夜の学校
までいかなかった
- ストーリー補足(夜も九時を回る頃、消費期限が今日までだった超限定版高級ポッキーを学校に忘れて来たと言う紫穂。)
- そうは言っても、葵は影チル達と別の任務についているし…
皆本
- 嫌よ!二度と製造されない限定ポッキーの最終品…!!
アレを食べられなかったら私、ポッキー好きを語れないわ!
紫穂
- いや、語らなくてイイんじゃ…
薫
- (呆れる薫)
- はあ…。大体なあ、たまにはそのくらい歩いてみたらどうなんだ?
皆本
- 皆本さんってば、幼気で儚い女子高生のことが心配じゃないの!?
紫穂
- いたいけで…
薫
- はかない?
皆本
- 紫穂なんかを襲う不審者がいたら、寧ろ相手が可哀想な気もするけど…とは口に出さなかった。出さなかったが、この女には関係ないのだった。
ジトリと睨まれ、思わず怯む薫。
- そっ、それに…幽霊が出たらどうすんのよ!
紫穂
- ( や っ ぱ り )
薫
- ( そ れ か )
皆本
- それじゃあたまには我慢したらどうだ?
そろそろ我儘もやめて、責任感を覚えるためにも良いんじゃないかな
皆本
- 日頃からジャンキー反対派の皆本は、どこ吹く風である。
これには紫穂も言葉を詰まらせ、それじゃあ…などと言い不穏気に片手を翳している。
- 何の騒ぎだい?
シオン
- 遂に騒ぎを気にしたシオンが、隣の部屋から現れた。
扉のドアノブを握ったまま顔を覗かせる彼に、薫が返答しかける。
- 実は紫穂が学校にお菓子忘れたって言ってさぁー、皆本を脅して駄々捏ね…モゴッ!?
薫
- あははー、何でもないのよーシオンくん?
ねっ、薫ちゃん♡
紫穂
- 薫の口を力強く塞いだ紫穂は、
いつも通り含みのある良い笑顔で訂正する。
- ぷはっ、
ちょっ……鼻も塞いでたよな今!?
ゼッテーわざとだろ!?
薫
- ウフフ、ナンノコトカシラー
紫穂
- てんめえ…
薫
- 反論するも軽くあしらわれた薫は、更に憤っているようだ。
- まあまあ、落ち着いて。
それで、紫穂はそのお菓子を取りに行きたいのかい?僕で良ければ一緒に行くよ?
シオン
- ほっ、本当!?
紫穂
- 僕じゃあ分からないかもしれないから、ついて来てもらうことにはなるけど…と謙虚さを滲み出すシオンに、紫穂は救世主とばかりに飛び付く。
- 僕が付くなら危なくないし…
ついでにコンビニにでも寄って、二人の分のお土産も買ってくるよ。それで機嫌を直してくれるかい?
シオン
- ウソ!?やったあ!
あたし、かき氷がいいな!!
薫
- でも、寝る前に物を食べるのは良くないぞ?
皆本
- それなら大丈夫だよ。
薫、宿題がまだ済んでないだろう?葵が居ないから、帰って来たら僕が代わりに教えるよ
シオン
- 隠匿していたはずの痛い所を突かれ、うっ と言葉を濁らせる薫。
- またか、薫…!
全く、いつも君らは葵に言われないと勉強しないん……
皆本
- あーっ!!ストップストップ!
アタシ宿題先に始めてるねっ!?
薫
- じゃっ!と皆本の説教を遮り立ち去っていった薫を横目に、紫穂に何か上に羽織らなくていいかい?と尋ねているシオンに声を掛ける。
- まあ、都心は夜とはいえ明るい方だから大丈夫だと思うが…
何かあったらすぐに連絡しろよ?
特に、某◯犯罪者から怪しい組織への勧誘を受けるとか。
皆本
- はは、流石の京介もこの時間に学校を訪れるような用事もないだろうけどね。
それじゃあ、行って来ます
シオン
-
(この後教室に入って来た二人を先生と勘違いし、慌ててロッカーに隠れる澪。に死ぬほど驚く紫穂。)