神社の入り口
とある神社からの脱出劇(ホラー要素あり…?)
- 怖いよ…
かおる
- かおる?今神社にお参り行ってるんじゃないの?
るか
- そう、今神社にいる
かおる
- かれこれ2時間ほど
かおる
- もう夜の10時…8時からいたの?
るか
- そう
かおる
- なんで帰んないの??
るか
- 帰りたいけど帰れないの!
かおる
- なんで?
るか
- 鳥居をくぐって出ようとしても、鳥居に何か膜が張ってあるみたいに通れないの
かおる
- どうゆこと?
るか
- わからない
かおる
- でも、すごく怖いの
かおる
- 暗いし、人の気配も無いし、雑音もない
かおる
- 風のさざめく音だけが聞こえる
かおる
- とにかく、警察に連絡して
るか
- 警察ならなんとかしてくれるはず
るか
- したよ
かおる
- 電話
かおる
- それでさっき、神社に着いたって電話が来たの
かおる
- なのに私がいないっていうの
かおる
- ビデオ通話にしてもらってみたら驚いた
かおる
- 私がいるはずの賽銭箱の前には誰もいなかった
かおる
- 本当のこと?
るか
- そうだよ!
かおる
- それが本当なら、かおるの存在事態がこの世界線から消えてることになる
るか
- でも、そんなこと、意図的にも偶然にも不可能なはず
るか
- 今それが起きてるんだから仕方ない
かおる
- 車の音とかしない?
るか
- うん
かおる
- 一回大声出してみたら?
るか
- 怖くてできないよ
かおる
- かおる…
るか
- もう私ここで死ぬの??
かおる
- 大丈夫、かおる。何かの条件が重なって世界線からかおるが外れたなら、元の世界線に戻す方法は絶対にある
るか
- ああ、なんだか急に寒くなって来た
かおる
- 羽織るものはない?
るか
- すぐに帰る予定だったから、こんな真冬に薄い長袖しか着てこなかった
かおる
- 我慢できそう?
るか
- まあこれくらいだったら、肌寒い程度
かおる
- よかった
るか
- あれ
かおる
- どうしたの?
るか
- 空が紫色になってってる
かおる
- 雲が渦巻いてる
かおる
- 竜巻でも起きたら大変!
るか
- どこか身を隠せる場所はない?
るか
- 小さな小屋がある
かおる
- から
かおる
- そこに隠れるよ
かおる
- わかった
るか
- 小屋の中は少し暖かい
かおる
- あ、コートがある!
かおる
- それで少しは寒さをしのげるんじゃない?
るか
- ほんと!ラッキー!
かおる
- でも、ちょっと臭うなー
かおる
- 小屋は広いの?
るか
- 小屋だよ?私の部屋くらいかな
かおる
- 何か目星いものはない?
るか
- ない
かおる
- 空の様子はどう?
るか
- ちょっと待って、今見る
かおる
- そんな…
かおる
- 空が完全に紫色に染まって、雲が一箇所に集まって渦を巻いてる
かおる
- 今にも雷が落ちて来そうな空模様
かおる
- 危ない
るか
- 小屋に隠れてたほうがいい
るか
- ええ
かおる
- あ、どんどん寒くなってってる
かおる
- コートを羽織っても厳しいくらい?
るか
- コートなんてないんじゃないかってくらい寒い
かおる
- 今日は比較的暖かいはずなのに…
るか
- うわあ!
かおる
- なんか屋根がガタガタしてる
かおる
- ちょっと外見てくる
かおる
- だめ!
るか
- なんか嫌な予感が
るか
- もうだめだ
かおる
- 私ここで死ぬんだ
かおる
- な、何があったの?
るか
- 外を少し覗いてみた
かおる
- そしたら
かおる
- 何か黒い人影がたくさんうろついてた
かおる
- …
るか
- わかった
るか
- もう黙ってみてらんないよ
るか
- 私、今からそっちへいく!
るか
- 無理だよ、私が今いる神社の世界とるかのいる世界は違うんだから
かおる
- わからない
るか
- 行ってみなきゃわからない
るか
- るか…
かおる
- 待ってて!
るか
- 15分後
- 着いたよ
るか
- どんな様子?
かおる
- 警察が捜査してる
るか
- やっぱり、世界が違うんだ
かおる
- でもね、鳥居の近くにもう一個鳥居がある
るか
- え?そんなはずは
かおる
- そう、そんなはずはない
るか
- 警察に聞いたら、そんな鳥居は見えないって言われた
るか
- ってことは…
かおる
- そう、恐らくこの先がかおるの世界と繋がってる
るか
- 私にしか見えない別世界への入り口
るか
- 来ないで
かおる
- どうして?
るか
- もしそれでるかまで酷い目にあったら…
かおる
- 私、罪悪感で生きてけないよ
かおる
- もし私が死んだらたぶん、かおるも死んでる
るか
- かおるが死んでたら私も死んでる
るか
- その逆もまた然り
るか
- どちらかの運命は2人の運命
るか
- もし最悪な方向なら、罪悪感は感じれないし
るか
- いい方向なら、私は喜んでかおるを抱きしめる
るか
- どちらにせよ、罪悪感なんてものは感じないわ
るか
- …
かおる
- だから私
かおる
- るかと友達になりたいって心の底から思ったんだ
かおる
- 今、鳥居をくぐった
るか
- 本当だ、何か膜が張ってあるみたい
るか
- あ
るか
- どうしたの?
かおる
- 黒い人影が…たくさんいる
るか
- 小屋はある?
かおる
- うん、賽銭箱のすぐ横
るか
- 小屋まで走って来れない??
かおる
- 無理
るか
- 黒い影が多すぎる
るか
- 本当だ、さっきよりも増えてる
かおる
- 見つからないように、木の影に隠れてる
るか
- 今棚を漁ってたんだけど
かおる
- メモ用紙を見つけたわ
かおる
- 読んで
るか
- 今日、別世界へと繋がる門を創造した。それは怪しまれぬよう、鳥居の形をしている。
かおる
- 誤って人間が入ってしまった場合、元の世界に戻れないようにし、霊魂を召喚し人間を殺す
かおる
- まあ、人間が入ってくるなんてそうそうないだろうが
かおる
- 以上
かおる
- つまり、私たちはなんらかの異常でこの世界へ来れてしまった
るか
- そしてこのメモ用紙の主が仕向けたように、私たちは邪魔な存在として排除される
るか
- 不安が募るばかり
かおる
- でも、進まなきゃゴールは見えない
るか
- わかってry
かおる
- え、どうしたの?
るか
- あ、ごめん、ただの誤字よ
かおる
- 小屋から顔を出してみて、一応確認して起きたい
るか
- 今すぐ小屋へきて
かおる
- どうして?
るか
- 早く来い
かおる
- ちょ、どうしたの?
るか
- 早く、時間がない、今すぐ小屋へ走れ
かおる
- 誰?
るか
- 何言ってるの
かおる
- 私は私よ
かおる
- もしかして、例のメモ用紙の主?
るか
- うるさいガキだ。早く死ねばいいものを
かおる
- 何がいいたい
るか
- この携帯の持ち主の女はもう殺した
かおる
- え…?
るか
- 命が惜しければ、今すぐ鳥居へ走れ
かおる
- 本当は殺してやる予定だったが
かおる
- 気が変わった
かおる
- お前だけは逃がしてやる
かおる
- 嫌だ
るか
- は?
かおる
- かおるを置いて逃げらんないよ!
るか
- 安心しろ、死体はこの世界で埋葬してやる
かおる
- 今すぐかおるを返して!
るか
- なないあいあいjdskm
かおる
- るか!
かおる
- かおる!
るか
- 今、メモ用紙の主に取り押さえられえた
かおる
- でも、形勢逆転よ
かおる
- ナイス!
るか
- あ、こころなしか、黒い影が全然いないわ
るか
- たぶん、この人の力が薄まってるからだと思う
かおる
- この人を離したら黒影がまた出るかもしれない
かおる
- ログはみた
かおる
- 今なら出れるんでしょ?
かおる
- 早く私に構わず逃げて!
かおる
- だめ!2人とも同じ運命を辿るって言ったでしょ?
るか
- 私まで逃げようとしたら、両方のリスクが高まる
かおる
- 私は確実に帰れないけど、今ならるかは帰れる
かおる
- 元は私のせいなんだし
かおる
- 早く戻って
かおる
- 嫌だよ
るか
- 世界でたった1人の親友なのに
るか
- たった1人の親友すら救えないなんて!
るか
- そんなことどうでもいいよ。これまでの過程で、私は十分るかに助けられた
かおる
- 小屋の扉を開けるわ
るか
- まさか!今扉の前にいるの?
かおる
- ええ
るか
- だめよ
かおる
- 逃げて!
かおる
- ……………
- ふふふ…バカな女
かおる
- 逃げればいいものを
かおる
- そんなことよりあの世界にこんな便利なものがあるとは
かおる
- これは頂こうかしらね
かおる
- あのルカとやら
かおる
- 友達思いで可愛かったわね
かおる
- まさか本当にあの女が殺されてるなんて思いもよらなかっただろうね
かおる
- 小屋を開けた瞬間の光景は、きっと、死んでも忘れられないものね
かおる
- バカなのは
るか
- お前の方だ
るか