猛り爆ぜるウサギと黒竜
これはもしかしたら、勇者と魔王がいるかもしれない。剣と魔法の世界で、鬼の様な形相でヒャッハーして黒竜をボッコボッコにする暴力白ウサギと 情けない悲鳴で白ウサギにボッコボッコにされる黒竜…二匹のハートフルボッコストーリーである。
- 2話「自分が何者かを語る途中、割り込まれたウサギは黒竜をボッコボッコにする。」
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- ほ〜ら、僕のマイエンジェル…新鮮なキャベツだよー
とある一般男性
- 始まりは…あれはまだ、オレが窮屈なゲージに閉じ込められて撫でるのが下手な主(あるじ)に飼われてた頃だ。
- ……
???
- う〜ん…もしかして僕のマイエンジェルはキャベツは今日は食べないのかな〜?…なら!コレはどうだ!そーら色鮮やかな赤色のニンジンだぞー!!
とある一般男性
- ……
???
- くっ…コレも駄目なのか〜…こうなったら奥の手だ!さぁ!刮目せよ僕のマイエンジェル!!ほーりゃ、ほーりゃーリンゴだぞー!
とある一般男性
- ……
???
- グハッ!!これでもダメなのか!?何故だ!!何故なんだマイエンジェル!!
とある一般男性
- ダメな理由…そんなの決まってる、この男はまず、オレの好みを理解していないのだ。そもそもな話、オレはキャベツ派じゃなくてレタス派だし…ニンジンだって赤色より紫色の方が好きだ。そして最後…オレはリンゴが嫌いなんだ!!果汁で口元はベタベタになるし…何より甘い部分が外側ぐらいしかない!何で中心になるにつれて渋みと酸味が出てくるんだよぉぉ!!ちくしょう!生まれてこの方…こんなゲージにいることも!…こんな飼い主がいることも!全部ッ!全部ッ!リンゴのせいだァァァァ!!リンゴ!滅ぶべし!
- (大きく低い声)ブーブー!
???
- ※ウサギが怒ると出す声
- はっ!僕のマイエンジェルがご機嫌ナナメだ!…もしかして
とある一般男性
- そうだ!とっととキャベツをレタスに…赤色を紫色にしろこの無能!!あと目の前のこのリンゴをこの世から消し去ってくれ!
- 僕のラブパワーが足りなかったんだね!!もう大丈夫だよ!僕のマイエンジェル、今ゲージから出してギュッて抱きしめてあげるからね♡
とある一般男性
- は?……違うわァァァァッ!!
- (大きく低い声)ブーブーッ!
???
- ははははっ!そんなに急かさないでくれよマイエンジェル…よし!ゲージは開いた…さぁ!僕の胸に飛び込んでおいでマイエンジェル!!!
とある一般男性
- コイツ…ダメだ。オレが内心そう思った時だった…突然、視界に強い光が走った。
- ?!…コレはまさか魔法陣?
とある一般男性
- 主に対する呆れと突然の光で思考が追い付かない中、オレの体は勝手に動いていた。ゲージから飛び出しそのまま……
- ?!ッブ
とある一般男性
- 主の顔面を目掛けてドロップキック!!主を光から弾き出し…綺麗に光の上に着地する。
- ぐぅっ…ダメだ!…行かないでくれ!マイエンジェル!マイエンジェェェェルッ?!
とある一般男性
- ……
???
- 突然のことに自分自身で驚きつつ…オレは慌てふためく主を嘲笑いながら…強くなる光に飲み込まれていった。
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- つまり、貴方は異世……
黒龍
- おい!クソザコ…オレが話してるのに突然割り込むな!あとそれ以上は言うな!
???
- えー?…何でですか、もう展開が分かっちゃいましたし…あとクソザコは一言余計です。
黒龍
- ……
???
- 約3秒後そこにはボッコボッコにされた黒竜がいた。
- おい!クソザコ!お前…母ちゃんに他者が語ってる時は、話は最後までしっかり聞きましょうって習わなかったのか?ちゃんと続きがあんだよ…理解したかクソザコ!
???
- グフッ…ガハッ!…私は生まれながらにそのような存在はいなかったので今、学びました…あと続きがあるのも理解しましたので…どうぞ続けてください。
黒竜
- ……
???
- ?
黒龍
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- 3話「ウサギの話を聞き終えた黒竜は理不尽にギッタン、ギッタンのボッコ!ボッコ!にされる」に続く。