福本ALL STARS・アカギとカイジ「頼み事」
ギャグ習作;
- 福本ALL STARS
アカギとカイジ
「頼み事」
var.Akagi
アカギ
- カイジさん、頼みがあるんだけど
アカギ
- な、何だよ……?
麻雀なら打たねぇぞ……!
カイジ
- ククッ……! そう警戒すんなよ。
簡単なことさ。
アカギ
- 今のアンタにしか出来ない事だ……!!
アカギ
- お、俺にしか出来ない事……!?
カイジ
- そうだ……
アカギ
- 何なんだよ……?
カイジ
- 頼まれてくれるのか?
アカギ
- ……聞いてから考える……!
カイジ
- 慎重だな。
まぁいい……。
アカギ
- 実は……
アカギ
- バイトの帰りでいいから
タバコとメシ、買ってきてくれ
アカギ
- はぁ……っ!?
カイジ
- 俺、今日シフト入ってねえよ。
休みなの、休み!
カイジ
- 大体そんなん、てめえで行けば
いいだろうが……っ!!
カイジ
- アカギ、カネ持ってるだろ!!
カイジ
- まぁアンタよりはね
アカギ
- でもって、こうして俺に
個チャ送ってくるって事は、
カイジ
- どうせ家でゴロゴロしてるだけなんだろ……!?
カイジ
- へぇ……、ご明察
アカギ
- 言ってろ
カイジ
- あのなぁ、アカギ。
お前、たまにゃ普通に外、出ろよ
カイジ
- 雀荘でカモ毟りに行く以外の、
普通の外出ってのを少しはしろよっ……!!
カイジ
- 相変わらずズレてんな、カイジ……!
アカギ
- 何……?
カイジ
- まぁ……、普通の生き方としちゃ
アンタの意見は間違っちゃいない
アカギ
- だが俺は、単に面倒くさがってアンタに頼んでいる訳じゃないんだぜ……!
アカギ
- え……?
カイジ
- ……ざわ……、ざわ……
カイジ
- 俺は、ほかでもないアンタに買ってきて欲しいから頼んでいるんだぜ……?
アカギ
- なっ、何だと……っ!?
俺に……!?
カイジ
- どうするんだ、カイジさん……?
俺が唯一アンタに頼むことを
受けるか、断るか……
アカギ
- 2つに1つだ……!!
アカギ
- そ、そんな……っ!
俺だけが、唯一選ぶ……、
いや違う……っ!!
カイジ
- 選ばざるをえない、
そんな選択……、局面……っ!!
カイジ
- そんな選択肢、
あってないないようなものじゃねえか……!!
カイジ
- ……何を言っているんだ?
嫌なら断ればいいだけの話……
アカギ
- グヌッ……!!
カイジ
- ……ま、ここで断られたら
俺はもう二度とアンタに頼まないがな
アカギ
- グ、グヌヌッ……!!
カイジ
- ……たっ、頼みを……
カイジ
- ん?
アカギ
- ……俺がアカギの頼みを聞く、と
言ったとしたら……?
カイジ
- フッ……!
そうだな、お前が聞いてくれたとしたら
俺はきっと……
アカギ
- ありがとう、カイジさん……!
(微笑)
アカギ
- 風来坊の俺だが……、
俺には、友がいたんだな……!!
(目を閉じた神域・最期風味の微笑)
アカギ
- …………ッ!!
ア、アカギさんっっ……!!!
カイジ
- 神域オーラ、パねぇ……!!
勝負師の端くれとして
そのオーラにゃ逆らえねぇ……っ!!
カイジ
- 待ってろ、アカギッ……!
今すぐ秒速で買ってくるっ……!!
カイジ
- だからそれまで
家から一歩も出るなよっ!?
カイジ
- いいなっ、アカギ!!
カイジ
- ……わかった。待ってるよ
アカギ
- ありがとう……!!
ありがとうございます神様!
神域・アカギさんっ……!!
カイジ
- 俺はアンタの言葉を胸に、ここから生まれ変わる……っ!!
カイジ
- カイジ、号泣……!
圧倒的感動の号泣……!!
カイジ
- ……ちょろいね
アカギ
- var.Kaiji
アカギ
- ア、アカギ……
カイジ
- どうした? カイジさん
アカギ
- たっ、頼みがある……!
お前にしか、もう俺は頼めない……っ!!
カイジ
- ふーん……?
アカギ
- ……で、何?
アカギ
- そ、その……、
カイジ
- グズグズするなっ……!!
アカギ
- ハッ、ハイ!!
カイジ
- アカギ……ッ!
かっ、金貸してくれ!!
カイジ
- 何だ、そんな事か
アカギ
- か、貸してくれるのか……!?
カイジ
- どうせ大方、また大儲けのネタを掴んだはいいが、ドジ踏んで借金抱え込んだってところだろう……?
アカギ
- そ、その通りです……。
カイジ
- ……やっぱりか。
聞くだけ無駄だったな
アカギ
- えっ、ちょ……!?
か、金は……!?
カイジ
- 知らねえな。
自分のツケは自分で支払えっ……!
アカギ
- そっ、そんな事言わないで貸してくれ
アカギッ……!!
カイジ
- お前が金を持ってきてくれないと、
俺……、俺は……っ!!
カイジ
- ……涙ぼろ……ぼろ……
カイジ
- ……俺が行って、何になるんだ
カイジ……?
アカギ
- え……?
カイジ
- 俺がアンタに貸す金を持って行って、
俺に何の利があるかと聞いているんだ……!
アカギ
- ば、倍にして、返す……!!
カイジ
- ――ドン!!――
カイジ
- 借りた金は、必ず倍にして返す……っ!!
カイジ
- ――ドドン!!――
カイジ
- ……興味ないな、そんな話……!
アカギ
- 金を積み上げる意味など、
俺にはまるでない……!!
アカギ
- グッ……!!
カイジ
- ……話は終わりかい?
アカギ
- じゃあな、カイジさん。達者でな。
いつか地獄で会おうぜ……!
アカギ
- ま、待てアカギ……!
カイジ
- そっ、そうだ……っ!
カイジ
- てっ、帝愛の会長……っ!
カイジ
- ……は……?
アカギ
- 金を持ってきてくれたら、帝愛の会長と勝負させる場を俺が作るっ……!!
カイジ
- 何……?
アカギ
- 忘れたとは言わせねえ……!
鷲巣との終わらない夏の勝負……っ!
アカギ、お前は今でもあの夏の勝負を、
あのエンドレス・ゲームを恋しがっている……、違うか……!?
カイジ
- ……ッ!
アカギ
- 鷲巣と過ごした夏並みに、アカギが死闘するに相応しい相手と場の提供……っ!
これが俺がお前に借りる金分のサービス提供として相殺……!!
カイジ
- え、相殺……?
アカギ
- 金を運んできてもらう駄賃分は、
南郷さんの出来たて☆ご褒美朝ご飯♪で
相殺……っ!!
カイジ
- ……この条件なら、どうだ……!?
カイジ
- 俺の頼み、聞いてくれるか否か……
答えろアカギッ……!!
カイジ
- クククッ……!
面白い……!!
アカギ
- いいだろう……!
その、俺にとって全く利がないどころかマイナスのとんでもない条件……
乗ってみせよう……!!
アカギ
- え……、マジか……?
ほ、本気かっ……!?
カイジ
- 見てな……!
凍りつかせてやる……!!
アカギ
- や、やった……!!
カイジ
- 俺はやったぞーーっ!!!
カイジ
- カイジ、起死回生のアカギの助力ルートをクリア……!
圧倒的快挙……!!
……どこからともなく老人と中年男の抗議のがなり声が聞こえるが、
カイジには届かない……!!
カイジの耳には一切、入ってこないっ……!!
カイジ