ふ
ふ
- よーし!
江兎 すずね
- にしてもこの部屋広いなあ〜!
江兎 すずね
- すずねは広いベットに飛び込む
- ふかふか〜
江兎 すずね
- ピロピロリン♪
- 電話だ
江兎 すずね
- もしもしー
江兎 すずね
- もしもし
二階堂 広
- 荷物の整理はできた?
二階堂 広
- うん!
江兎 すずね
- 今ちょうど終わったところ
江兎 すずね
- 分かった
二階堂 広
- 今から迎えに行く
二階堂 広
- 何処か行くの?
江兎 すずね
- 校内の案内を先生に頼まれててさ
二階堂 広
- そうなんだ!
江兎 すずね
- じゃー広場で待ってるね!
江兎 すずね
- りょーかい
二階堂 広
- また後でな
二階堂 広
- はーい
江兎 すずね
- すずねと広は幼なじみ
- すずねと広は御三家の孫娘・息子なので
- 小さい頃から呪術を扱ってきた
- 呪術界でも有名な呪術師である
- えーと広場は…
江兎 すずね
- すずねが曲がり角を曲がったその瞬間、
- きゃ!?
江兎 すずね
- 人にぶつかった拍子に転んでしまった
- いててて…
江兎 すずね
- すみませ…
江兎 すずね
- その人は私の顔を覗き込みながら、
- 見慣れない顔だな
五条 悟
- 1年か?
五条 悟
- と呟いた
- (まずは謝罪でしょ?!)
江兎 すずね
- は、はい
江兎 すずね
- 後輩ちゃんかな?
夏油 傑
- 立てる?大丈夫?
夏油 傑
- 大丈夫です、立てます
江兎 すずね
- お前転入生か?
五条 悟
- は、はい
江兎 すずね
- 今日からここでお世話になります
江兎 すずね
- 高専1年 江兎すずねっていいます
江兎 すずね
- すずねちゃんかー
夏油 傑
- いい名前だね
夏油 傑
- どちらも背が高くて、圧を感じる
- お、お2人は2年生ですか…?
江兎 すずね
- そうそう
夏油 傑
- おれは夏油傑
夏油 傑
- でこっちは五条悟
夏油 傑
- すずねはその瞬間、ゾッとした
- (五条…悟と夏油傑…って)
江兎 すずね
- (転校する前に八衣が言ってたあの2人?)
江兎 すずね
- ────3日前────
- すずね、東高専にはマジで怖い2人組がいるらしいから気をつけてね
七海 一花
- 2人組?
江兎 すずね
- そう
七海 一花
- 高専1の問題児で、乱暴でちょー怖いらしい!
七海 一花
- うわあ…
江兎 すずね
- 会ったらすぐ逃げた方がいい
七海 一花
- 間違っても口答えなんかしちゃダメだよ
七海 一花
- 何されるかわかんない
七海 一花
- 怖いね…
江兎 すずね
- ありがと、気をつけるね
江兎 すずね
- 八衣のこの言葉を思い出したすずねは、
- (ここからなんとか逃げ出さなきゃ…)
江兎 すずね
- あの、す…すみません
江兎 すずね
- 私…用事があるので、通してもらってもいいですか?
江兎 すずね
- 五条さんって人はずっと私の顔を見てて話を聞いているのかさっぱり分からない
- で、では失礼しま…
江兎 すずね
- 待て
五条 悟
- 動くな
五条 悟
- (?!)
江兎 すずね
- お前もしかして、御三家の孫娘か?
五条 悟
- 京高専で有名な
五条 悟
- (私のことを知ってる…?)
江兎 すずね
- そ、そうです
江兎 すずね
- 五条さんのがどんどん近寄ってくので、
- すずねも後ずさりする
- (怖い…)
江兎 すずね
- すずねの手は震えが止まらなかった
- 何故震えてる?
五条 悟
- 怖いのか?
五条 悟
- いえ!ただ…
江兎 すずね
- ただ、なんだ?
五条 悟
- 悟、あまり後輩をいじめるな
夏油 傑
- いじめてねーよ
五条 悟
- 質問してるだけだろーが
五条 悟
- あの…その…
江兎 すずね
- (逃げなきゃ!)
江兎 すずね
- すずねは悟が目を離した隙に
- 逃げ出した
- (とにかくここから離れ…)
江兎 すずね
- その瞬間、誰かに腕を掴まれた
- なぜ逃げる?
五条 悟
- 理由を答えろ
五条 悟
- や、やめて…ください
江兎 すずね
- 抵抗するすずねを、
- 悟は壁に押し付けた
- お願いします、逃がしてくだ…さ…い
江兎 すずね
- 涙目で震える声を振り絞って、懇願した
- あのなあ
五条 悟
- 先輩が話をして…
五条 悟
- すずね?
二階堂 広
- 声のする方にたっていたのは、広だった
- ひ、ひろ…
江兎 すずね
- 先輩すみません、これからすずねと用事あるんで
二階堂 広
- そう言って、広はすずねの手を取り何処かへ消え去った
- 悟、あの子泣いてたよ
夏油 傑
- やりすぎだ
夏油 傑
- 何もしてねーって…
五条 悟
- …ただ逃げられるのが気に食わなくて
五条 悟
- 僕達は問題児扱いされているんだから
夏油 傑
- 怖がられるのは当たり前だよ
夏油 傑
- 先輩が話してんのに逃げるかよ、普通
五条 悟
- (朝からイライラさせやがって…)
五条 悟
- その頃────
- 広ありがとね
江兎 すずね
- んー?
二階堂 広
- さっき
江兎 すずね
- 助けてくれて
江兎 すずね
- どーゆー状況かよく分かんなかったけど
二階堂 広
- なんかされてないか?
二階堂 広
- 大丈夫か?
二階堂 広
- うん、大丈夫だよ
江兎 すずね
- 噂で聞いてた2人だから怖くて…
江兎 すずね
- あの先輩はこの高専で最も強い2人だ
二階堂 広
- 確かに口は悪いけどいい先輩だから
二階堂 広
- 怖がらなくていいよ
二階堂 広
- …そう、なんだ
江兎 すずね
- ところでどこから回る?
二階堂 広
- んー東から回っていこ!
江兎 すずね
- はーい
二階堂 広
- 2人はしばらく校内を回った
- またすずねと会えるなんて思わなかったよ
二階堂 広
- 私も
江兎 すずね
- 広がいるって聞いた時はびっくりした!
江兎 すずね
- 同級生にはもう会ってきた?
二階堂 広
- あ、うん!
江兎 すずね
- 一花ちゃんだよね
江兎 すずね
- あの子に荷物整理手伝ってもらったの
江兎 すずね
- 優しくて可愛い子だよね〜
江兎 すずね
- 一花は俺と同じタイミングで入学してきた
二階堂 広
- すずねもすぐ仲良くなれると思うよ
二階堂 広
- うん!
江兎 すずね
- よかったー広がいてくれて
江兎 すずね
- そう?
二階堂 広
- なんか安心する
江兎 すずね
- 昔を思い出すからかな
江兎 すずね
- 中学の時にすずねが俺を道連れにして
二階堂 広
- 屋敷から脱走したのは鮮明に覚えてる
二階堂 広
- 懐かしいね〜
江兎 すずね
- 後あとめっちゃ怒られたし
江兎 すずね
- 2人は笑いあった
- 昔のように、兄弟のように
- (こうやって広と話せるの幸せだなあ…)
江兎 すずね
- あ、そうだ
二階堂 広
- すずねに渡したい物があるんだ
二階堂 広
- え、なんだろう?
江兎 すずね
- これ、転入祝いだよ
二階堂 広
- うわあ、可愛い!
江兎 すずね
- すずねに似合うと思って
二階堂 広
- 広がすずねに付けたのは、宝石が輝くチョーカーだった
- めっちゃ綺麗な色!
江兎 すずね
- すずねの瞳の綺麗な黄緑色に似たペリドットが使われてる
二階堂 広
- 広、ほんとセンスあるね〜
江兎 すずね
- だろ?
二階堂 広
- 気に入ってくれたみたいだな
二階堂 広
- うん!
江兎 すずね
- これから毎日付けよーっと!
江兎 すずね
- こうして、すずねの東高専生活は始まった