シュールストレミング
- おいこら
わたし
- ?
ぼく
- 魚肉ソーセージって
わたし
- いいよね
わたし
- はぁ……
ぼく
- お前もそう思うだろ?
わたし
- 魚肉ソーセージねぇ
ぼく
- どういうところ?
ぼく
- まず響きがいいよね
わたし
- あーね?
ぼく
- 味もいいし
わたし
- わかる
ぼく
- あれ?
わたし
- 普通に世界狙えんじゃね?
わたし
- いけるな
ぼく
- てか既に世界とってるよね??
わたし
- 確かに
ぼく
- ぼくも毎日魚肉ソーセージ食べてるし
ぼく
- まじで?
わたし
- 今も炒めてる
ぼく
- ひくわ……
わたし
- はい???
ぼく
- いや魚肉ソーセージ炒めるとかひくわー
わたし
- 普通でしょうが
ぼく
- いやまず魚肉ソーセージを食べてる時点でドン引きなんですけど???
わたし
- いや意味がわからん
ぼく
- さっき味がいいとかどうこう言ってただろ
ぼく
- ありゃお前犬が言ってたんだよ
わたし
- わたしが食べたわけじゃねぇよ
わたし
- 犬の言葉わかんのかよ
ぼく
- じゃなくて魚肉ソーセージは普通に人間も食うだろ
ぼく
- いや人間は食べてもお前は食べないだろわかれよ
わたし
- わからねぇよ
ぼく
- ぼくも人間だわ
ぼく
- 笑
わたし
- それ面白いな。いただき
わたし
- いやなんか冗談言った感じになってる
ぼく
- お前は生まれつき歯磨き粉だろうが
わたし
- ぼくのこと歯磨き粉だと思ってるの!?
ぼく
- 何を今更馬鹿な事を
わたし
- 歯磨き粉が魚肉ソーセージ炒めてたらそりゃ引くわな
ぼく
- というか歯磨き粉が自我をもって動いているという状況がまずおかしいって気付けんかな……
ぼく
- 記憶喪失ごっこ?わたしもやる
わたし
- いや……なんかもう……いいや別に
ぼく
- 設定はどうしようか
わたし
- しらんよ?
ぼく
- 自分の名前は覚えといたほうがいいよね
わたし
- うん……
ぼく
- イヤホンのゴムの所どっか行っちゃったんだよね……
わたし
- いや知らんけど
ぼく
- つめたくね?
わたし
- ぼく記憶喪失ごっこやってたわけじゃないし、聞かれても困るわ
ぼく
- 最後の情報に関してはよくわからんわぼくに言ってどうする
ぼく
- いやお前修正液ブラシタイプに産まれたからにはわたしのイヤホンのゴムの所探して当然でしょうが
わたし
- ぼくさっき歯磨き粉じゃなかった?
ぼく
- 細かい事はいいのよカルピスさん
わたし
- カルピスだけなんでさん付けなんだよ
ぼく
- 白濁液さん
わたし
- まとまったな。
ぼく
- ってやかましいわ
ぼく
- それが……ノリツッコミ……?
わたし
- ……そうだね
ぼく
- わたし……なにも覚えてないの……
わたし
- 記憶喪失ごっこまだやってた!
ぼく
- イヤホンのゴムの所がどこかに行ったことしか……記憶にないの……
わたし
- 気になりすぎだろゴムの所
ぼく
- ゴムの所を探さなきゃいけない……そんな気がするの
わたし
- いやゲームでよくある大事な使命みたいに言うんじゃないよお前
ぼく
- ゴムの所がー
わたし
- もうゴムの所はいいよ!
ぼく
- その辺の床探したらあるでしょ
ぼく
- 床か、なるほど
わたし
- あったわ
わたし
- よかったじゃん
ぼく
- お前これ泥棒だぞ?
わたし
- なに?
ぼく
- 犯罪だぞ?
わたし
- なんのことですか
ぼく
- お前んちのルンバが拾ってたんだよ!
わたし
- いや今どこにいるの!?
ぼく
- お前んちのリビングだけど
わたし
- ファ!?鍵かかってなかった!?
ぼく
- あんな鍵わたしにかかれば十秒もいらないんだけど笑
わたし
- 笑
ぼく
- じゃねぇよ!
ぼく
- お前のがよっぽど犯罪だわ!
ぼく
- 別にいいじゃん。掃除しといてやるから
わたし
- いやいいよ……ルンバがやってくれるし
ぼく
- メシも作ってやるから
わたし
- えー……料理なんてできたっけ?
ぼく
- 魚肉ソーセージ炒めてやるから
わたし
- いや自分で出来るわ……
ぼく
- うるさいお前これ以上続けるならここで記憶喪失になるぞ!
わたし
- どんな脅しだよ!
ぼく
- ちょっと待ってて今向かう
ぼく