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ひとり劇場

魚と少年 第2話

前回の続きです。短編といいながら続きます。

少年
僕はキミを待っていた
彼はそう言って、わたしに一歩
近づいてきた。
わたし
わたしを?
少年
さぁ、僕と一緒に行こう
そう言って、
少年はわたしに手を差し出してくる。
待って!
魚が叫ぶようにわたしに声をかけた。
ここに来る前のことを
思い出さない?
わたし
え……?
魚に言われて、
ふと、今までのことを
思い出そうとして、
わたし
わたし……、
思い出せない
ここに来るまでの記憶が
ないことに、気づいた。
少年
そんなの思い出さなくていいよ
にこやかに少年は話しかける。
わたし
そんな……
わたしは、思わず後ずさった。
わたし
あ、あなたは誰なの!
少年
さぁ、何者なんだろうね?
僕もわからないよ、と
少年は肩を竦めて笑った。
少年
きっと、ロクでもない記憶
だったから思い出せないんだ

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投稿日時:2016-11-20 05:17
投稿者:魚住すくも

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