不自由な人形♯10
やっと一区切りできた
- ♯10「目的は1つ」
- 1年前
- 会議室
- 聞いたぞトム。お前が裏で外の話をしていた事を。言ったはずだ、外の世界の話だけはするなと...
騎士
- それを条件にお前を騎士にしてやった。だが、お前は約束をやぶった
騎士
- 何故だ?何故お前は約束をやぶった?
騎士
- すみません...
トム・クロース
- 理由なんて簡単だろ。こいつはマイケル様への反逆者。たく...マイケル様の事だけを考えてりゃいい話を...
騎士
- まったくだ...
騎士
- 仕方ない。こいつは処分だ。本当はこんな事したくなかったが
騎士
- あくまでお前は監視役。マイケル様とあまり関わりがない。だからお前が消えても誰も気づかないだろう
騎士
- そうだな。なんの問題もない
騎士
- 確かに僕は...あなた達の言う...マイケル様の反逆者だろうね...
トム・クロース
- 2人の約束をやぶったことは...本当に申し訳ないと思ってる
トム・クロース
- 今更謝ったところでお前の処分が取り消されると思うか?
騎士
- お前は元々使われなくなった人形。こうなる運命なんだよ
騎士
- 大人しく受け入れろ
騎士
- そうだね...確かに僕はもう誰にも必要とされてないのかもね...
トム・クロース
- だからだと思う
トム・クロース
- 何が言いたい?
騎士
- 僕がここに来て...ある人と出会ったんだ
トム・クロース
- とても優しい人で...いつも会う度に凄く...楽でいられた
トム・クロース
- 僕にとっては...彼はとても必要な存在なんだ
トム・クロース
- 僕がね...彼に外の世界の話をしたのは...
トム・クロース
- 「僕と似ていたから」
トム・クロース
- 似ていた?
騎士
- あの時の僕と...似ていたんだ
トム・クロース
- ここに来る前に...僕には遊んでもらえる子供がいた
トム・クロース
- 毎日が楽しかった...本当に言葉では表せれない程...凄く楽しくて...
トム・クロース
- 彼に会いたくてずっとガラスケースの中で彼を待っていたんだ
トム・クロース
- だけど...ある時から彼は僕と遊ばなくなったんだ
トム・クロース
- 僕は1人でずっと...彼が来るのを待っていた...
トム・クロース
- だけど来なかった
トム・クロース
- そしてある日...ようやく彼が来て、ガラスケースから僕を取りだしたんだ
トム・クロース
- やっと遊んでもらえると...思っていたけど
トム・クロース
- 僕はバックに入れられた
トム・クロース
- 長い時間そのバックの中に揺らされながら、どこに連れていかれるのか不安な状態で怯えていた
トム・クロース
- そして経ってから、少しチャックを開けて外を覗いたんだ。本当に言葉では表せれないくらい衝撃的な光景だった
トム・クロース
- とても美しくて...キラキラと輝いて見えた...
トム・クロース
- あなた達もずっとここにいて...見ることはないだろうけど...
トム・クロース
- ......
騎士
- ......
騎士
- そして...少ししてから揺れが止まったんだ。そして着いた場所がマイケルハウスだった
トム・クロース
- 僕はマイケル様に預けられたのさ
トム・クロース
- もう......僕を必要としてないから
トム・クロース
- 彼の去りゆく後ろ姿をただ抱きかかえられながら見ているだけだった
トム・クロース
- 何も...最後の言葉もなかった...僕も言いたかったけど...
トム・クロース
- それからずっとこの家で生活していた。マイケル様に気に入られなかったのか...僕はまた1人
トム・クロース
- また同じような生活が待ってるのかと思ったが...ある人と出会った
トム・クロース
- 彼もまた...僕と同じ経験をしていた人だった
トム・クロース
- 彼と話す度に...本当に自分の心も痛くなって...
トム・クロース
- その時の彼は...本当に苦しそうで...居なくなりたいと言っていたんだ
トム・クロース
- なん......だと...?
騎士
- そいつは誰だ
騎士
- だけど僕は...必死に話題を考えて...楽しい話をしたんだ...
トム・クロース
- 君には必ず居場所があるって...
トム・クロース
- そして...僕は彼に外の世界の話をした...
トム・クロース
- 世界はこんなにも広いんだって...きっとこの広い世界の中なら居場所があるって...
トム・クロース
- そして...彼の笑顔を見る度に...自分はこの人を助けたいと思ったんだ
トム・クロース
- 回想
- 私ね...もしかしたらあなたの気持ちが...凄くわかると思うの
ミーナ・ステンチ
- ずっと1人で...自分の居場所と環境を探していた...
ミーナ・ステンチ
- そうなんでしょ?
ミーナ・ステンチ
- あなたのその辛さは...きっとわかる気がする
ミーナ・ステンチ
- ミーナ...
トム・クロース
- 回想が終わる
- そしてトムの目から涙がこぼれ落ちる
- 僕の気持ちを...理解してくれる人に...初めて出会えた...
トム・クロース
- それだけで...とても嬉しかった
トム・クロース
- 僕が外の世界を話した理由は...それだけです...
トム・クロース
- 一時部屋の中が静まる
- わかった。お前がなぜ話したのかがわかったよ
騎士
- だがな...1度話した奴は...もう信用できん
騎士
- はい......
トム・クロース
- こっちへ来い
騎士
- お前は処分だ
騎士
- 処分が終わった後
- ご苦労だった
騎士
- お前の言ってたことは本当だったらしい
騎士
- お前は特別に裏の騎士として働いてもらおう
騎士
- よろしくなマーニー
騎士
- ......
マーニー・レイデル
- ありがとうございます...
マーニー・レイデル
- 全ての回想が終わり、現実世界に視点が変わる
- どうするんだよミーナ...一緒に脱獄するんじゃなかったのかよ...
ケビン・シューベル
- 今日メイリンを救い出して...俺達は2人に...
ケビン・シューベル
- うん......
ミーナ・ステンチ
- (私は確かに私を必要としてくれる環境を求めてた...)
ミーナ・ステンチ
- (みんなのように遊んでもらいたかった)
ミーナ・ステンチ
- (もし遊んでもらえる子供がマイケルじゃなくてぺぺ様だったら...多分別の未来があったのかもしれない)
ミーナ・ステンチ
- (だけどやっぱり私は...)
ミーナ・ステンチ
- 回想
- きっとこの広い世界の中なら居場所があるって
トム・クロース
- 回想が終わる
- やっぱり......私はここを出たい
ミーナ・ステンチ
- メイリンを救い出して、私達は外の世界へ行くの
ミーナ・ステンチ
- もう私は...誰にも囚われない
ミーナ・ステンチ
- たく....ここに残るって言われたらどうしようかと思ったよ...
ケビン・シューベル
- ごめんごめん(笑)
ミーナ・ステンチ
- ケビン。必ずここから出ましょ!
ミーナ・ステンチ
- 嗚呼...そうだな!
ケビン・シューベル
- 視点切り替え
- ここを逃げ切って...必ず2人と合流するぞ!
イーサン・ハンク
- えぇ...そうね
マーニー・レイデル
- それぞれの思いが1つになる...みんなの目的は1つ。ここから逃げること。そして始まる戦い...その戦いの果てに何があるのか。世界の秘密とは...
- 次回続く