ソードアート・オンライン 黒紫の英雄譚 第3話
今回から完全IFストーリーです。キャラ崩壊はまぁかなりしてます。今回はギャグ多めにしたので次回は少し真面目な話を入れたいと思います。全体的にこの物語はギャグとシリアスを半々で入れたいです。
- (.....妙だな)
キリト
- まだほぼ全てのプレイヤーは転移門広場にいるはずだ...なのに広場からかなり離れているこの周辺のモンスターの湧きが異常に悪い...。他の誰かが大量に倒したからか?
キリト
- (人の気配は無いな...もう宿にいるのか?)
キリト
- (今から狩場で粘っても効率はあまり良くないかもしれない...)
キリト
- (もうすっかり夜だし、俺も無理せず軽くレベリングしたら今日は休もうかな)
キリト
- (俺より先に広場を出た奴がいるのか? だとしたらほぼ間違いなくβテスト経験者に違いないな。出会って何事もなければいいが...こんな状況だからな。何が起こってもおかしくはない。...警戒しておこう。)
キリト
- さて、ようやく村に到着っと
キリト
- キリトは知らなかった。今日ここで、この世界における運命の出会いが起きる事を。
キリト
- (.....張り裂けそうだ)
ユウキ
- (ボクの姉ちゃんはもうすぐ入院しなきゃいけないほど自分の身体が弱っているのが分かっているはずなのに、ボクのためにSAOとナーヴギアを用意してくれた)
ユウキ
- (ボクだけは無事に退院できたからそのお祝いだって。)
ユウキ
- (ボク自身も完全なる仮想世界に興味があったし、貰った時は大きな声が出るほど喜んだ。)
ユウキ
- (でも、姉ちゃんがそこまでして手に入れたプレゼントは、こんな意味不明なゲームになってしまった)
ユウキ
- 信じられないよ....本当にさ
ユウキ
- (信じたくはない。が、いつまでも駄々こねてはいられない。少なくとも今自分がするべきことは、生き延びることだけ。そう考えていたら自分はすでにフィールドに出ていた。覚えたての動きでひたすら通り道の敵を薙ぎ払って、気づいたらこの村に着いた。本当に運が良かったと思う。)
ユウキ
- あれ?ボク、泣いてるのかな?どうしたんだろう?....どうして...かなぁ?
ユウキ
- .....あれ?ボク以外に足跡が聞こえる...。誰?
ユウキ
- 彼女の名は、ユウキ。キリトと同じくこの世界に閉じ込められたプレイヤーの一人。そして彼女も今日ここで、運命の出会いを果たすこととなる。
キリト
- (参ったな...)
キリト
- キリトはひたすら困っていた。村を軽く散策していたら例のプレイヤーを運良く発見したものの、そのプレイヤーは少女。たたでさえコミュ障であるキリトにとって女の子に話しかけるというのは至難の業。おまけにその子は急に泣き始めてしまった。こうなってはキリトは隠れる他ないのである。
キリト
- (ただ女の子に話しかけるならまだしも、泣いてる最中とくれば、俺に何ができる!?ギャグでも言って和ませればいいのか!?)
キリト
- 〜妄想〜
キリト
- やぁ☆そこのガール!大変だよねぇこんなことになっちゃってさ!デスゲームとかさ、頭おかしくなりすぎて内臓がないぞーとか言っちゃいそうだよwww
キリト
- .......
キリト
- .....
キリト
- (いやこれダメだ!俺でも分かる!これはダメだ!)
キリト
- (てか、俺のギャグってこんなにくだらないのしかないのか!?我ながら1番ショックだぞ!)
キリト
- 何が内臓がないぞーだよ!仮想世界なんだからある訳ないだろ!マジレスするなよ!
キリト
- ....じゃなくて、自然に話しかけるには....
キリト
- 妄想
キリト
- どうして泣いてるんだ?悲しいのか?辛いのか?寂しいのか?....だったら、俺に話してみろよ。俺がお前の涙の数だけお前を満たしてやるよ...
キリト
- .....
キリト
- .....
キリト
- いけるか!?いけるか!?........いや無理ィィィィ!!
キリト
- あのー...
ユウキ
- ギャルゲーやりすぎたか!?女の子への普通の話し方を忘れている!どうすれば良い?考えろ、頑張れ俺!頑張れぇぇ!!
キリト
- 冷静に考えろ!女の子が泣く理由は星の数ほどあるが、この状況下で泣く理由なんざただ一つだ!そう!寂しさに決まってる!だったら、ここの正解は...
キリト
- もしもーし?
ユウキ
- .....寂しいのか。わかるよ。この世界に来た奴は皆んなそうだと思うよ。現実が恋しくなる。そのために俺たちは前に進んでこのゲームを終わらせなければいけないんだ。でもさ、もし耐えられないならその寂しさを俺が埋めてやるよ...
キリト
- (//・_・//)カァ~ッ…
ユウキ
- うん!完璧だ
キリト
- あのー.....
ユウキ
- はい!なんでしょu....
キリト
- ......
ユウキ
- ......
キリト
- ど、どうもー
ユウキ
- ......
キリト
- (さっきよりめっちゃ近くに居る!やばい!彼女がこっちに気づくこと全く考慮してなかった!不覚!)
キリト
- (聞かれてたか...?聞かれたないよな。そうだよな!)
キリト
- (でも、すんごい顔真っ赤だぞこの子....今の聞いてたのかもしれん。 いや、ひょっとしたら俺と同じで極度のコミュ障なのかもしれん!)
キリト
- (よし!)
キリト
- あのー...大変恐縮ですが、いつからそこへ?
キリト
- ギャルゲーがどうのこうのって所からです....
ユウキ
- \(^o^)/
キリト
- (ヤベェぇぇ!!!聞かれてた!しかも心の声漏れてたァァァ!)
キリト
- ぼ、ボクは確かに今ものすごい心が寂しいんです...。家族はボクを残して行ってしまって、唯一残ってくれたお姉ちゃんも身体が少しづつ弱くなってきて....それでもボクのために全力を尽くしちゃうような優しい姉なんです...
ユウキ
- そのお姉ちゃんのそばにいられないのが寂しい。お姉ちゃんがそばにいないのが寂しい。
ユウキ
- ....なので!ずっととは言わないです。今日だけでいいから、ボクの寂しさを満たしてくれませんか?
ユウキ
- .......
キリト
- (ヤベェぇぇ!この子即堕ちした!今俺のやってることは満場一致でただのナンパだ!!しかもこの子よく見たらめっちゃ可愛い!)
キリト
- (クソ、どうするキリト!桐ヶ谷和人!このままベッドインするのは正直難しくない。だが!デスゲーム開始初日で見知らぬ女の子とベッドインなんて、はっきり言って糞男だぞ!誠◯ね案件だぞ!)
キリト
- (だが、ここで否定したら彼女はさらに傷つく!そんな事態になれば、下手すれば自ら命を絶つことも考えられなくはない!....そうなるくらいなら!)
キリト
- ....あぁ。出会ったばかりで信頼できないかもしれないけど、君の寂しさは、俺が満たしてやる。今日だけでいい。信じてくれるか?
キリト
- .....はい。
ユウキ
- (これで俺は糞男だな。明日背中から刺されても文句は言えない。)
キリト
- (母さん...スグ...ごめんなさい。心配してくれてるよな。泣きたいよな。ごめんな。そんな中俺、今日初めて会った女の子と一波乱あります。)
キリト
- キリトが不意に漏らした心の声がユウキの心に届く!しかし、それはキリトにとっては大波乱だった。彼は本当にデスゲーム初日で致したしまうのか!?
キリト
- 運命の出会いとは、必ずしもロマンティックとは、幻想的とは限らないのだ。
キリト
- To be continued...
キリト