2章「愚者は酔狂を求めるか」3
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- どいてもらいますよォ
ニベ
- 一般人じゃない侵入者は捕まえて尋問っ知っててこれだもの。腕に覚えがあるってことだよね!
ジェンシャン
- 俺も強いぞ!
ジェット
- へ〜。じゃあ見せてもらお…
ジェンシャン
- うらぁっ!!
ジェット
- ?!
ジェンシャン
- ジェンシャン!
ヘデラ
- 痛っ…!すごいねアンタ!
ジェンシャン
- 手早く終わらせますよォ
ニベ
- ニベは魔法を放った。
黒い手が地面から生え、ジェンシャンとヘデラを追い回す
- チッ……すばしっこい
ニベ
- 厄介な魔法の使い手だな
ヘデラ
- 気持ち悪〜。闇属性かな?
ジェンシャン
- ご名答。私は呪術師、人を呪い殺すのを生業としている者です
ニベ
- この手に捕まったら、生きて帰れると思わないことですよォ
ニベ
- うわ…ニベちゃんが本気だ
ジェット
- やるといったらやりますからねェ?
ニベ
- ではこちらも。大怪我しても文句は言わせんぞ!
ヘデラ
- グッチャグチャにしてやるー!
ジェンシャン
- っと!お前ら!苦戦してたなぁ?
クリムゾン
- 部下を鍛えてくれてたようで礼を言うぜ?
クリムゾン
- あ!おまえは…
ジェット
- クレムリン!
ジェット
- クリムゾンだ!!!!!!!!!!!!
クリムゾン
- 気を付けてください。布を被った男の方は呪いの魔法を使ってきます
ヘデラ
- 呪い?物騒だな
クリムゾン
- 大方私を狙うつもりでしょうが、気を取られてるとジェットに倒されますよォ?
ニベ
- かかってこいや!!
ジェット
- ハッ、てめーの呪いとかいうのがどんなもんか、教えてくれるんならありがてぇ
クリムゾン
- 俺の実力を見せてやる!
クリムゾン
- わーーーっ!!ヘデラ避けろー!!
ジェンシャン
- いかん!
ヘデラ
- ジェンシャンとヘデラは伏せた
- 夜の裏路地に銃声が響き渡る
- !?
ニベ
- 掠めただけでしたか…
ニベ
- (まぐれだ……)
ジェンシャン
- (珍しい…)
ヘデラ
- ちっ、外したか
クリムゾン
- 増えても無駄です
ニベ
- 消えるのはあなたからでも良いんですよォ?
ニベ
- (良いこと考えちゃった〜)
ジェンシャン
- ねーヘデラ、俺に作戦あるんだよね
ジェンシャン
- 俺らの国の言葉わかる?
ジェンシャン
- 首都に近い北部の言葉なら
ヘデラ
- じゃあ首都の方言で喋るよ
ジェンシャン
- 行くよヘデラ!!
ジェンシャン
- 了解!
ヘデラ
- 金髪方頼!俺布被方倒!
ジェンシャン
- 頼!
ヘデラ
- え?
ジェット
- お前ら何言って…?
ジェット
- 油断大敵也!
ヘデラ
- うおっ?!お前が来るのかよ!
ジェット
- ジェット、負けるんじゃないですよォ!
ニベ
- お前の相手は俺だよ!
ジェンシャン
- ちっ…
ニベ
- ジェンシャンの短刀攻撃をバリアで防ぐニベだが、少々辛そうだ
- 外国語で指示を出すとは、貴方の子分、機転がききますねェ…
ニベ
- ……だろ?(俺もジェンシャンとヘデラが何言ってるか分からねぇ…涼しい顔しとくか…)
クリムゾン
- くっそ…狭いからやりにくいぜ
ジェット
- ジェット、これ以上の深入りは無用です…帰りますよォ
ニベ
- えっ、でも…
ジェット
- ここまで騒がれておいて進めるわけないでしょォ?一旦退いて、出直しです
ニベ
- ……わかった
ジェット
- 今日のところはサヨナラだ!じゃあな!
ジェット
- ジェットとニベはクリムゾン隊の攻撃を振り切り、町の外へ出て行った
- 行ったか…
ヘデラ
- なーんか危ない二人組だったね
ジェンシャン
- アイツとまた会うとはな
クリムゾン
- クリムゾン様、前に会ったことあるの?
ジェンシャン
- ジェットって方にはな。
オッサンの方は初めてだ
クリムゾン
- クリムゾン様、スカーレット殿はどこへ?
ヘデラ
- え?あれ?いつの間にかいなくなってんな
クリムゾン
- 帰っちゃった?
ジェンシャン
- あいつはそんなヤツじゃねーよ
まさか、追跡に行ったか?
クリムゾン
- どうします?
ジェンシャン
- 俺らで行っても邪魔になるだろ。
戻ってくるのを待つぞ
クリムゾン
- ー町の外ー
- ふー……やっぱストレリチア地区って言われてるだけあって警備固かったな
ジェット
- 全くですよォ。他人が騒ぎを起こした後のストレリチア地区なんて、行っても碌な目に遭いませんよォ
ニベ
- この前ストレリチア地区に送られてた奴、戻って来てないんだろ?
ジェット
- ええ。死んだんでしょうねェ
ニベ
- そもそも、何のために2回も3回も同じ所に行くんだ?ストレリチア構成員を殺したいだけなら同じ場所じゃなくてもいいじゃん
ジェット
- ええ。というか、膨大にいる構成員を1人や2人殺したところでストレリチアには大した影響はないんですよねェ
ニベ
- なあ、気になってたんだけど、この前の奴は、誰でもいいから殺してこいって言われて向かわされたのか?
ジェット
- それはないでしょうねェ。対象は指定されていたはずです
ニベ
- ま、かの任務に関わってない私たちが知る術は無いんですけどねェ
ニベ
- 最初の奴にも暗殺司令があったのかな?
ジェット
- だとしたら雑すぎます。町のど真ん中で始末した上に、死体も置き去りだなんて
ニベ
- あれは手慣れの者が見せしめにやったことです。誰かは知りませんけど
ニベ
- じゃあ2人目の奴は、警備が厚くなってんのわかってて向かわされたってことか?
ジェット
- ガチガチの警備を潜り抜けて暗殺任務こなすような手慣れの奴、何人もいるかな……
ジェット
- さァ?
ニベ
- そんなことより、お喋りはほどほどにした方が良さそうですよォ?
ニベ
- 盗み聞きしてる人がいるでしょォ?
出てきたらどうです?
ニベ
- ………………
スカーレット
- しらを切るつもりですかァ。
まァ良いでしょう
ニベ
- 聞いてたなら分かるでしょうけど、ストレリチア地区で起きた最初の殺人と、この前の侵入者と、私たちは別々に動いていました
ニベ
- 私たちの情報をくれてやる気はないですが、良いことを教えましょう
ニベ
- あなた達がこの前の侵入者の遺品から割り出して付けた目星は、恐らく正しい
ニベ
- ……正しいですが、触れると厄介事が増えるでしょうねェ
ニベ
- 手段を選ばない者ってのは、敵にすると面倒ですからねェ
ニベ
- ……それじゃ、私たちはこれで。
行きますよォ、ジェット
ニベ
- ん、わかった
ジェット
- じゃあな、立ち聞きしてる人!
ジェット
- …………
スカーレット
- ーストレリチア地区ー
- ……ただいま
スカーレット
- スカーレットさん!
ジェンシャン
- 無事でしたか。良かった
ヘデラ
- お帰り。遅かったな
クリムゾン
- なんか収穫はあったか?
クリムゾン
- ジェットって男を探してたの。
シュエットがクリムゾンの任務について行った日に会った男よ
スカーレット
- 間違いなくあの人よね?
スカーレット
- おう。あいつで間違いねぇ
クリムゾン
- ところで、ジェットと一緒にいた被り物の男はなんて名前?
スカーレット
- ニベと言っていました
ヘデラ
- ニベ……分かったわ。ありがとう
スカーレット
- 貴方たちの任務に呼ばれて良かった
調査も大きく進むわね
スカーレット
- いえいえ!ぜひまた一緒にお願いしますね!
ジェンシャン