わたしの初恋#3
キンプリ永瀬廉くんがジャニーズになる前からのお話。
- 昨日人生初めてのバレンタインを渡したれな。昨日は不安だったが、吹っ切れた様子でいつも通り過ごしていた。
- れなーー
優子
- はいーー
れな
- 日曜の試合何体何だっけーー
優子
- 76対56ーー
れな
- 向こうのセンター何番だっけーー
優子
- しらんーー
れな
- どうやら今日の部活で提出するバスケノート(反省ノート)を必死に書いているようだ。
- 終わったーーー!
れな
- と言いながら2個後ろの席の優子にノートを投げ出すれな。それを素早く机に置き直す優子。
- トイレ行ってくる
れな
- と言い後ろのドアに目をやると、そこにいるはずのない人がいた。昨日チョコを渡した永瀬廉である。
- …
れな
- 2、3秒固まって立ちすくれな。
我に戻り、気まずさから前のドアから出ることにした。すると、
- 水原さん!
廉
- 永瀬廉の横を通り過ぎたあたりで呼び止められた。え?なんで?
おそるおそる振り返るれな
- ちょっといい?
廉
- と言い、手で非常階段裏へと手招きする。
- あのさ、昨日、俺にチョコくれたりした?
廉
- 超動揺しつつただ首を縦に振るれな。
- あ!そっか!ありがとう!
めちゃくちゃ美味かった。
廉
- 言葉にならない喜びに、ただ頷くれな。
と同時に6時間目を知らせるチャイムが鳴り響いた。
- あ、お返し楽しみにしてて!じゃ!
廉
- 走って教室に戻っていった永瀬廉
何が起きたか分からず、その場に立ち尽くすれな。チャイムが鳴り終わってしまうことに気づき慌てて教室に戻る。
やばい、私の名前呼んでくれた、会話した、え、お返しくれるの?
それだけがずっと頭の中をループして、6時間目は終わった。
紗良に報告したら、すごく喜んでくれた。
その日から、帰りの部活のミーティング中や水汲みのときにちょくちょく目が合うようになった。その回数に比例して私のシュート率も上がった。