コナンの本妻は今日もネガティヴ。
原作とストーリーは全く関係ないです。コ哀ファンのコ哀ファンによるコ哀ファンのためだけの勝手な妄想ストーリーです。
- とある人気バンドのコンサートに、毛利小五郎ら10人が招待され、名古屋にある大きなホールに来ていた。バンドのメンバーの1人が、小五郎の学生時代の友人だという。ライブのついでに観光地を堪能しようという2泊3日のプランだった。
- 1日目にライブを終え、2日目に小五郎の友人に名古屋を案内してもらう予定だったが、2日目の朝にそのバンドのプロデューサーが殺されるという事件が起きてしまった。
- しかしいつものごとく、コナンが小五郎を眠らせ推理を始めると、犯人は自供し、あっという間に事件は解決した。そして夕方には警察にも解放され、観光計画は消えたものの、やっと名古屋での自由な時間を過ごそうとしていた。
- 結局のところ、あなたは事件がお似合いね。
灰原哀
- あぁ?なんだそれ。
江戸川コナン
- 俺が解決してやるんだーって意欲がダダ漏れだったわよ。
灰原哀
- 人が殺されてんだ、そんなこと考えてる余裕ねえよ。
江戸川コナン
- コンサートの時より、推理している時の方が楽しそうだったけど。
灰原哀
- お前なぁ…
江戸川コナン
- …これじゃあ名古屋の観光は諦めた方がいいわね。
灰原哀
- なんか…悪いな、せっかく誘ったのによ。
江戸川コナン
- ホント…あなたがいるとどうも事件に巻き込まれるのよね。死神でも取り憑いてるんじゃないかしら。
灰原哀
- お前、俺をなんだと思ってんだよ…
江戸川コナン
- ふふ、そうね。どちらかと言えば私の方が死神に取り憑かれてるかも、ね。
灰原哀
- フン、言ってろ。絶対俺がお前からその死神ってやつ、取っ捕まえてやっから。安心しとけ。
江戸川コナン
- …私を守ってくれるんだったわね。頼りにしてるわよ、探偵さん。
灰原哀
- はいはい。
江戸川コナン
- コナンくん、悪いんだけどお父さん起こしておいてくれる?私ホテルの部屋にケータイ忘れちゃったみたいなの。
毛利蘭
- え?あ、うん、分かったー。
江戸川コナン
- ちょっと行ってくるね。ここで待ってるのよ。
毛利蘭
- 蘭ねーちゃん、1人で大丈夫?
江戸川コナン
- うん、大丈夫よ。ありがと、コナンくん。
毛利蘭
- …大変そうね、守るものが多くて。
灰原哀
- え?
江戸川コナン
- なんでもないわよ。
灰原哀
- あっそー。
江戸川コナン
- ……いいの?起こさなくて。
灰原哀
- え?あー、おっちゃんならもうすぐ起きるから大丈夫。麻酔の効果も無くなってくるころだから。
江戸川コナン
- …それより、この後どうするのかしら。この辺のこと知ってる人なんて誰もいないわよ。案内人は警察に連れていかれたし。
灰原哀
- しょうがねえよ、メンバーの計画をほんの少しだったとしても手伝っちまったんだからな。
江戸川コナン
- でも不思議ね。こんな計画、ここのコンサートが決まった時にはもう知ってたっていうのに、招待客にあの毛利小五郎を選ぶなんて。
灰原哀
- …計画に気づいて、首謀者のメンバーや自分を止めてほしかったんだろ。事件の前から、確かに違和感はあったしな。
江戸川コナン
- それでも自分の手を汚した…。恨みや憎しみっていうのは、本当に恐ろしいものね。確かにそこにあったはずの友情や正義感に勝ってしまうなんて。
灰原哀
- いや…必ずしも憎しみが勝るわけじゃないよ。
江戸川コナン
- え?
灰原哀
- そこで友情や正義感を大事に思う人っつーのは、どんなに軽いものでも決して罪は犯さない。
江戸川コナン
- ……。
灰原哀
- 心から守りたい人や大事に思う人のために、ちょっとの恨みくらい耐えられるもんさ。
江戸川コナン
- そう…かしらね。
灰原哀
- 現にお前がそうだろ。
江戸川コナン
- え?
灰原哀
- 阿笠博士とか、元太とか光彦とか歩美とか…
江戸川コナン
- な、なによ…
灰原哀
- 照れてんじゃねーよ、どうせ守ってやりたいとか思ってんだろ?
江戸川コナン
- べ、別にそんなこと…
灰原哀
- 今が楽しいなら、それで良いんだよ。
江戸川コナン
- …確かに、組織にいた時よりも楽しいわよ。
灰原哀
- 意外とあっさり認めんのな。
江戸川コナン
- …江戸川くんにとっての大切な人は、彼女かしら?
灰原哀
- え?彼女って……ら、蘭のことか…?
江戸川コナン
- 今さら否定したって無駄よ。
灰原哀
- 否定なんて…しねえよ。
江戸川コナン
- ……あそ。
灰原哀
- お前から聞いといてつまんなそうな返事すんなよ。
江戸川コナン
- あなたはもう少し、視野を広げるべきね。
灰原哀
- は?視野広くなかったら事件なんて解決でき…
江戸川コナン
- 探偵としてじゃないわよ。
灰原哀
- あ?じゃあなんのこと言ってんだっつーんだよ。
江戸川コナン
- あなたを思う人のこと…
灰原哀
- え…?俺を思う……?
江戸川コナン
- ………えぇ、そうよ。
灰原哀
- あ、あー…歩美の事か?
江戸川コナン
- 盲点…ね。
灰原哀
- は?
江戸川コナン
- 灯台下暗し、よ。
灰原哀
- 何言ってんだよ…
江戸川コナン
- あなたは…工藤新一になったら、江戸川コナンと関わった人達を捨てる?
灰原哀
- な、どうした、灰原…
江戸川コナン
- 小嶋くんや円谷くん、吉田さんも、帝丹少の子達も、どうするの?
灰原哀
- そんなの…分かんねえよ…戻ってみないと分かんねえよ。
江戸川コナン
- 戻るんじゃないわよ。工藤新一になるのよ。
灰原哀
- …俺は戻るぜ。
江戸川コナン
- いいえ、江戸川コナンとしていろんな人と長い期間深く関わってしまったんだから、なかったことにして戻るなんて無理よ。
灰原哀
- …じゃあお前はどうすんだよ。
江戸川コナン
- ……私は、このままでいい…
灰原哀
- 灰原…本気か?
江戸川コナン
- このまま、私もあなたも…
灰原哀
- えっ?冗談、だろ…?
江戸川コナン
- さあ、どうかしらね。
灰原哀
- (あなたが工藤新一になったら、絶対に彼女の元へ行く。そうなったら、私が戻ってもこのままだとしても、私にはどうしようもできない…だったら一生このままで…)
灰原哀
- …体が戻る当てがあるわけじゃねえんだ、もういいだろ、この話は。
江戸川コナン
- 私は、あなたにとって、なに?
灰原哀
- 今度はなんだよ…
江戸川コナン
- 組織への手掛かり?お荷物?
灰原哀
- …どっちもだな。
江戸川コナン
- …そう。
灰原哀
- 組織を捕まえる重要なキーである事は間違いない。同時に俺が好き好んで抱えてるお荷物でもある。
江戸川コナン
- …もう少し言い方ないの?
灰原哀
- わーったよ…。灰原も、守りたい大切な人だよ。
江戸川コナン
- …なにカッコつけてんのよ。
灰原哀
- お前がマシな言い方しろっていうから…
江戸川コナン
- この命、あなたに預けるから。よろしくね、江戸川くん。
灰原哀
- ……あぁ、任せとけ。
江戸川コナン
- お待たせー!あれ?お父さんまだ寝てる?
毛利蘭
- あっ、あぁ、えっと…何回も起こそうとしたんだけどなかなか起きなくて…
江戸川コナン
- もう…お父さんったら………あっ、起きた!お父さん!バンドのマネージャーさんが良いご飯屋さん案内してくれるって!
毛利蘭
- 名古屋で彷徨わなくて済みそうね。
灰原哀
- おいおい、彷徨う気だったのかよ…
江戸川コナン
- あら、私が街で彷徨ったら運良く拾ってもらえるわよ?
灰原哀
- はははー…
江戸川コナン
- ホテルのロビーで待っててくれてるから、行こ、コナンくん。博士もみんなも!ほら、園子も行くよ。
毛利蘭
- はーいっ!
江戸川コナン
- …哀ちゃんも手、繋ぐ?
毛利蘭
- ……遠慮するわ。
灰原哀
- そ、そう…じゃああまり離れないように気を付けてね。
毛利蘭
- 連れねーなー。
江戸川コナン
- 役者じゃないの、私。
灰原哀
- 俺もちげーよ。
江戸川コナン
- その後、バンドのマネージャーに案内され、夕食を済ませたり夜景スポットを回ったりなど、一行は名古屋の夜を楽しんだ。
- そして翌日の朝に、名古屋を発ち、米花町へ帰っていった。