犯人
題名を見て分かる通り暗く重めです。【⚠誤字脱字、今作品は犯人の模様を画いたものとなりますので苦手な方は見ない出ください】
- 俺に逆らうってのかッ?!
- お前さえ居なくなってしまえば、それでいいんだ!!
- ───やめろッッ!!!
- うあ゙あ゙あ゙あ゙───ッ!!
- 頭は真っ白だった。目の前にいる憎たらしい人物が生きてることが気に食わない。腹を何度も何度も刺し、殺した。
- 母はまだ仕事から帰ってきていない。父の通帳と印鑑、財布を手に取り家を飛び出した。もう二度と帰ってくることはないだろう。
- その日、ニュース速報で流れた。
- 『──犯人は現在も逃走中です。』
- ごめなさい、ごめんなさい…お母さん…!
- 只管に謝ることしか頭になかった。ちょっとした不満が罪を犯すまでの騒ぎになるなんて思っていなかったからだ。
- どこに逃げても警察がいる。ただの見回りだろうが事件沙汰になったわけだ…僕を探してるに違いない。
- 通帳や印鑑があっても銀行に行くにもリスクがある。所持金も500円ぽっち帰るとしても精々おにぎり2個と水ぐらい。
- コンビニに入ることも怖くなってしまう。顔バレして通報でもされたら僕は処刑されてしまうだろう。それほど残酷な殺し方をしたのだから────
- 仕方ない…1日ぐらい我慢はできる……
- 誰も来ないような広い路地裏に段ボールを持ってきて少しでも風よけにと寝床を作り始める。
- 僕にしてはやるじゃん!
- 高めの自己評価して段ボールの中へ
- 今日起きた出来事は忘れてしまった方が身のためだ。サッパリ忘れて明日から自分で全て考えれば生きていける。
- おやすみなさい
- 彼が寝てまもなく誰も来ないと思っていた路地裏に眠る彼を囲んで群がりができていた。
- 覆面をした数人の男たちは彼の様子を伺ってその場を立ち去った。
- もし耐えきれず目を開けていたらどうなっていただろうか。殺されていたかもしれない。むしろ今警察に通報されているかもしれない。
- 今夜は寒さと恐怖に襲われた。
- ぅ……んん…?
- 朝。
- 日が昇り、辺りを照らす。直接日光を浴びて起きるのも悪くない。それはとても暖かかった。
- 路地裏から出ると景色が違って見えた。
- こんなに、輝いてたっけ?
- 別の世界に来たかと戸惑うくらい変わって見えた。晴れ晴れした心弾むような気分は最高だ。いい一日になると確信した。
- ん゙ー……はぁ…!
- 昨日は何も食べていなかったためお腹が空いていた。彼は無人ATMに顔を出し手早くお金を下ろした。
- 近くのコンビニに行き、おにぎり2個とパンを1個、水とジュースを持ってレジへ向かう。
- 堂々としていれば問題はない。昨日のニュースは顔出ししていないのだからそこらの子供が買いに来たと思うだろう。
- 会計は順調に進んでいる。
- 『ニュースWです。昨日夕方───』
- ここのコンビニはテレビ付きだった。
- 『事件発覚は6時44分頃、𓏸𓏸県××区の芳田篤志さん48歳が自宅で死亡しているのが発見され───』
- 昨日とは違い詳しい情報が流れ、不意にフードで顔を隠してしまった。その行動に定員は不思議に思ったが会計を続けた。
- ありがとうございました。
- 少年は商品を受け取ると逃げ去るようにコンビニから出ていった。
- 『───逃走したと見られる少年は身長は150センチ、年齢は10歳、黒のパーカーに白のNIKEマークが入った靴を履いているようです』
- 聞いた瞬間、定員の血の気が引く。何故ならさっきほど数分前に現れた少年が逃亡中の犯人の特徴と似ていたからだ。
- そして確信した。ニュースを聞いた途端フードを被り、顔を隠すような行動を取っていたこと。会計後に逃げ去るようにコンビニを出ていく姿…全てが一致した。
- 定員は慌てて携帯を取りだし119番通報した。
- はぁ…!はあはぁ……!
- 周りの音が酷く静かだった。聞こえてくるのは自身の心臓の音と吐息だけ。怖くて恐くて、あの場から早く逃げ出したかった。
- もしかすると不振な行動に通報されているかもしれない。ならもっと、もっともっと遠くに逃げなくては……
- 真横をパトカーが通り過ぎる。
- ぁ、嗚呼!なんで、やだっ、!行かなきゃ、
- 一瞬でまた恐怖に叩き落とされる。
- コンビニの方へ向かっているに違いない。必死に死ぬ気で走った。その時手元にコンビニ袋はなかった。
- 一心不乱に走り続け辿り着いた先は、
- おいッ!!そっちは、ど
- ───ははっ
- 衝突
- 少年はその場で死亡が確認された。
- 『ニュース速報です。今朝───』
- 昨日から速報ばっかじゃのぉ…
- ……ッ、ぁあ、、なんで、
- 、大丈夫ですかい…?
- 私の、せいよ!、私が、、
- …落ち着きなさい
- ごめッ、ごめんなさいッ、!
- お母さん…!落ち着いて、、!
- アンタはいつまで家族を苦しめれば気が済むの。父を殺して自ら命を絶って、残された方はどう暮らしていけばいいの。
- 犯罪者を、
- 家に報道者が押し寄せまともに暮らすことができなくなった。幸せを返してよ!
- 許せ?
- お母さんだって今を生き抜くのに必死なのよ?、憎たらしい。弟なんか初めから生まれてこなきゃ良かったのよ。
- 赦すわけないだろ。