰ってきたんだよ。
キリト
- す、すごーい!エーくんと同じでゲームクリアの為に頑張ってるんだね!
ユナ
- エーくん?誰?
キリト
- エーくんはね、私に命を危険に晒して欲しくないから私の代わりに戦ってくれてるの...
ユナ
- お金も食べ物も私は貰ってばっか。助けて貰ってばかりで本当に悪いとは思ってるよ。
ユナ
- でもエーくんは私の為に毎日頑張ってくれてるんだ。本当に優しいんだよ。
ユナ
- (...そうか、ゲームクリアだけを目指すんじゃなくて、誰かのために代わりに戦うなんてプレイスタイルもあるのか..。)
キリト
- 多分もうそろそろ帰ってくると思うんだけど....
ユナ
- そういえば、ここで起きた事知りたかったんだよね?
ユナ
- いや、だから無理して話さなくて良いって!
キリト
- うんうん、真面目に戦ってる貴方みたいな人には知っててもらいたい。
ユナ
- 私が見かけたのは割と最初から。飛び降りちゃった人はパーティメンバーを失っちゃったんだって。現実でも友達...いや、付き合ってたんだって。
ユナ
- レベル上げ中に死にそうになったのを庇う形になっちゃったみたい。
ユナ
- 周りの人は必死に止めてたけど、結局.....
ユナ
- .....もういいよ。大体分かったし。
キリト
- 私達にも有り得ない事じゃないってことに気づかされちゃった。
ユナ
- 現実でも仮想世界でも、私達が今こうして生きてる事は当たり前じゃないんだね。
ユナ
- 私も...エーくんがすごい心配になっちゃって、今すごく辛いんだ。もし私のせいで...エーくんが死んじゃったらどうしようって。
ユナ
- 君は....エーくんって言う人に助けて貰ってばかりって言ってたよな?...俺はそれが別に悪いこととは思わないよ。きっとそのエーくんっていう人は、君のことが自分と同じ...いや、きっとそれ以上に大切なんだ。そうじゃなきゃこんな世界で誰かのために戦えないさ。
キリト
- 君が心配するのも分かるけど、心配する前に、否定する前に、彼の意思を汲み取ってあげてやったほうがいい。
キリト
- この世界では精神面でも生存率が大きく左右される。だから...信じてあげればいいんじゃないか。彼を。エーくんっていう人を。
キリト
- ありがとう...何か不思議な人ね。見ず知らずの私を励ますなんて。
ユナ
- 言ってなかったわね。私の名前はユナ。
ユナ
- 俺はキリトだ。
キリト
- キリト....なんか不思議と安心する響きね。
ユナ
- 例えるなら....ヒーリングミュージック?
ユナ
- 俺の名前って一体...?
キリト
- アハハハ!ごめんなさい!
ユナ
- まぁいいや。俺はそろそろ行かなきゃ行けない。
キリト
- もう攻略に行くの?
ユナ
- いや、鍛冶屋に行って武器の強化だ。でも明日にはまた攻略に行くさ。
キリト
- そう。じゃあここでお別れね。エーくんに伝えておくわ。面白くて、とっても優しい、エーくんの次にカッコいい人に会えた、って。
ユナ
- そうか。今度エーくんとやらに俺も会ってみたいな。
キリト
- うん!またねー!
ユナ
- さよならの挨拶を交わすと、キリトは鍛冶屋のある方角へ向かった。
ユナ
- にしてもエーくん遅いなぁ.....
ユナ
- 寂しいよ。早く帰ってきて...。
ユナ
- お望み通り、今帰ったよ。
ノーチラス
- わぁ!!?エーくん!お帰り!遅かったね!?
ユナ
- ごめんな....狩り自体はすぐ終わったんだが、途中でプレイヤーに会って、そのプレイヤーと色々あって....。
ノーチラス
- ほら、今日もコル稼いできたから、これはユナの分ね。
ノーチラス
- ......ねぇエーくん。
ユナ
- どうした?
ノーチラス
- もう私、逃げるだけの私は嫌なの。エーくんにばかりに苦労させたくない...。明日から私も戦うから!
ユナ
- な、何言ってるんだよユナ。君を危険に晒したくないんだって前に言ったろ?
ノーチラス
- 私も!
ユナ
- え...?
ノーチラス
- エーくんを危険に晒したくないの!そばにいてあげたいの!一緒に戦おう?私がエーくんを守ってみせるから!
ユナ
- ユナ.....
ノーチラス
- お願い、エーくん。私を信じてくれない?
ユナ
- .....分かったよ。ユナ。君の頼みだしね、僕は受け入れる。明日から少しづつ、ゆっくりでいいから一緒に戦おう。
ノーチラス
- ....!ありがとう!エーくん!
ユナ
- あ、そういえば聞いて聞いて!エーくんが帰ってくる前にね、凄い人が居たんだよ!エーくんの次にカッコ良かった!デスゲームクリアのために毎日戦ってるんだって!
ユナ
- ......ちなみにその人、男?
ノーチラス
- うん。男の人だったよ。エーくんと年もそこまで離れてなかった気がする。
ユナ
- ..........
ノーチラス
- どうしたの?エーくん。顔色悪いよ?
ユナ
- 今度そのプレイヤーに会ってみたいな...。
ノーチラス
- (ユナの言う事を信じる限り悪い奴ではないんだろう....でも何故かソイツとは仲良くなれない気がする....。)
ノーチラス
- うん!会えるといいね!
ユナ
- この世界で戦う者は少ない。が、居ないわけではない。この2人のように支え合いながら戦うプレイヤーも居るのだ。
ユナ
- (それにしても、帰りの途中で会ったあの女の子のプレイヤー、随分思い詰めてたな。一応相談に乗ってあげたけど....どうなる事やら。まぁ僕に出来ることは限られている。このデスゲームをクリアして、ユナを必ず助け出す...!それだけが僕のこの世界での使命なんだ!)
ノーチラス
- To be continued...
ユナ