傘立ての仕事 その1
『傘立て』という女は雨の日に、仕事をする。「さあ、仕事の時間だ。」
- 傘立て…彼女は今日も雨の中、犯罪者を殺す…
アイリス
- ええと…今日のターゲットは…
青木 重#現代
- 彼女はペラペラと紙をめくっていく。さまざまな犯罪者が書かれている。
アイリス
- 連続刺殺殺人犯…真戸留 有主ね…
青木 重#現代
- 彼女は真戸留(まどる)有主(アリス)に目をつけた。
アイリス
- さて、傘を立てに…行きますか。
青木 重#現代
- 彼女は準備をすると彼女のいる場所に行くだろう。
アイリス
- ええと…君、誰?
真戸留 有主
- …誰でもいいですよ。真戸留さん。
青木 重#殺人
- なんで、名前を知ってるの…?
真戸留 有主
- だって、貴方は…
青木 重#殺人
- …!
真戸留 有主
- 真戸留は傘を投げ捨て、急に包丁を青木に突きつけようとする。
アイリス
- 口封じでもしようとしているのですか?
青木 重#殺人
- …それが何か?
真戸留 有主
- そうですか…それでは、『傘立て』の名において…
青木 重#殺人
- 『傘立て』…なにそれ、カッコいいと思ってるの?
真戸留 有主
- 青木は傘を閉じると笑顔で、こう言った。
アイリス
- 貴方を殺しましょう。
青木 重#殺人
- へぇ…やってみなよ。
真戸留 有主
- そのようなことを言えるのは今だけですよ。
青木 重#殺人
- 青木は傘の先を真戸留に突きつけるだろう。
アイリス
- それだけ?
真戸留 有主
- 真戸留は包丁で傘を受け止める。そして、包丁を投げつける。
アイリス
- 危ないですね。包丁、いくつあるんですか?
青木 重#殺人
- 残り…11だよ。
真戸留 有主
- へぇ、…そうなんですね。
青木 重#殺人
- 青木は傘を差すだろう。
アイリス
- 何がしたいの?まあ、どうでもいいか。
真戸留 有主
- 真戸留は10も包丁を投げつける。
アイリス
- こうするんですよ。
青木 重#殺人
- 青木は傘をグルグル回す。しかも包丁を弾いていく。
アイリス
- なんだよ…それ…
真戸留 有主
- 何って、傘ですよ。
青木 重#殺人
- ヒッ…
真戸留 有主
- 真戸留は恐怖からか青木に向かって包丁を刺そうとする。
アイリス
- あっけないなぁ…
青木 重#殺人
- 青木は包丁を受け止める。
アイリス
- …やばい…
真戸留 有主
- 包丁を受け止られて驚いて、傘を捨てて、逃げ出す。
アイリス
- 逃げ出すのは、良くないですよ…
青木 重#殺人
- 青木は投げられた包丁を全て集め、紐でまとめる。
アイリス
- …それで、何をするつもりです…か?
真戸留 有主
- こうするんですよ。
青木 重#殺人
- 青木は包丁を真戸留に向かって突き刺す。
アイリス
- …ぇ
真戸留 有主
- あ、そうだ…
青木 重#殺人
- 大きな穴を開けた真戸留に向かって、青木は捨てられた傘を立てる。
アイリス
- あなたの傘、立てておきますね。
青木 重#殺人
- …
真戸留 有主
- 『傘立て』として…ですけどね。
青木 重#殺人