【オリジナル】とある少女の一幕
少女のお話。
- 鍵のかかった真っ暗な部屋
???
- ヴィル、いる?
???
- いるよ。
ヴィルーア
- よかった…
???
- どしたの…?私はいつも一緒にいるでしょ?
ヴィルーア
- …うん。…えっと、何でもないんだけど…
???
- 私ね、急に取り残されたような気になる時があって…
???
- 不安になった?
ヴィルーア
- そう、そういう事…
???
- 大丈夫だよ、リィ。
ヴィルーア
- リィはひとりじゃない。いつも私がいるから。
ヴィルーア
- ねぇ、ヴィル。
???
- うん?どうしたの?
ヴィルーア
- …私って、なんて名前だっけ?
???
- …
ヴィルーア
- リーナ。
ヴィルーア
- それが、貴女の名前だよ。
ヴィルーア
- …そう、だよね。
???
- 私は、リーナ…私は…
リーナ
- …ありがとう、ヴィル。
リーナ
- ううん。
ヴィルーア
- 全然大丈夫だよ!
ヴィルーア
- だって、私は、リィの味方だから!
ヴィルーア
- ……ありがとう。
リーナ
- おやすみ…
リーナ
- …おやすみ。
ヴィルーア
- 今日も…ごめんね。
ヴィルーア
- 次の日
ヴィルーア
- リィ、起きて。
???
- ん…あ、おはよう…
リーナ
- 今、何時?
リーナ
- んと…0時くらいかな…
???
- …あわ…いつもより遅くなっちゃったね…
リーナ
- …そうだね…
???
- ねぇ…。
リーナ
- 貴女は…だぁれ?
リーナ
- え?
???
- 貴女は…
リーナ
- ヴィルなの?
リーナ
- …そうだよ?
???
- ちゃんと…見てよ!
???
- …ぁ…
リーナ
- ほら、私だよ!ヴィルーアだよ!
ヴィルーア
- …ごめん
リーナ
- そんな…顔してたんだね
リーナ
- …ぁ…そっか、私の顔…よく見てくれてなかったよね…
ヴィルーア
- …そうだね…
リーナ
- ごめんね…ヴィル。
リーナ
- ううん。今見てくれただけで十分だよ。
ヴィルーア
- …優しいね、ヴィルは…
リーナ
- リィの事が大切なだけだよ。
ヴィルーア
- ねぇ、ヴィル。
リーナ
- なぁに?リィ。
ヴィルーア
- ……過去の事が…分からなくなっちゃった。
リーナ
- …
ヴィルーア
- ねぇ、怖いよ…怖いよ…ヴィル…
リーナ
- ヴィル…
リーナ
- ヴィル?
リーナ
- ヴィル…?いなくなっちゃったの?
リーナ
- ねぇ、ヴィル!ヴィルったら!
リーナ
- ヴィル!!!
リーナ
- ヴィル………
リーナ
- ……
リーナ
- 数時間後?
リーナ
- …リィ。
ヴィルーア
- ……寝たかな。
ヴィルーア
- んぅ…ヴィル…
リーナ
- ッ!?
ヴィルーア
- いか、ないでよ…ねぇ…
リーナ
- また、ひとりは…や、だよ…
リーナ
- ……寝言…か。
ヴィルーア
- …ごめんね、リィ。
ヴィルーア
- 『代償』を、貰っていくね……
ヴィルーア
- ごめんね……
ヴィルーア
- でも、これはリィが望んだことだから…仕方ないんだよ。
ヴィルーア
- ん…
リーナ
- リィは、
ヴィルーア
- 【あの時】、永久に孤独にならない…そんな『契約』をしたんだよね。
ヴィルーア
- 遠い昔
ヴィルーア
- 『召喚』したのは、【リリエル】、貴女?
ヴィルーア
- うん。そうだよ。
リリエル
- ねぇ…『契約』してくれる?
リリエル
- その為に呼び出したのでしょう?
ヴィルーア
- そうなんだけどね…
リリエル
- …「汝の望みはなんだ…?」
ヴィルーア
- …「永久に孤独にならないこと」
リリエル
- 「…汝の望み、叶えてみせよう、【悪魔の契約によって】。」
ヴィルーア
- …『代償』を教えてくれないかな?
リリエル
- …妥当なのは『記憶』
ヴィルーア
- …そっか。
リリエル
- …『代償』は『記憶』で構わないか?
ヴィルーア
- うん、いいよ。
リリエル
- では…一つ目の『代償』、頂こうか。
ヴィルーア
- …
???
- 今日の分は終わったんだね。
???
- …
ヴィルーア
- あぁ。
ヴィルーア
- 『代償』を貰ったからには、私がこの身をもって、孤独にはさせない…!
ヴィルーア
- …頼もしいなぁ。
???
- あ、ねぇねぇ!
???
- …?
ヴィルーア
- 貴女の名前、私聞いてないよ!
???
- …そうね。
ヴィルーア
- 私はヴィルーア・ビデル。
ヴィルーア
- じゃあ、ヴィルね!
???
- …構わない
ヴィルーア
- 私のことはヴィルの好きに呼んでよ!
???
- じゃあ……リーナ…
ヴィルーア
- …リィ!
???
- え?
ヴィルーア
- リィって呼んでよ!
???
- …分かった。
ヴィルーア
- 現在
ヴィルーア
- …ッ…
ヴィルーア
- もう、リィから貰える『代償』が無くなっちゃった。
ヴィルーア
- …ごめんね、契約の決まりだから、私…いなくならなきゃ。
ヴィルーア
- じゃあね。リィ…
ヴィルーア
- …楽しかったよ。
ヴィルーア
- 目覚め
リーナ
- …んぅ…
リーナ
- …
リーナ
- あれ…
リーナ
- 私は…なんだ?
???