こいつぁビーストですよ……!
FGO ぐだ子とマシュとビーストとハロウィン
- ダ・ヴィンチちゃんが私の個室までわざわざ来てくれてたから、なにかと、思ったら……え、ええ……?
マシュ
- これ、が、着て欲しい衣装、デスカ?
……一体、どこからこんなもの……。
マシュ
- いつの時代も需要と供給は小さかろうともどこかしらには存在するものさ。
ダ・ヴィンチちゃん
- うんうん、良く似合うと思ってね?折角のハロウィンだしね。楽しまないと!是非とも私にこの服を着たマシュ・キリエライトを見せてくれ!
ダ・ヴィンチちゃん
- ………いえ、あの、この露出は、そもそも、服、じゃないと言うか、その、倫理的にも……どうかと……。
マシュ
- ええ?そのパーカーと同じだよ、布で出来てるじゃないか~、服と同じさ。それに露出なんて気にしたら負けだよ負け。
ダ・ヴィンチちゃん
- 紐ですこれ、布と言う名の紐ですどう考えても!負けていいですから気にして下さい!
マシュ
- ぐぬぬ。全く、マシュは堅物だね。作ったのに着てもらえないなんて、この天才世紀の大誤算になっちゃうじゃない!
ダ・ヴィンチちゃん
- ……ああ、そうだね。着たらーーぐだ子ちゃんも喜んでくれるんじゃないかな?
ダ・ヴィンチちゃん
- !
マシュ
- …………、……んん?
マシュ
- ……いえ、どうして先輩が私の露出面積が少ない衣装を見て喜ぶんですか。ダ・ヴィンチちゃん、適当言わないで下さい。
マシュ
- ふふ、悩むねぇ。適当かどうかは試してみてから言ったらどうだい?
ダ・ヴィンチちゃん
- ……………。
マシュ
- ……はぁ。分かりました、分かりました……。一度、着てみます。それでいいですか?
マシュ
- それで先輩ちゃんに見せてみる、と。
ダ・ヴィンチちゃん
- 見せません!ダ・ヴィンチちゃんが見たら満足なんでしょう!着て、ダ・ヴィンチちゃんに見せたら終わりです!
マシュ
- やーれやれ、全く、つれないなぁ……。
ダ・ヴィンチちゃん
- ーー少し経過ーー
マシュ
- ………、ここで、金具を留めて……。
マシュ
- 猫耳を付けて……こう、でしょうか。
……うぁ……。
マシュ
- おぅい、どうだいマシュ?着れたかな?
ダ・ヴィンチちゃん
- ……はい、一応……。
マシュ
- どれどれっと、
ダ・ヴィンチちゃん
- ーーおおっ、良く似合ってるじゃないか!やはり私の目に狂いはなかった!
ダ・ヴィンチちゃん
- ……!あ、あんまり見ないで下さいっ!
マシュ
- いやぁ、そういわれてもね、見るために着てもらったわけだし?
ダ・ヴィンチちゃん
- だ、ダ・ヴィンチちゃん。その、これは誰かに見せるものじゃないんです……本当に……。
マシュ
- うんうん、知ってるともさ!ね?何とも蠱惑的かつ扇情的で素晴らしいだろう?やはりマシュには似合う!
ダ・ヴィンチちゃん
- 私の知る服に対する評価はそんなR指定が入りそうなものじゃないです!
マシュ
- ああ、寒い……恥ずかしい……そして寒い……。
マシュ
- ううっ……いいですか?いいですよね?もう脱ぎますよ?
マシュ
- ええ?いきなり目の前でストリップだなんてダ・ヴィンチちゃん困っちゃうなぁ。
ダ・ヴィンチちゃん
- 違います!脱ぐから退室をお願いしたいということであって!
マシュ
- パシャッ
マシュ
- そういう……えっ?
マシュ
- うん、やっぱりロマンのカメラは精度が良いねー。ちょっと悔しいなぁ。
ダ・ヴィンチちゃん
- ちょっ、なっ、なーーっ!!!
マシュ
- ん?これかい?こんな破廉恥もといキュートなマシュは残しておくべきだろう、と思ってね。さっき借りてきたんだよ。ナイスアイディアだろう?
ダ・ヴィンチちゃん
- だ、ダメです!聞いてないです!
マシュ
- 今言ったからねー。はいもう一枚、パシャっと。
ダ・ヴィンチちゃん
- わぁっ!もうっ、撮らないでください!!消してくださいカメラを渡してください!
マシュ
- おおっと、そう簡単に渡すわけにはいかないよっ!ほうら、捕まえてごらん~!
ダ・ヴィンチちゃん
- ああもう、待ってくださいダ・ヴィンチちゃん……というか、部屋の外に出ないでーー
マシュ
- あれ、ダ・ヴィンチちゃん?ねえ、用って一体な、
ぐだ子
マシュ
ぐだ子
- ……………ああ………。
マシュ
- えっ…………あの…………マ、シュ
ぐだ子
- ひとちがいです
マシュ
- いやでも、
ぐだ子
- ひとちがい、デス
マシュ
- えっ、あ、うん
ぐだ子
- では、失礼します
マシュ
- うん……
ぐだ子
- (扉が閉まっていく……)
ぐだ子
- ………………
マシュ
- ……………
ぐだ子
- わすれてください先輩ぃ……っ!
マシュ
- やっぱりマシュだったーーっ!?
なにこれ幻覚じゃないーー!?
ぐだ子
- あっはっはっはっは!!!!
ダ・ヴィンチちゃん
- ああああああっ!いつの間にか着替えも無い!?ミスタ!ミスタダ・ヴィンチ!これはどういうことですか!説明を要求します!
マシュ
- だ、ダ・ヴィンチちゃんなら今、爆笑しながら走っていっちゃったけど……
ぐだ子
- うぁぁぁぁッッッ!!!!!
マシュ
- マシュが扉の向こうでかつてないレベルに取り乱してる!?おっ、落ち着いて!どうしてそんなカッコをしてるの!?
ぐだ子
- せんぱいの、やさしさが、つらい……
マシュ
- 片言というか漢字を失ってるよマシュ!
ぐだ子
- うう、ううううっ!……なんで、そもそもなんで先輩がこちらにいらっしゃるんですか……!?
マシュ
- な、んでって……ダ・ヴィンチちゃんに呼ばれて、見せたいものがあるって……。あ。
ぐだ子
- 見せたいもの……。みせたい……。
マシュ
- ……もしかしなくても、マシュの……ことなのかな……?
ぐだ子
- ………………生まれ変わったら私、貝になりたいです。
マシュ
- 洒落にならないよ!というかマシュ━━うわっとと、扉が開い……ッ!?
ぐだ子
- ひゃぁーーーーーっ!?
マシュ
- !!!み、て、ない!から!シーツ!シーツ羽織ってッ!
ぐだ子
- わわわわわわわっ、わっ、わぁっ!はいぃっ!
マシュ
- ーー少し経過ーー
マシュ
- ……という、感じに……。
マシュ
- ……成る程……。
(ベッドの上で、みのむしみたいになってる……)
ぐだ子
- つまりは、ダ・ヴィンチちゃんに頼まれて着たらろくでもない目に遭ってしまったって訳なんだ。
ぐだ子
- はい……。迂闊でした……。
マシュ
- ……うん、マシュの素直さは美徳だけど、少しは抗っていいと思うよ?
ぐだ子
- はい……面目無いです……。失態以外の何者でも……ないです……。本当に……。
マシュ
- (……負のオーラが酷い)
ぐだ子
- ……げ、元気だそうマシュ、うん、そういう上手くいかない日もあるよ。うん。
ぐだ子
- ……はい……。
マシュ
- ……………
ぐだ子
- …………
マシュ
- ………わ、私はっ!
ぐだ子
- ……?
マシュ
- 私は……悪くないと、その、うん……思う、よ。
ぐだ子
- あ……先輩……。ふふっ。
マシュ
- ……無理しなくても良いんですよ……
マシュ
- え、や、違うって、ほ、本当だって!その死んだ目やめてよ!
ぐだ子
- 先輩、先輩。大丈夫、ですから。
マシュ
- 何で私が諭されてるの!?あーもうっ、マシュの頑固者!
ぐだ子
- へ!?なんっ…頑固ってどういう意味ですか!
マシュ
- そのまんまだよっ!女子の私が言うのはあれかなって遠慮したらこれだし!がーんーこーもーの!
ぐだ子
- うう、うう~……っ!
マシュ
- だってさ!そもそもさ!
ぐだ子
- ま、マシュは十二分に可愛いんだからどんな格好したって……かわいいし……とか、その……ええと……
ぐだ子
- ええと……
ぐだ子
- あの……先輩?
マシュ
- だから、その
ぐだ子
- ……あんまりそういう格好人に見せないでね?
ぐだ子
- も、元よりそのつもりです!着替えるつもりでした!
マシュ
- いや、そうじゃなくて……そうだけど……。そうなんだけどさ……。
ぐだ子
- えっ……と……?
マシュ
- …………
ぐだ子
- ずるい。
ぐだ子
- えっ。
マシュ
- そういうの、ずるい。
ぐだ子
- あ、え……。……せんぱい?
マシュ
- ………、…………っ
ぐだ子
- ………、ハァ。
ぐだ子
- ━━マシュはずるいよ!もー!
ぐだ子
- わっ、急に抱きつかないで下さ……ひう、くっ、くすぐったいです!な、なんなんですか、いつもによりをかけてヘンです!
マシュ
- そーやって惚けたふりで私を惑わすんだもんなー、うりうりっ。このデンジャラスめー。気を付けなさい!本当に!身近な人間が一番怖いんだから!
ぐだ子
- ど、どんな忠告なんですかそれ…。もう!どさくさに紛れてシーツ剥がさないでください!
マシュ
- ……っ……あのっ。
マシュ
- ……ん?
ぐだ子
- その……さっきの、本当……ですか?
マシュ
- ……えっと。
ぐだ子
- ……可愛い……って……。
マシュ
- ええ?……そんなの、可愛いよ、当たり前だよ。マシュは何時だってかわいいもん。……ちょっと照れるなぁ。
ぐだ子
- ……っ。あ……りがとう、ございます。……えへへ。
例え社交辞令だとしても先輩の言葉だと思うと、何だか、元気が出ました!はい。
マシュ
- ━━━━━
ぐだ子
- ………?先輩?
マシュ
- ━━っ、あ、と、何?
ぐだ子
- その、顔が赤いですけど……どうかしましたか?
マシュ
- ……気のせいだと思うよ。……別に見とれてたとかじゃ……。
ぐだ子
- ?でも……熱があるんじゃ、
マシュ
- 近いマシュ近い近い近いっ!
ぐだ子
- わっ、あっ、すみません!
マシュ
- う、うん、大丈夫……。
ぐだ子
- (ダメだ……流石に慣れたと思ったのに今の笑顔で動揺が止まらなくなった……この破壊力は心臓に悪い……!)
ぐだ子
- (先輩の様子が急におかしい……?)
マシュ
- え、と……。
マシュ
- ……あ、そうです、先輩。今日はハロウィンです!
マシュ
- ……あー、うん、そうだね。というか、マシュの格好も、だからでしょ?
ぐだ子
- はい!よくぞご存じで!(先輩の調子が出てきました!)
マシュ
- そのカルデア職員の方々はお菓子というと角砂糖か喉を焼き尽くすような甘ったるいお菓子を下さるので、ハロウィンにはあまり楽しい思い出は無かったんです。食堂のデザートはいつも一緒ですし……。
マシュ
- あー、孤立施設かつ変人たちの集まりだから、そこらへんは仕方ないね……。
ぐだ子
- だから、こうして料理好きのサーヴァントの皆さんが振る舞われるお菓子を食べられることが、とっても嬉しくて。……円卓の皆さんを除いて。
マシュ
- うん、それはよく分かる。
ぐだ子
- それで、ですね。叶うのなら、先輩のお菓子も食べたいなって……その。
マシュ
- ……ああっとつまり、
ぐだ子
- ええと、失礼します先輩、……トリックオアトリート、です!
マシュ
- それなんだけどさ。ごめん、マシュ。もう、お菓子ないんです……。
ぐだ子
- ………。
マシュ
- えっと、ね?洒落じゃなく、本当に皆に配り終えちゃって……ごめん、マシュの分、残しておくつもりだったんだけど……。だから、その。
ぐだ子
- ………イタズラ、ですか?
マシュ
- …………に、なるよね。
ぐだ子
- 先輩のおたんこなす……(むーっ)
マシュ
- おたんこなすって言われたのはじめてだよ……。
ぐだ子
- ご、ごめんって。……どんなイタズラでも命令も甘んじて受け入れるから!
ぐだ子
- …………。
マシュ
- ……だ、だめ、かな?
ぐだ子
- ……なら、先輩も。
マシュ
- ぅえ?
ぐだ子
- 先輩も、なにか恥ずかしい格好してくれないと……不公平、です……っ!
マシュ
- 今すぐ水着礼装に着替えてきます!
ぐだ子
- なんて、冗談で………先輩!?い、いってしまいました。速い……。
マシュ
- ……。
マシュ
- (あれ、今から、個室に、この格好のわたしと水着の先輩で二人きり……?)
マシュ
- ……………………………。
マシュ
- ……ダ・ヴィンチちゃんから、服、取り返してもらえばよかった……。
マシュ