不自由な人形♯2
脱獄の日...
- ♯2「俺の計画」
- まず状況を把握しよう
イーサン・ハンク
- ダンボールの囲いの上には騎士がいる。そして今でも監視されてる
イーサン・ハンク
- まず。どうやってその監視を潜りぬけていくかだな
イーサン・ハンク
- 監視は最低でも4人以上はいる...監視はおもちゃだから...俺達みたいに寝たりしない。つまり...どの時間帯で計画を続行しようと見張られてるって訳だ
ケビン・シューベル
- それに...囲いから出られたとしても...きっと俺達は追われ続ける。マイケル様だっているんだぞ...
ケビン・シューベル
- もはや不可能に近い
ケビン・シューベル
- 時間がない...早く計画を立てないと...
ケビン・シューベル
- 計画を立てる時間がない...か
イーサン・ハンク
- (どうする俺...このままミーナが死ぬのを黙って見てろってのか...?)
イーサン・ハンク
- (そんなのごめんだ...俺はあいつを守ると決めたんだ...)
イーサン・ハンク
- (考えろ...今までの知恵を全部絞りだして...考えろ......!)
イーサン・ハンク
- !?
イーサン・ハンク
- どうした?
ケビン・シューベル
- 何か思い浮かんだのか?
ケビン・シューベル
- あるぞ......
イーサン・ハンク
- え?
ケビン・シューベル
- あいつらが動けなくなる時間...
イーサン・ハンク
- マイケル様が部屋に来て遊びに来るのは...朝の7時と...昼の5時...そして夜の8時だ。そして1時間ごとにおもちゃ時計が鳴り出す。そしてマイケル様の部屋の時計は動かなくなる時がある...
イーサン・ハンク
- これは俺の調査に過ぎないが...監視の騎士もおもちゃ。マイケル様の前では絶対に動けないはず。そして監視が見てる時計は市街地の時計...部屋の時計は少し壊れてるから信頼が薄い...
イーサン・ハンク
- とにかく...朝の「6時50分」に決行だ。俺にいい考えがある
イーサン・ハンク
- イーサンが計画内容を2人に話す
- わかった...お前を信じる
ケビン・シューベル
- ミーナ...明日は早いからもう寝ろ
ケビン・シューベル
- そうだね...でもどうして2人は私だけをこんなにも守ってくれるの?
ミーナ・ステンチ
- 捨てられてる人なんて...私以外にもいるのに
ミーナ・ステンチ
- さぁな...俺にもわかんね
イーサン・ハンク
- 早く寝ろよ。明日は早い
イーサン・ハンク
- わかった...
ミーナ・ステンチ
- 俺達もマイハウスに戻るぞ
イーサン・ハンク
- そうだな
ケビン・シューベル
- (失敗は許されない...)
イーサン・ハンク
- (必ず成功させる)
イーサン・ハンク
- 朝6時50分
- 今日はミーナの命日だな
騎士
- ゴミは捨てられるって...幼い頃のマイケル様でもわかる事だ。残酷だが仕方ない
騎士
- ミーナは運が悪く選ばれなかった。それだけだ
騎士
- 僕はマイケル様のおもちゃ。僕はマイケル様を喜ばせるのが仕事
恐竜のおもちゃ
- みんな真実なんて知ろうと思わないよ。幼い頃...人間の子供が世界を知らなかったようにな
騎士
- また新しい人形が来れば...そいつらに洗脳させる
騎士
- もしもその洗脳が解けてる者がいるとしたら...
騎士
- 馬鹿言え。記憶を奪い、そしてまた新たな記憶を植え付ける。そうしていけば...洗脳なんて誰も気づきやしない。例えばだが、宇宙があるなんて誰でも知ってる真実だ。たがそれは人から聞いた話。実際、宇宙なんて見てないのに...なぜあると分かるんだ?もしかしたら、この世界は作られてる世界なのかもしれないのに
騎士
- 人間は単純だ
騎士
- だが、もし真実を知ってる者が...何も知らない奴に真実を語るのなら...話は別
騎士
- もうすぐで7時だな...マイケル様が来るのはいつも7時
騎士
- 少し経てばおもちゃ時計が鳴り出す。ところで7時になったらピッタリにマイケル様が部屋に来るなんて...意図的なのか...?
騎士
- あと2分か
騎士
- おいおい。なんか...おもちゃの市街地の時計と部屋の時計の針なんか違和感ないか?
騎士
- 誰かが動かしたのか?
騎士
- 流石にそこまでは目に通していなかったな...あの時計は動かせるのか?
騎士
- 知らないのか?あの時計の中に入ると設定で今の時間帯を変える事ができるんだ
騎士
- 昨日までは部屋の時計より市街地の時計の方が少し早かった気がするが...
騎士
- どっちが合ってるんだ?
騎士
- さぁ...どっちですかね
騎士
- 部屋の時計は確か...たまに止まる時がある。マイケル様は普段この部屋を使ってないから気づいてないのかもな。だが3日間あの時計はちゃんと動いてた...だが正直部屋の時計はあまり信用できない
騎士
- 信頼できるのはまだ動いてるおもちゃ時計。つまり頼りになるのは市街地にある時計ですか...
騎士
- まぁ...大丈夫だろう
騎士
- あと1分で7時になる
騎士
- そろそろ鐘を鳴らすか
騎士
- カランカラン(鐘の音)
- そろそろ起きろー!!
騎士
- マイケル様がもうすぐ来るぞー!!
騎士
- マイケル様!?
恐竜のおもちゃ
- やっと僕と遊んでくれるんだ!!
恐竜のおもちゃ
- 楽しみだな......
恐竜のおもちゃ
- 早く位置につけー!!
騎士
- マイケル様が来るぞー!!
騎士
- カタ、カタ、カタ(時計の針の音)
- あと30秒だー!!
騎士
- 急げぇぇ!!
騎士
- よし!俺達も位置に!
騎士
- そうだな!
騎士
- カタ、カタ、カタ(時計の針の音)
- こっちは大丈夫だ!
騎士
- こっちも大丈夫!
騎士
- 準備はできた!!
騎士
- あとは待つだけ!
騎士
- カタ、カタ、カタ(時計の針の音)
- チリリリリン!(市街地の時計の音)
- (鳴ったな...)
騎士
- (マイケル様が来る...)
騎士
- (......)
騎士
- (......)
騎士
- (...?)
騎士
- (...?)
騎士
- (どうした......?)
騎士
- (7時になったら来るはずだが...)
騎士
- タッタッタッ(足音)
- (足音?)
騎士
- (マイケル様か...?)
騎士
- (違う...距離が近い...おもちゃか?)
騎士
- (だとしたら...一体...)
騎士
- (我慢できない...少し見てみるか...)
騎士
- 騎士が覗きだす
- !?
騎士
- おい!あれを見ろ!
騎士
- !?
騎士
- どうした!?
騎士
- ダンボールの囲いを...乗り越えようしてしてる!!
騎士
- なんだと!?
騎士
- すぐに捕まえろ!!
騎士
- 急げ!
イーサン・ハンク
- 俺が担ぐから...ミーナは先に行って!
イーサン・ハンク
- でも...
ミーナ・ステンチ
- いいから!
イーサン・ハンク
- ......
ミーナ・ステンチ
- わかった!
ミーナ・ステンチ
- イーサンの肩に乗り、ダンボールの囲いを乗り越える
- よし!
イーサン・ハンク
- あとはケビン!お前がいけ!
イーサン・ハンク
- 先に行かせてもらうぞ!
ケビン・シューベル
- グッ!
イーサン・ハンク
- すまん!
ケビン・シューベル
- 平気だ......!
イーサン・ハンク
- ドアの横にかかってるから...急いで!
イーサン・ハンク
- わかった!
ケビン・シューベル
- ミーナ!ロープを下ろしてくれ!
イーサン・ハンク
- ちょっと待てて!
ミーナ・ステンチ
- あいつ...昨日の話してた...イーサンだと!?
騎士
- そして...ロープを下ろしてるあの女...ミーナ!?
騎士
- あいつ今日捨てられる奴なんじゃないのか!?
騎士
- まさか...逃げるために...!!
騎士
- イーサンお前......!!
騎士
- 逃げるってぇ!!?
恐竜のおもちゃ
- ダメだよ!マイケル様のために働かないと!!
恐竜のおもちゃ
- 登って!
ミーナ・ステンチ
- すまない!
イーサン・ハンク
- イーサンがロープに捕まり登る
- (そういう事か...相棒の言ってた違和感が的中した...マイケル様の部屋についてる時計は止まる時がある...だが珍しく3日間昨日まで動いてた...市街地にある時計の針は12時30分だった...その同時刻で部屋の時計は12時20分だった...)
騎士
- (だが...!!今日の時間を見てみれば部屋の時計が6時40分...市街地の時計は6時50分だった...!!違和感の正体がわかった...昨日までは市街地の時計は部屋の時計より少し早かったのに...奴らは設定を変えて、俺達に嘘の時間を信じ込ませ、マイケル様が来る前に俺達が位置に着くことを利用し、その隙に逃げるという作戦だったのか!?)
騎士
- (10分おもちゃ時計を早めてたのか...)
騎士
- (まさか時計を利用するとは...)
騎士
- 無駄だ!囲いから出られたとしても......
騎士
- !?
騎士
- ドアの横の鍵を確保した!鍵を開けるぞ!
ケビン・シューベル
- ありがとうミーナ!
イーサン・ハンク
- イーサン早く!
ミーナ・ステンチ
- ガチャ(ドアが開く音)
- 開いた......!!
ケビン・シューベル
- 急げ2人とも!!
ケビン・シューベル
- おう!
イーサン・ハンク
- (そうだ...監視が違和感に気づいても...部屋の時計は止まる時があり信頼が薄い。いつも彼らが見てるのは...おもちゃの市街地の時計だ。だから違和感に気づいても市街地の時計の時刻を信じるだろう。計画通りだ...)
イーサン・ハンク
- 早く2人を追うぞ!
騎士
- よせ!
騎士
- 何故だ!?逃げられてしまうぞ!
騎士
- もう10分経とうとしてる...
騎士
- !?
騎士
- 市街地の時計を見たら既に7時7分だが...あいつらが10分早めたのなら...現在は6時57分...
騎士
- クソ...これじゃあ探す暇がねぇ...
騎士
- 一旦元に戻れ...
騎士
- 奴らを追うのは後だ...
騎士
- やったぞ...逃げれた!!
イーサン・ハンク
- やったな!
ケビン・シューベル
- 囲いの外に出られた......!!
ミーナ・ステンチ
- とうとう囲いから出られた!!ここから先は大冒険!?この世界の真実とは...マイケルの部屋の向こうには何が待ってるのか!?
- 次回続く