3章「誇れぬ烏は笑わない」4
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- 3章「誇れぬ烏は笑わない」4
- ヘデラはようやく馬を馬車から外してやれた。
- ようやく外れた……走れるか?ゼルドゥ
ヘデラ
- ヘデラの馬はブルブルと返事をする
- よしよし。お前は世界一勇敢な馬だ。
行くぞ!
ヘデラ
- 馬……!
ユナカイト
- 待ちなさい!
ユナカイト
- 行かせねぇよ!
クリムゾン
- クリムゾンはユナカイトの周りに
炎の幕を展開した
- ヘデラは馬に乗って走り出す
- アーテル殿、手を!
ヘデラ
- ヘデラさん……!
アーテル
- ヘデラは馬を走らせながらアーテルを救出し、
戦いの場から走り去った
- あ!!
ユナカイト
- ジェット!あいつを追って!
ユナカイト
- 了解!
ジェット
- させん!!
ヘデラ
- ヘデラは弓を取り出し、矢を放つ
- うわっとぉ!!!!!
ジェット
- あぶねーーっ!!!
ジェット
- チッ、あいつ、手慣れている……
ユナカイト
- あいつが私の技を避けなかったのは、馬を守っていたからね。この時を待っていたんだわ
ユナカイト
- あんた達を置いてでも、あの女をアジトに送り届けるつもりね
ユナカイト
- おう。俺の部下は優秀だからな
クリムゾン
--ストレリチア アジト--
- ヘデラだ!今帰った!
ヘデラ
- ヘデラ!アーテルぅ!!
カリンカ
- おかえりなさい
スカーレット
- 戻りました……いたた
アーテル
- 少し足を痛めたようだ。
慎重に下ろしてやってくれ
ヘデラ
- 大丈夫?僕に体重預けちゃっていいよ
カリンカ
- すみません……
アーテル
- ヘデラも怪我をしているのね
スカーレット
- ああ、しかしクリムゾン様とジェンシャンがまだ戦っている。戻らねば……
ヘデラ
- ジェットと、ユナカイトという者と戦っています。ジェットの速さを封じられる人と、魔法に対抗できる人がいると良いのですが……
アーテル
- そうね、良い人がちょうど待機してる。
声かけてくるわ。あとは彼らに任せて、ヘデラは休んで
スカーレット
- アーテルの持ってきた情報をみんな待ってるよ!手当てしながら聞かせて!
カリンカ
- ------
- お前、なかなか骨のある奴だな……
クリムゾン
- あんたらもね
ユナカイト
- ユナカイトさん、あんま長く戦うと人呼ばれそう……
ジェット
- 困るんなら、ここらで解散にしない?
ジェンシャン
- あの女を逃した以上、あんた達を倒すくらいしかやることないのよ
ユナカイト
- 強情だな〜
ジェンシャン
- 車のエンジン音が近付いてくる。
ライトが道を照らした
- 車?こんな夜中に?
ユナカイト
- え?
クリムゾン
- クリムゾンサーーーン!!
応援に来たぞー!
ターミガン
- ヘデラとアーテルは無事だ!
さっさとこいつら追っ払って帰るぞ!
カメリア
- 増援……
ユナカイト
- させねぇ!
ジェット
- 『停滞(テヌート)』!!
カメリア
- カメリアは手にしていたギターをかき鳴らす。
殴りかかろうとしたジェットの動きが鈍った
- ??!!
ジェット
- ちょ、何すんだよ!
ジェット
- 音魔法だよ。
音波で空間に淀みを作ると、全てのものの動きは鈍る。重ねてかければこの通りにね
カメリア
- 自慢のスピードは封じてやるよ。
大人しく退散しな
カメリア
- そうだ!退散しろー!
ターミガン
- だー!もう!!やっと出れた!
ジェット
- 速さありきで戦ってる奴の邪魔するなんて簡単だよ
カメリア
- さすがカメリアサン!俺もやろ!
ターミガン
- カミナリ、落ちろ!
ターミガン
- ターミガンが刀を振ると、地面に雷が落ちた
- 煩いのが増えたわね
ユナカイト
- 耳痛い……
ジェット
- って、煩くして通報されたら、あんた達にもマズいんじゃないの?
ユナカイト
- ここはシケた庶民街で電話もない。人が直接サツに言いに行かなきゃなんねーのさ。足止めしときゃどうとでもなるよ
カメリア
- そうそう、外に出てきたら脅して口封じするだけだよ
ジェンシャン
- そう。裏組織らしい答えだわ
ユナカイト
- さすが汚いな!
ジェット
- 何とでも言いな。動きが鈍くなったところをこいつの太刀でぶった斬ってやるよ
カメリア
- 準備OKだぞ!
ターミガン
- それとも俺の短刀でグサーがいい?
ジェンシャン
- 俺の炎で焼いてやってもいい。
好きな死に方を選ばせてやる
クリムゾン
- ユナカイトさん、どうにかなんないですかこれ??
ジェット
- …………
ユナカイト
- ストレリチア……クリムゾンとか言ったかしら?あんた達の目的は達成されたんでしょ?
ユナカイト
- え?ああ……
クリムゾン
- じゃ、ここで争っても無駄ね
ユナカイト
- あたし達を捕まえたり殺したとして、何も得るものはないわ
ユナカイト
- 文句があるなら、あたし達の主に言って。わかってんでしょ?ウェネーヌム卿があんた達に喧嘩を吹っかけてるのは
ユナカイト
- 今度はウェネーヌム卿の命令で戦う時に会う。それで良いでしょ?
ユナカイト
- つってもタダで帰すわけにはいかねぇな
クリムゾン
- ウェネーヌム卿の目的はなんだ?
教えてから帰れ
クリムゾン
- ……新しい兵器。
魔弾銃では飽き足りてないわ
ユナカイト
- ウェネーヌム卿はあんた達みたいな裏組織の人間が嫌いみたいよ。
ユナカイト
- 兵器が増えれば、人死にが増えるわね。あんた達裏組織の人間は、あの人の実験台なの
ユナカイト
- お互い退きましょ。あんた達は車もある。そんなに人がいるなら後ろも見張れる。手出ししないと誓うわ。先に行きなさい
ユナカイト
- ハッ、なるべく会いたくないもんだな
クリムゾン
- その言葉、そのまま返すからね
ユナカイト
- ---
- 随分と嫌われたもんですね
ジェンシャン
- そりゃな。裏世界の組織なんか、貴族やブルジョワにとって煙たい存在だよ
クリムゾン
- 煙たいからこそ価値があるんだがな。同時に手を組む相手にもなり得る。お前の国でもそうだろ?
クリムゾン
- そっすね。どこも似たようなものか
ジェンシャン
- そもそもあの2人だって裏組織みたいな奴らじゃないのか?ヒエラだって……
カメリア
- ジェットは完全に暗殺拳の動きだったしな
クリムゾン
- 貴族も武力持つと裏組織じみてくるんですね〜
ジェンシャン
- 裏組織じみた貴族ならストレリチアをも恐れない、か
クリムゾン
- 新しい兵器作ったら、どうするんだろうな?
ターミガン
- 兵士を増やすんじゃないか?
カメリア
- 貧乏人に武器を渡して兵士にすれば、飢える奴らが減るし、そいつらが言うこと聞いてくれる。支配者的にはやり易いんだろうけどね。
カメリア
- そんなことしたら、武器持たされた貧乏だった奴らもいっぱい死ぬぞ!
ターミガン
- 危ないことさせられるのは、いつも貧乏人だ!
ターミガン
- 貴族ってのは貧乏人を助ける術をよく分かってないね。ストレリチアはその点上手いと思うよ。な、ターミガン
カメリア
- おう!ストレリチアは、俺みたいに学がなくて貧乏だった奴にも金になる仕事くれるから好きだぞ!
ターミガン
- 前はガテン系の仕事してたんだけどさ、すっごい危ない現場なのに、安い給金でやらされて腹立ったことある!こっちの方がいい!
ターミガン
- 人殺しのがマシな現場ってヤバ
ジェンシャン
- 俺、孤児院やってる実家に仕送りしてるからさ、金はいくらあっても困らないしな!
ターミガン
- え、善人……なんでストレリチアいるの??
ジェンシャン
- 給料いいから!
ターミガン
- うん、さっきの撤回させて
ジェンシャン
- こんなのの軍団を相手にするんだから、ウェネーヌム卿も茨の道だな……
クリムゾン
- あいつも倫理観いっちゃってるぞ。
ヤベーの対ヤベーのになるだけだ
カメリア
- お前ウェネーヌム卿に詳しいな。喋ったことあんのか?
クリムゾン
- ……昔、ちょっとな
カメリア
- そんなことより、アーテルの持ってきた情報を早く聞こう!帰るぞ!
カメリア