孤独な旅人
- この国の人々には、「異端」なものを攻撃する傾向があった
旅人
- 彼らには個性、感情そのものがないように感じた
旅人
- 命令されたことを、何の疑問も持たずに、ただ繰り返すだけ
旅人
- 彼らは古びた列車に詰められるだけ詰められた
旅人
- 彼らは色あせた夢のかけらを拾うこともなく、お互いの体温に息苦しさを感じていた
旅人
- しかし、列車は敷かれたレールの上を進む
旅人
- 止まることは許されない
旅人
- 目的地は…………
旅人
旅人
- その列車の中に、彼らから見て「異端なもの」が迷い込んできた
旅人
- 彼らはその「怪物」の存在を許すことはなかった
旅人
- 感情のない人形たちは「怪物」を走り続ける列車から突き落とした
旅人
- 真夜中の冷たい線路の上に
旅人
- 「怪物」は彼らと仲良くなりたかった
旅人
- だけど、「怪物」は、彼らとはほんの少しだけちがっていた
旅人
- その微々たる差に、彼らはとてつもない恐怖を感じた
旅人
- 「歯車が狂う」
旅人
- 狂ったように脳内でその呪文を繰り返しながら、感情のない人形たちは怪物を排除した
旅人
旅人
- 孤独は深い
旅人
- きっと、次の街でも……
旅人
- 異端な怪物は、片足を引きずりながら夜の闇の中へと消えていった
旅人