女神と無頼漢 1 【Fate】 【FGO】
我が全て遠き理想郷ことアサシン、ステンノ様と新アサお兄さんがあったばかりの頃の話です。ステンノ様の最終再臨終わりました……美しすぎて尊い……。
- ───さて、召喚されたアサシンだ。
新宿のアサシン
- 真名は内緒ってことでな!
新宿のアサシン
- なあに、すぐに分かるだろうよ
新宿のアサシン
- 女神は彼女のマスターが嬉嬉として話しかける男を、憂いを携えた瞳でじっと見つめた。
- 長く滑らかな黒髪に、露出の多い服装
- 身体中に施された見事な入れ墨────
- (なんて、乱暴そうで。)
ステンノ
- (愚かそうで……ふふ。)
ステンノ
- ────面白そうな人間
- そう女神はいたずらっぽく。
あらゆる男を虜にする微笑を男に向けた。
- ───────────────────────────
- アサシンのみんなー!
藤丸立香
- 実は今日、新しい仲間がカルデアに来たんだよ!
藤丸立香
- 琥珀色の瞳をキラキラと輝かせながら、マスターたる少女は彼女らに告げた。
- このカルデアのアサシンは長らく火力不足が続いており。
今日日開催されるアサシンクラスピックアップに期待を託していた。
- 彼女らはピックアップたるものがどういうものかも知らないし、
触媒なしでは運に頼るしかない召喚でアサシンクラスだけ限定するということはにわかに信じられなかった。
だが────
- ……。
新宿のアサシン
- 実際にそのピックアップとやらでアサシンクラスの召喚を成功させていたのだ。
- 文明。とでも言うのか。
- その何れ魔術さえも超え得る技術も、女神の愉悦のひとつであった。
- 新宿のアサシン君だよ。
藤丸立香
- 真名はまだ内緒なんだってさ。
藤丸立香
- まあ、マスターの頑張り次第ってやつだな
新宿のアサシン
- マスターの隣に歩み寄ってきたのは、先程の男だった。
- 新宿の……といえばつい先日もアヴェンジャーを召喚したよね?
ジキル
- マスターにそう問いかけるのは、
如何にも脆弱そうで色白な、眼鏡をかけた青年。ヘンリー・ジキルだった。
- 数少ない高レベルのアサシンだったため、彼女。ステンノとも顔を合わせることが多い。
- ────勿論。「もう一人の彼」とも。
- うんそうだよー。
これはこういうことでね……
藤丸立香
- ジキルに身振り手振りで精一杯説明するマスターを眺めていたら、ふいにステンノの前に影が覆いかぶさった。
- お嬢ちゃんが此処の主戦力なんだって?
新宿のアサシン
- ……ええ。そうよ?
ステンノ
- 何処か胡散臭い薄ら笑いを浮かべ、ステンノを見た。
- これは明らかに。間違いなく。
- 「甘く見られている。」
- まあ、仕方の無いことだろうと思った。
- はたから見れば彼女はただ小さく可憐な少女だ。
それにこのカルデアで彼女と近い身長のサーヴァントは妹のエウリュアレとバーサーカーの茶々とやらしか居ない。
- それに元より彼女は"愛される為だけ"の存在。
- その上サーヴァントとしての有り得ざる現界を果たした今もさほどの戦闘能力はない。
- だからこの男の考えはもっともだし、なんとも思わなかった
- ……そーかそーか。
新宿のアサシン
- 男は明るくにやっと笑って見せた。
そこに先程までの胡散臭さはもうなかった
- 俺は新宿のアサシンだ。
新宿のアサシン
- 故あって真名は語れねえし、とんだ無頼漢だが。まあ宜しく頼むよ。
新宿のアサシン
- 自身から名を名乗るとは。ステンノは心の底から関心した。
- てっきりただ野蛮で愚かな人間かと思って居れば、自身で無頼漢を名乗る割に意外に礼儀正しいものなのだな。と。
- ステンノ。女神よ
ステンノ
- なれば自身も名乗るのが礼儀であろうと、自身の真名を明かした。
- しかしまあ────
こうもやすやすと違うサーヴァントに真名を明かすことが出来るとは、だが慣れない経験もまた彼女の愉悦であった。
- おっと女神様とは驚いたねえ
新宿のアサシン
- いやはや。此処で会ったのも何かの縁だ。
俺のレベルが上がったらまた。そんときは宜しく頼むよお?
新宿のアサシン
- そう言って男は去っていった。
- ……
ステンノ
- そのとき。ね
ステンノ
- 彼女もまた、新たな愉悦の予感に悦びから身を震わせた。
- 続く