忘恋愛症候群1
忘恋愛症候群という素晴らしい題材を見つけたのでYOIで書いてみてます。罹患者は勇利、勇利の恋人はヴィクトルです。二次創作小説のプロットです。
- おはよう、ユウリ
V.N.
- 今日はオフだから、一緒に出掛けようか。どこがいい?
V.N.
- ......おはよう
K.Y.
- どうかした?
V.N.
- いや、なんでもないよ。寝起きでぼーっとしてただけ。
K.Y.
- そうだなぁ、有名どころは全部行っちゃったし......。
K.Y.
- あ!長谷津の海に似てるって言ってた海に行きたいな。
K.Y.
- ユウリ、そこなら前に行ったよ?
V.N.
- え、あれ。そ、そっか!そういえば行ったね!ごめんごめん!
K.Y.
- じゃあ、ヴィクトルが行きたいところに連れてって
K.Y.
- ......。
V.N.
- オーケー、じゃあ早く支度して出掛けよう!
V.N.
- このレストラン、美味しいねぇ
K.Y.
- でしょ?
V.N.
- (ここも前に来たのに、覚えていない......。ユウリの様子がおかしい。)
V.N.
- ユウリ、今日はもう帰ろうか
V.N.
- え、まだお昼だよ?
K.Y.
- うん。たまには家で映画でも見ながらごろごろするのもいいかなって。
V.N.
- そっか......。確かに、あまりそういう過ごし方したことないもんね。
K.Y.
- じゃあ、帰ろうか......
K.Y.
- ユウリ、この中なら何が見たい?
V.N.
- えーと、ほとんど見たことないやつだか
K.Y.
- 本気で言ってるの?
V.N.
- え
K.Y.
- 今日のユウリはおかしい
V.N.
- ヴィクトル......、何を......
K.Y.
- 今朝行きたいって行った海は今まで何度も行ってる。
V.N.
- さっきランチを食べたレストランは初めてデートした時に入った店だ。
V.N.
- この映画だって、もう全部見てるよ。
V.N.
- ユウリ、どうしちゃったの?
V.N.
- そん、な、ことっ......
K.Y.
- (今朝、ヴィクトルの顔を見たとき、すぐにヴィクトルだって分からなかった。)
K.Y.
- (海も、レストランも、映画も、全部『知らない』。)
K.Y.
- (僕は一体......)
K.Y.
- ............ッ!
K.Y.
- あ!ユウリ!どこに行くんだ!
V.N.
- ......飛び出していってしまった
V.N.
- ユウリは一体どうしてしまったんだろう。
V.N.
- ハアッハアッ
K.Y.
- クソッ、全然思い出せない!!何でだよ!!!
K.Y.
- なんで......
K.Y.
- カツ丼?
Y.P.
- そんなとこで何やってんだよ。
Y.P.
- ユリオ......
K.Y.
- っおい!抱きつくな!気持ちわりぃ!
Y.P.
- ユリオ、僕は......ぼくは......っ
K.Y.
- どうしたんだよ、今日オフだろ。ヴィクトルは?一緒じゃねーのかよ
Y.P.
- さっきまで一緒に家に居たんだけど、飛び出してきちゃった
K.Y.
- はぁ?喧嘩でもしたのか?
Y.P.
- ううん、僕が悪いんだ。
K.Y.
- 全部、僕が......
K.Y.
- 話聞いてやっから、とりあえず落ち着け。俺の家でいいか?
Y.P.
- うん......
K.Y.
- で、何があった。
Y.P.
- ヴィクトルとの思い出を、忘れてしまったみたいなんだ。
K.Y.
- それどころか、ヴィクトルのことも、分からなくなってきてて
K.Y.
- 思い出そうとしても全然で。
K.Y.
- もう、どうしたらいいか......
K.Y.
- それをヴィクトルは知ってんのか
Y.P.
- うん。今日気付いたみたい。僕もヴィクトルに言われて気付いたんだけど。
K.Y.
- 俺やミナコのことは?
Y.P.
- 覚えてる。
K.Y.
- 思い出せないのはヴィクトルだけってことか?
Y.P.
- うん......
K.Y.
- (2,3日前にテレビでカツ丼みたいな症状の人が取り上げられてたような......)
Y.P.
- (たしか、相手を想う気持ちが強くて、相手のことだけを拒絶したり忘れたりするっていう......)
Y.P.
- (なんだよ。コイツらの愛の深さを見せつけられてるみてぇじゃねぇか。)
Y.P.
- ユリオ?
K.Y.
- あぁ......、とりあえず、それじゃ家に帰ってもヴィクトルもお前も辛いだけだろ。
Y.P.
- ヴィクトルには俺から連絡つけとくから、お前は今晩ここにいろ。
Y.P.
- 明日ヤコフに言って休み貰って、新しい部屋探すぞ。
Y.P.
- え、探すぞって
K.Y.
- 俺が付き合ってやるよ。ロシアに慣れたとはいえ、まだ困ることあるかもしれねぇだろ。
Y.P.
- いや、そういうことじゃなくて......。
K.Y.
- お前まさかその状態でヴィクトルのとこに戻ろうとか思ってるわけ?
Y.P.
- うっ
K.Y.
- でも
K.Y.
- お前さぁ、少しはヴィクトルの気持ち考えろよ
Y.P.
- はい......。
K.Y.
- ったく......。
Y.P.
- 夕飯は?何か食ったのか?
Y.P.
- ううん。ずっとあてもなく走ってたから。
K.Y.
- 用意してやるからそれ食って風呂入って寝ろ!いいな!
Y.P.
- ありがとう、ユリオ
K.Y.
- ......ッ!いつにもなくしんみりしやがって!気持ちわりーんだよばーか!
Y.P.
- ふふふ、ありがとう。ちょっと元気でた。
K.Y.
- チッ!
Y.P.
- (ユリオの言う通りだな。この状態で戻っても、ヴィクトルに悪いよな......。)
K.Y.
- (なんでヴィクトルのことだけ思い出せないんだろう。)
K.Y.
- (明日病院に行ってみるか......。)
K.Y.