つがいの雀
中途半端 インスタnogi_ramuda
- 私の気になる人
生田絵梨花
- その人は少し変わっていて
生田絵梨花
- いつも遅刻してくる
生田絵梨花
- ボサボサに跳ねた寝癖
生田絵梨花
- 虚ろな両目
生田絵梨花
- それは今日も…
生田絵梨花
- 遅刻しちゃってごめんなぱい
- 「また遅刻か…」
- 「いい加減に……」
- あ~はいはい
- そんなに何回も言わないでくだぱい
- 「ったく」
- ふふ
生田絵梨花
- 「早く席に着きなさい」
- はいは~い
- クスクスと笑い声が聞こえた
- おっす、おはよ
- ドカッと椅子に座り顎を突きだし前を見る
- お、おはよ……
生田絵梨花
- 雰囲気は少し怖いけど面白い人なの
生田絵梨花
- 「〇〇、お前」
生田絵梨花
- はい?
- 「お前いつから鳥…いや雀使いになった?」
- あ
生田絵梨花
- ちっバレたか
- ほら出てこいよ
- トントンと着崩した制服の胸ポケットを指で小突く
- チュンチュンと鳴きながら頭を出す小さな雀が一羽、二羽、え?
- えっ?
生田絵梨花
- 「え……」
生田絵梨花
- ありゃ、お前いつの間に?
- 二羽目はボサボサの髪の毛の中から
- 「いやお前の胸ポケットにもいたのか」
生田絵梨花
- え、気付いてたんじゃないんすか?
- 「気付いてたのはお前の髪の毛の中の一羽だけだよ」
- 二羽の雀は彼の頭上を飛び回り肩へと止まり互いに毛繕いを始める
- もしかして
生田絵梨花
- ??
- 付き合ってるんじゃない?
- 誰かがそう言った
- 最近噂になってるの
生田絵梨花
- つがいの雀は恋を実らせる
生田絵梨花
- ふーん
- つがい、ねぇ…
- 二羽はまた頭上を飛び始めた
- そして私と彼の机に一羽ずつ
- えっ!!!
生田絵梨花
- 「おぉ…これはこれは……」
生田絵梨花
- クラスのざわつきが煽りに変わる
生田絵梨花
- 噂ねぇ…
- ………///
生田絵梨花
- 実話になるかもな
生田絵梨花
- 誰かが言った
生田絵梨花
- その誰かはもう目に見えていた
生田絵梨花