春夏秋冬 月代編 帰宅
- 体育館前
A
- おーい、史緒里〜
A
- あれ?Aも部活終わったの?
久保史緒里
- そうそう、だから一緒に帰ろうぜ
A
- いいよ、帰ろう
久保史緒里
- 夕闇に染まったいつもの道
今朝、あれだけ気になった影も
周りの暗さのせいか、あまり気にならない
久保史緒里
- A、凄かったね
ダンク決めちゃうなんて
久保史緒里
- あれ?見ててくれたの?
A
- ぶら下がっているとこだけ見たよ
久保史緒里
- じゃあ史緒里が試合
見に来てくれたら、
本番でもできるように
しないとな
A
- ふふっ
久保史緒里
- それにしても、A、
クラスでも大人気だったね
久保史緒里
- スポーツできるし、英語話せるから
絶対モテるねって綾乃が言ってたよ
久保史緒里
- ん?綾乃?
A
- あ!綾乃は私と仲良い子!
今日話してたの見なかった?
久保史緒里
- あー、あのおっとりしてそうな子か
A
- そうそう笑
久保史緒里
- 綾乃がAのこと、
ハイスペックすぎる
って言ってたよ
久保史緒里
- そうかー?
A
- ちょっとニヤついてるじゃん笑
久保史緒里
- あ、バレた?笑
A
- そうこうしている内に、Aの家に着いた
A
- じゃあ、また明日ね!
久保史緒里
- おう!また明日!
A
- Aの家
久保史緒里
- ただいまー
A
- おかえり〜
A母
- あれ?史緒里ちゃんは?
A母
- さっき家の前で別れて、帰ったよ
A
- ばか!こんな遅くに女の子を
一人で帰らせちゃダメじゃない!
A母
- 送って行きなさい!
A母
- えぇ〜?
A
- 今すぐ行かなきゃ
晩飯抜きにするよ!
A母
- わかったよ
行ってきまーす
A
- 一方、その頃…
A
- (やっぱり、Aと話すのは楽しいなぁ)
久保史緒里
- (でも、Aに彼女が出来たら…)
久保史緒里
- (でも、私じゃ無理だよね)
久保史緒里
- 基本的にネガティブ思考の史緒里
Aが引越す前から、Aのことが好きなのだが、
案の定、諦めている
A
- すると…
A
- おーい!史緒里!
A
- え!A!?
久保史緒里
- どうしたの?
帰ったんじゃないの?
久保史緒里
- お袋がお前のこと送って行けって
A
- 別に大丈夫なのに…
久保史緒里
- お前送らないと、俺晩飯抜きになるから、一緒に帰るぞ
A
- ふふっ
わかった、じゃあお願いしようかな
久保史緒里
- 突然、Aと帰ることになった史緒里
A
- 相変わらず、Aのお母さんは
心配性だね
久保史緒里
- 世話焼きなんだよ
A
- Aも何も変わってなくて、安心した
久保史緒里
- そうか?
A
- うん、こうやって変わらずに
喋ってくれるしね
久保史緒里
- 史緒里も相変わらずだけどな
A
- そう?
久保史緒里
- 5年も経てば変わるもんだと
思ってたけどな
A
- そうだね
久保史緒里
- そんな話をしている内に、史緒里の家に着いた
久保史緒里
- 今日はありがとう
また明日ね
久保史緒里
- おう、また明日
A