困ります、会長様!~学校紹介ビデオ編~
私の小説「困ります、会長様!」を音声化。書き下ろし!神崎先輩がついに登場です。
- 「学校のCM?」
ひろやん
- 「うん。校長から目立つ俺ら三人にCMをやって欲しいと」
会長
- 「まさか、テレビデビュー?」
ひろやん
- 「ちーがうよ。学園祭で流したいんだって。校門の前のおっきなモニターで」
会長
- 「3人?俺と和哉と・・・」
ひろやん
- 「あと、神崎っち!」
会長
- 「マジ!?」
ひろやん
- 「流れとしては、俺ら三人が適当に何かやってその後部活紹介ビデオや施設案内を流すらしい」
会長
- 「は?部活案内と施設案内だけで良くねぇ?」
ひろやん
- 「校長のお考えだととにかく印象が残るビデオにしたいんだって。そんで学校のイケメンスリーである俺達を指名したわけ」
会長
- 「イケメンスリー?ださっ」
ひろやん
- 「会長、ビデオカメラ持ってきました」
かんざき
- 「お、神崎っち!ありがとう!」
会長
- 神崎っちがビデオカメラを持って教室に入って来た。
会長
- 「今日撮るのかよ!?」
ひろやん
- 「ひろやんも神崎っちも部活無いし、ちょうどいいでしょ!」
会長
- 「仕方ねぇな。どんな始まり方がいいんだ?」
ひろやん
- 「最初のテロップだけ決まっているんだよ。この学園には三人の王子様がいますって始まる」
会長
- 「うわっ。めちゃくちゃ恥ずかしい始まりだなぁ、おい」
ひろやん
- 「で、その後は自由。コスプレしてもいいし、セクシーな感じでもいいらしい」
会長
- 「学校の紹介ビデオだよなぁ?」
ひろやん
- 「まずは構成を考えましょう!ひろやさん、会長」
かんざき
- 「じゃあ、一番はひろやんで。ナレーションは俺で」
会長
- 「あ、ああ」
ひろやん
- 「セクシー担当ひろやん。昼はサッカー部のキャプテン!だけど夜は・・・」
会長
- 「何?眠れないの?じゃあ、俺のそばにおいで?ま、どうなっても知らないけどね」
ひろやん
- ひろやんは、にやっとしながら言った。
会長
- 「カット!いいね!ひろやん!」
会長
- 「いや、学校の紹介ビデオでそのセクシー要素はいらない気がしますが」
かんざき
- 「神崎ちゃん厳しい!仕方ないじゃん。俺、この三人の中ではセクシー担当なんだから」
ひろやん
- 「何ですか。セクシー担当って」
かんざき
- 「ちなみに神崎ちゃんはDT担当」
ひろやん
- 「いりません!そんな担当!」
かんざき
- すると、突然教室のドアが開けられた。
会長
- 「会長。生徒会室にノートお忘れでしたよ?」
りくたん
- 「りくたん!!」
会長
- 「手間をかけさせないでください」
りくたん
- 「丁度良かった。りくちゃん、協力して貰っても良い?」
ひろやん
- 「何ですか?ひろや先輩」
りくたん
- 「学校紹介ビデオの撮影の協力!次は丁度和哉だからさ」
ひろやん
- 「会長が?」
りくたん
- 「そ!和哉の相手役やって」
ひろやん
- 「わ、私がですか!?」
りくたん
- 「わーい!りくたんと一緒だぁ!」
会長
- 「和哉、りくちゃんをドキドキさせるつもりでやろっか」
ひろやん
- 「はーい!」
会長
- どうしよっかな。 スキンシップ激しいのは、りくたんが嫌がるからなぁ。 あ、そうだ!
会長
- 「会長?きゃっ!」
りくたん
- 俺は、りくたんを壁に押し付けた。
会長
- 「ね、さっきの男誰?生徒会室の前で話してた男」
会長
- 「た、ただのクラスメイトですよ?」
りくたん
- 「ふーん?そのわりにはやたらと親しげに話してたけど」
会長
- 「あ、あの・・・」
りくたん
- 「俺以外の男見るの、禁止」
会長
- 俺は、りくたんをじっと見つめて言った。
会長
- 「カット!いいものが撮れたわ!あれ?りくちゃん?」
ひろやん
- 「水沢さん!?フリーズしてらっしゃる・・・」
かんざき
- りくたんは顔を真っ赤にして固まってる。
会長
- 「りくたん!?お兄ちゃん、そんなに気持ち悪かった!?ごめんよぉ!」
会長
- 「会長のバカ・・・」
りくたん
- 「りくたぁん!」
会長
- 「さて、次は神崎ちゃんね」
ひろやん
- 「えっ!?」
かんざき
- 「女子をドキッとさせるつもりで!」
ひろやん
- 「わ、分かりましたよ!」
かんざき
- お、神崎っち?
会長
- 「ようこそいらっしゃいました。貴方が来るのを待っていたんです。僕と一緒にいい汗、流しませんか?」
かんざき
- 「カーット!何、竹刀向けてるの!?神崎ちゃん」
ひろやん
- 「剣道部に入って頂きたく」
かんざき
- 「だめだめ!もっとドキドキさせないと!」
ひろやん
- 「はぁ」
かんざき
- 「よし!今から俺が指導してやるよ」
ひろやん
- ひろやんは神崎っちに演技指導を始めた。
会長
- そして
会長
- 「僕ですか?今、次の試合に向けてずっと練習をしております。そうだ、次の試合。僕が勝ったらお願い聞いて頂けますか?貴方の為に一生懸命頑張ります。だから、僕が優勝したら、僕にキスしてください。いいですね?」
かんざき
- 神崎っちは竹刀を向け、言った。
会長
- 「カット!!完璧!新しい神崎ちゃんが見られたね!」
ひろやん
- 「あの、どんどんおかしな方向になっているような?」
りくたん
- 「よし、俺らのパートはこれでオッケー!編集は俺達生徒会に任せなさい!」
会長
- 「ああ、また厄介な仕事が増えました」
りくたん
- 「頑張りましょう、水沢さん」
かんざき
- こうして俺達の学校CMはそのまま採用された。驚く事に学園祭の当日、学校紹介ビデオが動画サイトに上げられ、500万再生いってしまった。
会長
- 「やまざきひろや先輩。かっこいい人だなぁ。色っぽい人だなぁ」
あゆ
- 「あゆちゃん?どうしたの?」
りくたん
- 「ううん、なんでもないっ。綿あめ食べようよ!りくちゃん!」
あゆ
- 「うん!」
りくたん
- 高校二年の秋、イケメンスリー初の仕事は大成功!!
会長
- 「今年も野郎だけで学園祭を回る事になるとはな。来年は彼女と回るのかな」
ひろやん
- 「あんな恥ずかしい仕事、2度と受けませんからね!」
かんざき