戮と竜夜で「幸福な朝」
榊氏に捧げます。
- 最初の朝から少し経った今、俺は調理場に立っていた。理由は一つ、リュウヤに料理をさせないためだ。
戮
- 「俺も手伝う〜〜」
竜夜
- 「待て」
戮
- 「俺は犬か!!?」
竜夜
- リュウヤの料理は……まあ、食えるが正直な所好き好んで食うものではない。
戮
- 「大人しく待ってろ」
戮
- 「……分かった」
竜夜
- そんな…くだらないやり取りも、飽きる程した。
戮
- 「戮?」
竜夜
- 「何だ」
戮
- 「その……何だ、ありがとな」
竜夜
- 突然、かけられた感謝の言葉に少し…驚いた。
戮
- 「…礼を言うのは……俺の方だ」
戮
- リュウヤに背を向けて、聞こえないであろう声量でつぶやいた。
戮
- 「ん、今何て?」
竜夜
- 「気が散る、黙れ」
戮
- あの頃とは違う今、その幸せを……噛み締めよう。
戮