鳥のうた「始まり」悲願の花
笹神千世ちゃんと八尋ゆきひとくんの魂のお話し。
- (笹神千世は彼岸花が咲き広がる場所、大きな岩がありました。そこに笹神千世の魂はおりました。)
千世ちゃん
- (笹神千世はもうずいぶんとここにおりました。)
千世ちゃん
- 私はずっとここにいる…(少し悲しいのか涙を流しているようだ…)
千世ちゃん
- (ずっとそこにいた笹神千世の魂の前に1人の少年が現れた。)
千世ちゃん
- (少年は赤く赤く燃える色をしていた。少年は何も言わずに刀で彼岸花を切っていった。)
ゆきひとくん
- (そして全ての彼岸花を切って、その刀は刃先から火を放ち、全ての彼岸花を燃やしていった。)
ゆきひとくん
- 「悲しいだけの花なんて…僕が燃やしてあげよう」
ゆきひとくん
- 私は…どうすればいいのだろう…でも、これで私は願い待つだけの花の子ではなくなった…
千世ちゃん
- そうだ、ここから出て行こう…生きよう…あの人を信じてみよう…
千世ちゃん
- (赤い赤い少年はどこかへ行ってしまった。)
ゆきひとくん
- (赤い赤い少年の落とした羽根を頼りに、この、大きな祭られた岩から少女は離れていった。)
千世ちゃん
- 笹神千世は現世で今、決意の赤い髪飾りをつけて心に決めたことがあった。(語り手)
千世ちゃん
- 私はあの少年へ恩返しをしたい。あの少年のことがとても心から気にいったのだ。だから…彼に恩返しをしたいのだ。(語り手)
千世ちゃん