はるかとその友達の雑談 その37
出口の無い世界
- はるか
ラフカディア
- 起きてはるか
ラフカディア
- …
はるか
- !!!!!
はるか
- ラフカディア!
はるか
- 静かに
ラフカディア
- え…?
はるか
- 探したよ。まさか神奈川の中学校の体育館倉庫にいたなんて
ラフカディア
- だって今東京は…え…?
はるか
- はるか!
みらい
- みらいちゃん…
はるか
- 結論から言うとだな
ラフカディア
- みらいは宇宙人だった
ラフカディア
- 私と同じね
ラフカディア
- …そうなの…
はるか
- えへへ
みらい
- じゃあ何で…
はるか
- …奴らは地球を侵略して植民地にする気
ラフカディア
- だった
ラフカディア
- だった…?
はるか
- だけど、知的生命のいる星をすぐ武力制圧にかかるのはリスクが高いと判断したんだ
ラフカディア
- 過去にそれで大戦争になったからな
ラフカディア
- だからみらいを送り込んだ
ラフカディア
- 一時的に記憶を消させてな
ラフカディア
- みらいの視点を通して1年間人間を観察してたんだ
ラフカディア
- 私もUFOの中で記憶を取り戻したの
みらい
- ごめんね。今まで黙ってて
みらい
- いや…別に…
はるか
- 海外にも何体かみらいの様な奴が送り込まれてたそうだけど
ラフカディア
- 自分達と同じ種族の奴を観測したのは日本に送り込まれた奴だけだったそうだ
ラフカディア
- 同じ種族…?
はるか
- わたしだよ
ラフカディア
- ククッ
ラフカディア
- 連中も度肝を抜いてたよ
ラフカディア
- 何で地球にいるんだって
ラフカディア
- 私は言ってやったよ
ラフカディア
- お前ら豚共の住んでる臭い箱の中はもうウンザリだ。宇宙戦争でも何でも勝手にやってろってね
ラフカディア
- それで…地球は…
はるか
- 見逃されたよ
ラフカディア
- 私がいたって事は、地球には自分達の情報はとっくに筒抜けになってる、と思われたんだ
ラフカディア
- 色々酷い事されたけど、私はそれを否定はしなかったよ
ラフカディア
- 沈黙は一番の脅しになるからな
ラフカディア
- 連中が何より嫌がる事、それは
ラフカディア
- 「責任とリスクを負う事」だ
ラフカディア
- だったら戦争やめちまえって話だよな。笑っちまうよ
ラフカディア
- ま、つまりだな
ラフカディア
- 私と言う不安要素が観測されたこの星に、攻め込む度胸のある奴はいなかったのさ
ラフカディア
- だったらこの星にこだわって時間を潰すよりも、別の原始惑星を植民地にする方がリスクが少ないと判断したんだと
ラフカディア
- そうだろ?
ラフカディア
- うん!
みらい
- …これで私は説明責任の義務は果たしたよ
みらい
- 中身は全部ラフカディアが言っちゃったから、肯定だけしかして無いけど
みらい
- じゃあ私は帰るね
みらい
- 豚共が住んでる臭い箱の中に
みらい
- …
ラフカディア
- 私から見れば、会社やら学校やら家族やら、箱みたいな建物の中で箱みたいな社会に囚われてる人間達の方が、よっぽど豚に見えるけどね
みらい
- 世界は箱だ。箱は社会だ。
みらい
- 帰るって…
はるか
- 宇宙に?
はるか
- そうだよ
みらい
- またいつか私だけでこっそり地球に来るよ
みらい
- エイリアン全シリーズ見たいから
みらい
- フフッ
はるか
- エイリアンとエイリアン見るの
はるか
- ハハハ
ラフカディア
- …殺されなくて良かったね。ラフカディア
みらい
- 私の一存が無かったらきっと奴らにみせしめに嬲られて酷い殺され方してたよ
みらい
- …何で私を助けてくれたんだ?
ラフカディア
- それはね
みらい
- 孤児だった時の私を、貴方は選んでくれたから
みらい
- 選んだ?
ラフカディア
- 孤児で天涯孤独だった私を、寒くて狭い箱の中にいた私を、始めて貴方が選んでくれたの
みらい
- 私、その時すっごく嬉しかったみたいなの
みらい
- だってまだ覚えてるもん
みらい
- でもこの事はナイショだよ?
みらい
- …じゃあ、そろそろ行くね
みらい
- みらいちゃんって、一体何者なの…?
はるか
- …
ラフカディア
- あんな小さいのに…
はるか
- あれでも軍人なのに体に傷一つ付いてないんだ
ラフカディア
- 多分相当強いか、そう言う特殊な治療の受けられる階級なんだろ
ラフカディア
- うそ…
はるか
ラフカディア
ラフカディア
ラフカディア
ラフカディア
- またね
ラフカディア
- 友達に選んでくれてありがとう
みらい