なでしこでも分かる!SCP!Part.0
リンちゃんがなでしこにSCPを解説するSSです。長くなりそうだったので概要のみ。次回からSCPを解説していきます。
- リンちゃーん!
なでしこ
- なでしこ。図書室では静かにしろ
リン
- ご、ごめん……
なでしこ
- まぁ今私しか居ないんだけどな。
部活はどうしたんだ?
リン
- お休み!
ここならリンちゃんいるかなって思って!
なでしこ
- 暇ってことか
リン
- えへへ〜……
なでしこ
- なんで照れてるんだよ
リン
- 何読んでるの?
なでしこ
- これか?SCPの解説本だな。
リン
- えすしーぴー?
なにそれ?
なでしこ
- …………なでしこ……
リン
- ……え?どうしたのリンちゃん……
なでしこ
- 誰にも口外しないと、誓えるか……?
リン
- え?……え?
なでしこ
- これから話すのは、世界から秘匿された真実だ…
リン
- え、えぇ?!
なでしこ
- もし、私たちがこれを知ってしまった事が奴らにバレたら…
リン
- バレたら……?
なでしこ
- 消される
リン
- 消されちゃうのぉ?!
なでしこ
- フフフ……
リン
- り、リンちゃん……怖いよぉ……
なでしこ
- っていう設定
リン
- 設定なの?!
なでしこ
- 当たり前だろ。
本当にそうなら私はとっくに消されてる
リン
- なんだぁ……
なでしこ
- SCPっていうのは
世界で発見された不思議で奇怪な物や生物、場所や現象などなどを
『確保(Secure)』
『収容(Contain)』
『保護(Protect)』
する事を目的とした組織『SCP財団』がそんな不思議な物品たちを取り扱うための説明書を作って管理している、っていう設定で書かれたオカルト的創作小説の総称だ。
リン
- えっと……つまり、その、どういうこと?
なでしこ
- まぁ簡単に言うと本当は存在しない魔法のアイテムとか怪物とかそういうものの扱い方や危険性を妄想していくこと自体が目的の遊びってこと
リン
- へぇ〜、なんとなくわかったような…わからないような…
なでしこ
- 結構面白いよ。本当は存在しないって前提で語られるから怖がる必要もない。
リン
- ……リンちゃんって、結構怖がりだよねぇ
なでしこ
- なっ……!なでしこだけには言われたくないっ!
私はこういうオカルトが得意なんだよ!
リン
- えぇ〜…でも四尾連湖の時は…
なでしこ
- う、うるさいっ!あれは違うの!
あの時はなでしこの方が怖がってたじゃん!
リン
- えへへー……
なでしこ
- だからなんで照れるんだよ
リン
- それは、難しいの?
なでしこ
- まぁ文章が独特だから取っ掛かりは難しいかもしれない。私も最初は何が何だかだったし。
でもその、なでしこが知りたいなら、私が色々教えてあげる……けど……。
リン
- ほんと?!
なでしこ
- リンちゃんの好きなもの、私もよく知りたい!
なでしこ
- (こいつはなんでそんな恥ずかしいことを平気で言えるんだ……)
リン
- わかったよ。
SCPはとにかく沢山あるから基本的には通し番号をつけて番号で呼んでるんだよ。
SCP-173とかそういう感じで
リン
- なんか昔見たロボットの映画みたい。
なでしこ
- あぁそうそう、そういう感じ。
物とかはいいけど生き物とか、たまに私たち人間と全く同じ感情や意識を持ったSCPも居るから番号だけで呼ぶのはちょっと可哀想なんだけど、まあそれはそれとして。
リン
- SCPの取り扱い説明書にはその番号の他に外観(写真がないものもある)、通称(番号以外でそれがなんと呼ばれてあるか)、収容方法や取り扱い方、その他概要が書かれているんだよ。ここら辺は、まあ実際に見てもらった方がわかりやすいかも。
リン
- ふんふん
なでしこ
- そしてこれが重要なんだけどそれぞれのSCPには『オブジェクトクラス(OC)』っていうものが与えられてるんだよ。
ざっくり言っちゃうとそのSCPが『どれくらいヤバいか』によって大きく3つのクラスに分けらてる。
リン
- このえすしーぴーは強いよーとか弱いよーってこと?
なでしこ
- 厳密には違うんだけど……まぁ今はそれぐらいの認識でもいいかも
リン
- それでその3つっていうのは
Safe(セーフ)
Euclid(ユークリッド)
Keter(ケテル)
上から下になるほど扱い方が大変になっていくんだよ
リン
- セーフはなんとなく言葉でわかるけどゆーくりっどとけてる?は初めて聞いた単語だよ。なんか明日には忘れちゃいそう……。
なでしこ
- それがハマると忘れられなくなるんだよ。
Keterなんて普通の人はまず読めないけどSCPにハマった人たちにとっては常識になっちゃう
リン
- へぇー
なでしこ
- Safeは財団が取り扱い方をしっかりと確立していて安全に管理が行き届いているものだと『判断したもの』につけられるクラスで、扱い方さえ誤らなければ財団や世界が危機に晒されることはないクラス。
よく勘違いされるんだけど、純粋に安全なものものっていう意味ではなくて、例えばちゃんと管理されて暴発しないものならそれがどんなに広い範囲に影響を与えるミサイルや爆弾であっても財団の基準ではSafeになるんだよ
リン
- Euclidはそれに対して扱いに手を焼いていたりしっかり安全性が確立されてないものの中でKeterほど危険ではないものに付けられるクラス
リン
- Keterは一番単純で財団の手に負えなかったり、収容がそもそも難しかったり、世界が滅んでしまうぐらい危険なものに付けられるクラス
リン
- セーフの『判断したもの』ってわざわざ強調して言ったのはなんで?
なでしこ
- それはこのオブジェクトクラスは日々更新されていくからだね。
なんの害もなく安全だと思ってたら実は人類を滅ぼしかねないぐらい危険だったりした事が「後から発覚する」場合があるんだ。
リン
- それ、怖くない……?
なでしこ
- うん、めっちゃ怖いよ。
どこの誰が作ったのかはっきりしてる機械とかとは違ってどこでどう生まれたのかもわからないものだからどうしてもそういう認識間違いが発生してしまうんだ
リン
- 逆にすごい危険だと恐れていて実際研究してみたらなんて事ないものだった。って判断したらKeterやEuclidがSafeになることもありえなくない。
リン
- 作り話なのに、すごい凝ってるんだね
なでしこ
- だから面白いんだよ。調べれば調べるほど出てくるし、今も世界中の人間が新しいSCPを生み出してる。SCP財団っていう共通の世界観を共有したRPGゲームを作ってるみたいなものだからね。
ちなみに世界中っていうのは誇大表現じゃなくて実際日本には海の向こうから渡ってきた文化だから本当に世界中でいろんな言語で作られてる。
リン
- ワールドワイドだね!
なでしこ
- 最初は海外で作られたものを有志の人たちが日本語に翻訳して、それを読んで楽しんでたんだけど、それだけじゃ面白くないからってそのうち日本特有のものを日本人が日本語を用いて作り出していくようになって、そういうSCPには番号の後にJPってつくようになってるんだ。日本国内で発見されたものが多いね。
リン
- そんなに多くの人がハマってるなら面白いんだろうねぇ…
なでしこ
- OCだけど、実はこの3つ以外にも例外として他のものがあるんだけど、まぁいきなりたくさん詰め込んでもわけわからないだろうし、それはそのSCPを紹介するときに教えるよ。
リン
- わかった!
なでしこ
- とりあえず、
リン
- ん?リンちゃん、どうしたの?
なでしこ
- チャイム、聞こえなかった?
下校の時間だぞ。
リン
- えぇー!今からやっと話が始まる所だったのにぃー!
なでしこ
- まぁ、いいじゃん。また明日話してあげるよ。それに……
リン
- それに?
なでしこ
- い、いやなんでもない!図書室閉めるから!帰り支度して!
リン
- (明日もこうやってなでしこが図書室に来てくれるなら、嬉しいなって思ったけど、そんな事絶対言えない)
リン
- うん!わかった!リンちゃん!一緒に帰ろ!
なでしこ
- うん、いいよ。
リン