アネモネとヒマワリ
何かあったら消します。自己管理用。完全に個人的趣味です。 囚われのパルマの学園パロディ。メモ程度のチラ裏加減ですが、お楽しみいただけたら嬉しいです。
- はぁっ…はぁっ…!
私
- (転校初日で遅刻なんて、ありえない…!)
私
- (目覚ましの設定間違えなんて普段しないのに〜!)
私
- なにやってんの私ー!
私
- あ、チャイム鳴った…!
私
- もう朝のHR始まってるかな…
私
- (…あれ、Bクラスってどこだっけ…?)
私
- あの……、すみません…
ハルト
- …? はい
私
- 1-Bって、どこですか…?
ハルト
- ……あ、えーっと…
私
- (私と同じ新入生の人かな?)
私
- すみません……。私も、その、迷っていて…分からないんです
私
- そうでしたか。すみません、お時間取ってしまって。…ありがとうございました。
ハルト
- いえ…!わからなくってすみません…。あの、1-Bだったら私も行きたいところ同じなので一緒に行きますか?
私
- え?
ハルト
- あれ、同じ新入生の方ですよね…? 私もなんです。転校してきた初日からいきなり寝坊なんてしちゃって…クラスに入りづらいな〜と気が重くなっていたので……。
私
- ああ……そうなのか。それじゃあ、一緒に行くか。俺も……君と同じ。転校してきた。俺も、朝…寝坊して…クラスに入りづらく思っていたから、同じ人がいて少しほっとした。それじゃあ、手っ取り早く職員室に行って残ってる先生に教室の場所、聞いてみる…?
ハルト
- そうだね!職員室行った方が早い…!え〜と、……如月……ハルト…くん?で読み方合ってるかな
私
- そうだけど……どうして君、俺の名前……ああ、名札か
ハルト
- そう。名札見て分かったの!違ってた?
私
- 大丈夫。読み方はそれで合ってる
ハルト
- よかった! 晴人くんは、……あれ。なに言おうとしてたのか忘れちゃった。 あ、そうそう!思い出した。私と同じ転校生だったんだ!初めましてのクラスの人多いから、同じ境遇の仲間がいてくれて少し心強い。今日はどうして寝坊したの?アラームの設定間違えた、とか?
私
- いや、俺は……
ハルト
- ……。……?
私
- ……漫画に夢中になってたら、いつの間にか寝落ちしてて……目覚ましはかけてたんだけど、アラームに気付かないくらい爆睡して……
ハルト
- 遅刻ということかぁ…
私
- うん……。君は、アラームし忘れることよくあるの?
ハルト
- ううん、よくしないよ。ただ単にたまたま間違えちゃったってだけ。でもなんで私がアラームの設定間違えたの知ってるの
私
- 君が先に例に挙げていたから。なんとなく……そうなんだって。突発的に嘘の例なんて、そうそう出てくるものじゃないし。
ハルト
- (なんか悔しいのはなんでだろう。)でも、ちょっと意外だった。漫画読むんだね。見るからに、勤勉そうなイメージだから…
私
- 勤勉…?そうなのか…初めて言われた。
ハルト
- うん、雰囲気とかで…それとインテリそう。他の人も勤勉そうだとは心では思ってたけど、口にしなかっただけじゃないのかな
私
- インテリ、か……。いつもボーッとしているし、授業中でも居眠りすること多かったから、その様子を見知った人からすれば勤勉だとか口にする事はおろか、思うこともないと思う
ハルト
- ん。授業中も……居眠り?
私
- 俺、どこにいてもすぐ眠くなるんだ。だから、いつも保健室の常連だった。眠くなるのは、すこし……特殊な体質のせいでもあるんじゃないかって……。漫画も小説も、気になれば読んでる。あ、職員室に着いた。担任の先生、あの人だよな……?まだいるみたいだ。
ハルト
- あ、そうだね。転入手続きのとき挨拶したあの先生で間違いないはず! 私達がくるまで待っててくれてたのかな。(さっき晴人くんが言ってた特殊な体質、っていうのが引っかかる。なにか持病かな。あまり深く追求しないほうがいいのかもしれない……)
私
- こうして遅刻してきた私達を、どこぞの冷酷な鬼の教官みたいな雰囲気を纏った担任の先生は「今後は気をつけてください」と許してくれて、1–Bの教室に向かった。教室に入ってクラスみんなの視線を浴びて緊張もしたけど、浴びる対象が転校生二人で分散されて女の子の殆どは晴人くんの方しか見ていなかったように思う。私と教壇に並んで、どこか居心地を悪そうにいる晴人くんには悪いけど、注目の的になるほどの美青年さながらの容貌にありがとうと、私は心の中で賛辞を送っていた。
地の文