魔女ハーノスの日記(雪ノ季1日)
初投稿し直し。続くかは未定。とある別世界に住む魔女の日記。
- 雪ノ季 1日
ハーノス
- あー、あー、テステス
ハーノス
- うむ。ちゃんと録音しているようだな
ハーノス
- 私の名はハーノス
ハーノス
- 魔女だ
ハーノス
- この、私特製の音声日記を残そうと思ったのも、大した意味はないが
ハーノス
- なにせ隠居生活も暇なものでだな
ハーノス
- なにか面白いことをしたいと思うて日記を録音しようと思うたのだ
ハーノス
- そうそう、この日記は私の魔法で録音しているからな。私が死んだ時は日記も共に消滅してしまうのだ
ハーノス
- つまり、どんな事を言おうと、私が死んだら、それを自動的に墓場まで持って行く事ができる
ハーノス
- ふふっ。だから、なんぼと恥ずかしい事を言うても最後は消えてしまう。という寸法だ
ハーノス
- ………
ハーノス
- ジョークだ
ハーノス
- もし、誰かが、私の死ぬ前にこの日記を見付けてしまっていては困るからな
ハーノス
- やましいことを考えたか?
ハーノス
- 残念ながら、私は独り身だ
ハーノス
- 誰が100歳を優に超えるババアと付き合うことか
ハーノス
- まぁ、若い頃は恋の1つや2つはあったが
ハーノス
- そんな事はもう過去の話だ
ハーノス
- この日記を見る誰かたちも、そんな事は望んでおらぬだろう
ハーノス
- しかし、最近はよく寒い日が続くものだ
ハーノス
- 雪ノ季だから仕方の無い事だがな
ハーノス
- 桜ノ季が待ち遠しいのぅ
ハーノス
- 桜ノ季と言えば、私の住む地域には、桜がなくてな
ハーノス
- いや、生息出来ない。と言うのが正しい
ハーノス
- 一度、死ぬまでには見てみたいものだ
ハーノス
- そういえば最近、世が騒がしくなってきておる
ハーノス
- どこぞの王の暗殺じゃとか戦じゃとか……な
ハーノス
- あくまでも、私達魔女は、人間同士の争いに首を挟まない条約を結んでおるが
ハーノス
- それもまた昔の話
ハーノス
- 今や裏稼業で、不穏な事をしている連中もおらぬ事は否定できぬも事実
ハーノス
- そういったことから、土地的にも世の中心部から遠く離れた場所を求め
ハーノス
- 私はこの世ノ地図の最北端に位置するスノゥ地域に隠居している
ハーノス
- しかしまぁ、この場所が見つけられるのも時間の問題だろう
ハーノス
- 魔女は、世に10人しか存在しないのだ
ハーノス
- 人間たちはきっと、私達を狙ってくるだろう
ハーノス
- 魔女の持つ強大な力を求めて、な
ハーノス
- 人に捕まったその時には、私は死のうと思うておる
ハーノス
- ……近いうち、この日記が消えてしまわないことを祈る限りだ
ハーノス
- …時間だ。さようなら
ハーノス
- 完
ハーノス