魔女ハーノスの日記4(雪ノ季 9日)
とある別世界に住む魔女の日記、4ページ目です。
- 雪ノ季 9日
ハーノス
- 相変わらず、退屈な日が続く
ハーノス
- かといって、つい昨日なんかは、新しい薬の調合をしていたら、気づけば1日が過ぎていた
ハーノス
- ふっ。毒入りではあったが、先日食った雪ノ花鍋の腹の持ちがだいぶと良くてな
ハーノス
- まぁ、もう食う気にはならんが
ハーノス
- 鍋を食べた後から、どうやら、食欲が無くてな
ハーノス
- 昨日今日と、水分しかとっておらん
ハーノス
- これは……腹持ちが良い。ということだろう……恐らく
ハーノス
- ……
ハーノス
- いや、病は気から。という言葉もあることだ
ハーノス
- (一応……解毒薬も完成させたしな)
ハーノス
- 特に気にせずにやっていこうと思う
ハーノス
- ……何だか、不思議なものだ
ハーノス
- 私は普段、なかなか他人と話すことは無かったのだが
ハーノス
- いや、むしろ、独り言すらなかなか言わぬ方であったが
ハーノス
- まさか、日記相手にこんなにも饒舌になってしまうとはな
ハーノス
- ふふふ。この姿、傍から見れば滑稽であろうな
ハーノス
- 特に、今までの私を知っている者達からするとな
ハーノス
- そうそうう。最近の世は、これまた変わらずに騒がしい
ハーノス
- まだまだ、私はここに住んでいる必要がありそうだ
ハーノス
- 私にはもう、財も名誉も何も必要ないからな
ハーノス
- ただ、命だけが惜しいだけの魔女だ
ハーノス
- この、少なくとも、今この変わらぬ日常という名の平和が続けば良いな
ハーノス
- さて、今日は、ちと早いが
ハーノス
- 念には念を、作っておいた偽雪ノ花の解毒薬を飲む時間だ
ハーノス
- 完
ハーノス