マフィアは今日も大忙し
「文豪ストレイドッグス」の創作話・短編集。
- ホーソーン戦後
モブ
- よぉ、芥川。組合の連中をやっつけたんだってな。何か弱点なんか見付けてねえか?
中原中也
- 弱点、ですか
芥川龍之介
- そうだな、組員が云っていた事でも善い
中原中也
- 云っていた事といえば小男や、悪魔などの宗教関連が多い印象です
芥川龍之介
- 中原中也は思った。芥川が小男なら自分は何なのかと。そしてある結論に至る。そう、これは組合による挑発行為なのだ。
モブ
- ……その野郎、俺がブッ飛ばす!!
中原中也
- いや、僕が倒しました
芥川龍之介
モブ
- 或るキョウダイ
モブ
- お義姉さん
銀
- も、もう一度…!
樋口一葉
- 銀、ちょっといいか?
立原道造
- お義姉さん
銀
- …何やってんだ?アンタ
立原道造
- これは…!貴方には関係のない事です!!
樋口一葉
- そうかよ。で、銀。明後日の約束だけどよ、映画でも善いか?
立原道造
- 銀が小さく頷く。その顔には僅かに赤みが掛かっているような気がした。
樋口一葉
- 二人で何処かに出掛けるのですか?
樋口一葉
- ああ、ちょいとデートに行くだけだ
立原道造
- その言葉を聞き、躰に衝撃が走る。元来デートとは好意を持つ者がするものだ。だとすればこの二人は…。
樋口一葉
- ……立原、上司として命じます
樋口一葉
- あ?んだよ
立原道造
- お義姉さんと呼びなさい
樋口一葉
- 何でだよ!?
立原道造
モブ
- 名言
モブ
- ふふふ…鏡花は今日も愛らしいのぅ
モブ
- ……紅葉さん、ずっとああなんです。中也さんからも何か云って貰えませんか?
樋口一葉
- 姐さん。それは鏡花じゃねぇ。只の着物だ
中原中也
- そんな事……そんな事は判っておる!妹のような存在と会えぬ淋しさがどれ程苦しいか…
尾崎紅葉
- 残念ながら俺には判らねぇよ。じゃあ姐さんは鏡花に戻って来て欲しいのか?
中原中也
- 戻って来て欲しくない訳が無かろう!
尾崎紅葉
- 自分で選んだ道を棄ててまで、鏡花が此処に戻る事を本当に望むのか?
中原中也
- …それは……
尾崎紅葉
- 会えなくても相手を想ってやるのが姉貴分ってもんだろ。姐さんだって気付いてるんだろ?
中原中也
- ………
尾崎紅葉
- どうしても淋しいってんなら手紙でも出せば良い。でも便箋をその涙で濡らさないようにな
中原中也
- 中也が良い事言ってる…!
尾崎紅葉
- そう思う紅葉であった。
樋口一葉
- …姐さん、口に出てるぜ
中原中也
樋口一葉
- 疑問
樋口一葉
- 芥川先輩はマスクとか付けないんですか?
樋口一葉
- あれは好きではない。蒸し暑いばかりで鬱陶しいだけだ
芥川龍之介
- でも付けた方が楽になるかもしれませんし…
樋口一葉
- 前に付けた時、苛立って羅生門を発動した
芥川龍之介
- …なら付けない方が善いですね
樋口一葉
芥川龍之介