Φrdeal of Lifes外伝 #1「鍛錬開始」
アモキに連行されたミルタ。10分の裏側を綴ります
- さて、この辺りが良いか(コロッセオから離れて数分。孤島にミルタを降ろして)
アモキ・サ・ピン
- えっと……わ、私をどうするつもりですか……?食べたりしませんよね?(いきなり連行されたので状況がよく分かっていない)
ミルタ・ザ・ピン
- アホか、貴様の肉など要らん。
アモキ・サ・ピン
- 嬉しいのか嬉しくないのかよく分からない返答……
ミルタ・ザ・ピン
- ……小僧、まずは単刀直入に言おう。貴様は弱い、弱すぎる。足手まといでしかない。お荷物畜生野郎だ(率直に先程の戦いでのミルタに対する感想を述べる。ほぼ悪口だ)
アモキ・サ・ピン
- うぐぅ!?(いきなりストレート悪口を食らって大ダメージ)
ミルタ・ザ・ピン
- 先の戦いにおいて貴様は継承以外で俺に傷を付ける事は叶わなかった。一撃で瀕死まで追い込まれた。要するに自力では何も出来ないただの置物だ
アモキ・サ・ピン
- ワァ……ぁ……
ミルタ・ザ・ピン
- とはいえあの状況……偶然ではあったが、貴様が居なければ力の試練を突破する事は出来なかっただろう。勝利の一端を担ったのは間違いない
アモキ・サ・ピン
- 「泣いちゃった!」って言わないんですか
ミルタ・ザ・ピン
- 小僧……俺は貴様に可能性を感じたのだ。貴様も自分が役立たずだという事は理解しているだろう、それをここで変えてやる。期間は2年……俺が貴様を徹底的に鍛え上げる(スルーして話を続ける)
アモキ・サ・ピン
- あ、はい(スルーされた)……え、に、2年……!?って、さっき10分くらいって言ってましたよね?
ミルタ・ザ・ピン
- 言ったな。外から見れば10分で終わる(空に向けて手を翳すと、孤島周辺を囲むように広がる結界が可視化されて)ここは外部と時間の流れが異なる。2年など数分程度にしかならん
アモキ・サ・ピン
- なんかどこかで見たことありますよ、こんな感じの空間……ほら、精神と時の
ミルタ・ザ・ピン
- 余計な事を言うな、口を溶接するぞ
アモキ・サ・ピン
- ヒエッ
ミルタ・ザ・ピン
- ……話を戻そう。俺が可能性を感じたのはもう一つ、貴様の剣だ。確かに砕けはしたが、それは使い手の問題であって、剣の性能によるものではない(先程の戦いで砕けた刃の欠片を取り出して)……どこで手に入れた?
アモキ・サ・ピン
- ひ、拾いました。カヴァラの下に落ちてたので……
ミルタ・ザ・ピン
- 拾っただと?何故こんな物が……(あり得ない、というような様子で破片を眺めて)憶測の域を出ないが……これは軍神の剣、「マルス」と呼ばれる神の剣と何らかの関わりがある代物かもしれん
アモキ・サ・ピン
- 神の剣……!?あれ、私そんな凄いもの壊しちゃったんですか!?祟りとかないですよね?神様怒ってませんよね?
ミルタ・ザ・ピン
- 仮に居たとしても呆れて物が言えんだろう。あんな使い方では壊れるのも当然だ愚か者め
アモキ・サ・ピン
- チクチク言葉止めましょうよ
ミルタ・ザ・ピン
- なら鍛えろ軟弱者。下層連中と渡り合える位の力が無ければ話にならん(簡単にミルタの課題点や目標などを紙に書き出し、ちょうど近くにあった岩場に突き刺して)基礎体力、筋力、持久力、精神力、魔法と剣術の練度に加えて実戦経験。要するに全てが足らん。
アモキ・サ・ピン
- そ、そんな……(しかし事実なので反論できない。頭を抱えて)
ミルタ・ザ・ピン
- まずは基礎体力だ。この島の地形を全て把握しろ。海中や洞窟まで満遍なくだ。……それと、行く前に剣を寄越せ
アモキ・サ・ピン
- え?(刃が砕け、ほぼ持ち手部分しか残っていない剣を取り出して)
ミルタ・ザ・ピン
- 俺が打ち直してやる。貴様が力を付けるのであれば、それに見合ったより強い剣が必要だろう(そう言って即席で工房を召喚し)小僧、素材は貴様が集めろ。ここはカヴァラの中でも特に良質な素材が採れる。……猶予は1ヶ月だ。準備が出来たらここに来い
アモキ・サ・ピン
- ひ、1人で……集めるんですか?
ミルタ・ザ・ピン
- 何故俺が同行する必要がある?無駄口を叩く暇があるならさっさと行け(ミルタから強引に剣を取ると工房の扉を閉めて)言っておくが、この1ヶ月で貴様がどうなろうが俺は一切関わらん。
アモキ・サ・ピン
- は、はい……(待っていても始まらない。とりあえず近くに見える森林の方へ小走りで向かっていく)
ミルタ・ザ・ピン