奇異 II
続きました。ちゃっかりと続きやがりました。どうぞ。
- ……イマジナリーフレンド。って、博士は、聞いたことある?
- 博士のほうから視線を外し、ただ前を向いて、拳を握りながら藍は聞く。
- あるよ。想像上の友人のことだろう
- そう。一般的には、子供がよく創るものだと言われているけど、実際には大人が創ることもある。
大人も創る、とは言えども……イマジナリーフレンドを創る大人は、寂しい大人だ、なんて言われがちだけど
- それで? と、博士は藍に話の続きを促す。
今話すから待ってて、とでも目で話すように、藍は博士に目線を向けた。
- それで、博士は……イマジナリーフレンドを創るのは、人間、そしてそれに及ぶような生物に限ったことだと思う?
- ……難しいことを言うね
- 返事も返さないまま、藍は博士の目を見つめた。
- 君は仮にも、ロボットだろう
- うん
- それなのに、自分の可能性を否定するようなことを言うのかい
- 違う
- 藍は、間を開けずに博士の言葉を否む。その瞳は、曇らないまま博士の白衣姿を映している。